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COUNSELOR - 2024.10.08

【3分でわかる】メンタルヘルスカウンセラーに必要なスキルとは?

メンタルヘルスカウンセラーという職業に興味はあっても、具体的にどのようなことをするのか、どのようなスキルが必要なのか、わからないことも多いと思います。このページは、そのような方のために、メンタルヘルスカウンセラーについてわかりやすく解説していきます。

メンタルヘルスカウンセラーとは

メンタルヘルスカウンセラーは、カウンセリングを通して悩みを抱える人のこころに寄りそい、適切な支援によって、悩みを軽減させたり問題の解決をサポートする専門家です。

一人ひとりに適したサポートが必要

悩みは人それぞれ異なり、同じ出来事が起きても感じ方は様々です。

例えばとある朝、出社して上司に「おはようございます」と挨拶をしたとします。しかし上司は無反応。このとき、あなたはどう感じますか?

ある人は「無視するなんて酷い!」と怒りを感じるかもしれません。あるいは、「朝から仕事に集中しているんだな」と楽観的に考えたり、「無視された…もしかして嫌われているのかな」と悲観的に感じる人もいるでしょう。

その感情は、相談者の性格や価値観、過去の経験など、さまざまな要因によっても左右されます。また、同じ人でも、そのときの体調やこころの状態によって感じ方は変化します。

そのため、メンタルヘルスカウンセラーは、相談者の話をよく聞き理解することで、その人の悩みの背景や、その悩みに対してどのような感情を抱いているのかを把握します。そして、その結果に基づいて適切なサポートを行うことが求められるのです。

メンタルヘルスカウンセラーに必要なスキル

それでは具体的に、メンタルヘルスカウンセラーに必要なスキルを解説していきます。

①カウンセリングスキル

相談者の状況や悩みを正しく把握するためには、カウンセリングスキルが必要です。相談者に寄りそいながらしっかりと話を聴き、信頼関係を築きます。この信頼関係があることで、相談者は安心してカウンセラーに悩みや気持ちを伝えることができます。

②アセスメントスキル

アセスメントは、「対象を客観的に調査・評価する」ことを指します。

メンタルヘルスカウンセラーが行うアセスメントは、相談者の悩みや問題を明確にし、これからどのようにサポートしていくかを決める作業になります。

このアセスメントを適切に行うには、精神疾患といった精神保健の正しい知識が必要です。それらの知識をもとに、相談者がどのような精神状態なのか、どのような状況に置かれているのか、その原因は何か、これからどのようなサポートをするかを考えていきます。

③状況改善・問題解決スキル

②のアセスメントを通して把握した相談者の状況をもとに、心理療法などを用いてサポートを行い、状況改善や問題解決に導きます。

メンタルヘルスケアには様々なアプローチがありますが、ここではよく使われる、対人関係療法、ブリーフセラピー、認知行動療法をピックアップして紹介します。

対人関係療法

メンタルヘルスの問題にはさまざまな要因がありますが、そのなかでも対人関係の影響は大きく、それがきっかけとなるケースは多々あります。

対人関係療法は、相談者の対人関係に焦点を当てた療法です。相談者にとって重要な人間関係と、その人との現在のコミュニケーションに注目し、最適化を図るというものです。

人間関係が変わり、最適化されることで、ストレスの軽減につながります。

ブリーフセラピー

ブリーフセラピーは「短期療法」と訳されます。短期間の解決を目指すのではなく、効率的に行った結果として、短期で解決しやすい療法です。

伝統的な心理療法においては、メンタル不調の原因は相談者自身や相談者の過去にあるとし、それを明らかにすることで状況改善を図ります。一方でブリーフセラピーは、問題の原因や過去は重要視せず、視点を切り替えて未来の具体的な目標に向かってサポートをしていきます。

過去ではなく今と未来を重要視した、未来志向・解決志向のアプローチです。

認知行動療法

物事の受け取り方(認知)のクセに注目し、適応的な方向に修正をする療法です。

私たちは、自分の置かれている状況や出来事を、無意識のうちに主観的に受け取っています。自分自身が健康的な状態であれば、そのときどきの状況に順応した受け取り方をすることができます。しかし、ストレスを強く受けているときなどは、偏った受け取り方をし、それが悪循環となって不調を起こしてしまうことがあるのです。

この偏った受け取り方(認知のクセ)を修正して、状況に適応した受け取り方ができるようにサポートをします。適応的な受け取り方をすることで、ストレスは軽減されます。

認知行動療法は、うつ病に効果的だというエビデンスが立証され、世界的に使用されている療法です。
 
 
ここまで、メンタルヘルスカウンセラーに必要なスキルや代表的な心理療法を紹介してきました。イメージはつきましたでしょうか?

次は、職場や学校などでのメンタルケアが課題となっている近年、注目されている「EAPメンタルヘルスカウンセラー」について解説していきます。

EAPメンタルヘルスカウンセラーとは

メンタルヘルスカウンセラーのスキルに加えて、EAPの知識やスキルを併せ持ったカウンセラーを、「EAPメンタルヘルスカウンセラー」といいます。

EAPメンタルヘルスカウンセラーは、個人へカウンセリングから、個人が所属する組織への支援までを行うことができるのが大きな特徴です。

EAP(従業員支援プログラム)とは

EAPとはEmployee Assistance Programの略で、「従業員支援プログラム」と訳されます。簡単に言うと、組織でのメンタルヘルスケアの取り組みを指す言葉です。メンタルヘルスケアの先駆けであるアメリカが発祥のプログラムです。

EAPでは、組織の環境改善やメンタルヘルスの研修、休職者の復職支援、問題を抱える従業員やその家族へのカウンセリングなど、多岐に渡る取り組みを行います。これらを通して、働く人のこころをサポートしていきます。

EAPのスキルが求められる理由

相談者は、会社や家庭、学校、地域などの何らかの組織に所属しています。そのため、メンタルヘルスの問題が本人ではなく、組織での人間関係や環境にあるケースは多々あります。

相談者が所属する組織の図

相談者個人に行うカウンセリングに加えて、相談者が所属する組織に働きかけを行うことで、より根本的な問題解決につながります。

例えば、業務過多で残業が続いたことがきっかけで、心身が疲弊し、出社ができなくなった人がいるとします。その人はその後、休職をしてカウンセリングを受けたことで状況が改善し、無事に職場復帰ができました。しかし、復帰する場所は元の職場です。再度、同じ状況が繰り返されてしまう可能性は残ります。

これを防ぐためには、職場の上司や管理部門に状況を共有して理解を深めたり、職場環境の改善を図るなどの復職に向けた支援を行うことが重要です。これにより、復職後にまた同じ状況に戻るのを防ぐことができるのです。

支援の幅が広がるEAPメンタルヘルスカウンセラー

メンタルヘルスカウンセラーとしてのスキルに、EAPの知識やスキルを併せ持つことで、支援の幅が大きく広がり、相談者へより適切な質の高いサポートをすることができます。

働くこととストレスは切っても切り離せない関係の現代。EAPメンタルヘルスカウンセラーの需要は高まっていると言えるでしょう。
 

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まとめ

メンタルヘルスカウンセラーは、ストレスを抱える人が多い現代に必要とされる職業です。また、メンタルヘルスカウンセラーのスキルを持つことは、身近な大切な人のこころを支えることにもつながります。カウンセラーを目指す方はもちろん、家族や友人、同僚、部下など周囲の人のサポートをしたいという方など、多くの方が身につけたいスキルです。

人の支援に興味のある方は、スキルの習得を考えてみてはいかがでしょうか。

 

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