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MENTAL HEALTH - 2020.05.17
精神科医Dr.KSの診察室②「ストレスで食が止まらないあなたへ」
このコーナーでは、カウンセラーとカウンセラーを目指す方のための総合サイト「リカレントCounselor」に寄せられた悩みを、精神科医Dr.KSが答えます。
第2回は「ストレス」をテーマにお届けします。
第2回のテーマは「ストレス」
Question
ストレスがたまると無性に甘い物や味の濃いものを食べたくなって、つい食べ過ぎてしまいます。いつも後悔するし情けない・・・と思うのに止められないんです。これは心の病気なのでしょうか?最近では、コロナの影響で、外に出られない状況が続いて、家に居る時間が長くなった分、ますます食べることがストレス解消になっています。
Anser
ストレスや不安のコントロールが大切。ストレスの発散方法にも目を向けてみましょう。
最近は、コロナウイルス感染症予防の観点から、在宅勤務や外出自粛が強く推奨されていますね。家に居る時間が誰しも多くなっているはずです。家に居ることもストレスと感じることがあるでしょうし、普段なら外に出て発散で来きているストレスを、家の中で解消しなければならず、そのためつい食べ物に走ってしまうこともあるでしょう。
ストレスがたまって甘いものが食べたくなることって、誰にでもあります。ストレス解消のために「今は食べちゃおう」と決めて、決めた量だけ食べてしまうのもひとつの手ですよね。せっかくストレス解消のために食べたのに、食べたことで後悔していたら、ストレス解消の効果もなくなってしまいます。
ただし、それでおさまらずに、食べるのが止まらなくなるとか、後悔してまで食べてしまうのを繰り返すようならば、あなたの心が食べることに対するコントロールを失っているといえるでしょう。心がコントロールを失っている時ってどんな時でしょうか。ストレスに押しつぶされそうになって不安でいっぱいの時、あるいは悲しさに襲われている時、何かに対して腹立たしい気持ちでいる時、それらのややこしい感情を抱えていても、もてあましてしまう時などでしょう。
対処法はある?
食べ過ぎしてまう対処方法としては、ひとつには、極端な空腹の時間を長く作らないよう心がけてみたらいかがでしょういか。血糖値が下がって飢餓状態に近づけば、人の体はバランスをとろうとして糖質を欲しがるものです。3食規則正しく食べること、よく噛んで味わって食べること。せっかく食べるなら美味しいと思えるものを美味しく食べられたらいいですね。美味しいものを美味しく食べられているなら、心の問題とは言えないのではないかな。
他にもストレス発散法を見つけよう
また、食べること以外のストレスの発散方法にも目を向けて探してみることも大切です。外出自粛と言われていても、人の密集するシチュエーションを避ければ、散歩やジョギング、日向ぼっこなどはやっても大丈夫です。家の中でも体を動かすこと、歌を唄うなど、解放的でちょっと興味が持てることはないでしょうか。今は、YouTubeにも家の中で楽しめる工夫が詰まった動画が、さまざまアップされていますよね。
それから、あなたの話をきちんと聴いてくれる人と話すことができたらいいでしょう。話した相手から「そうだよねえ」と言って貰えること、「そうそう同じ同じ」と共鳴してもらえること。話をきちんと聴いてもらえるということは、自分をそのまま受け入れてもらえるという体験にも通じています。その体験というのは、実は愛情とか愛着とも関係しているのですよね。
愛情とか愛着の不足分を、食べ物は補っているという見方もできます。だから適度な量を美味しく食べて、自分を満たしてあげるのもいいのです。食べ物は美味しく味わって食べること、そして、不足分は食べ物ばかりに頼らず、他のものでも充分補えることに気づくことです。
とにかく、気を付けなければならないのは、不安がストレスになる ⇒ 過食でまぎらわせる ⇒ 自己嫌悪・さらに太る(コロナメタボになる)。この単純な公式、わかっているからこそ、その単純なループから抜けられないと、一層、悔しさや自己嫌悪が募るはずです。ストレスや不安のコントロールが大事 ⇒ 適度な運動や好きなこと・人との会話へのループへとぜひ導かれたいものですね。
まとめ
精神科医Dr.KSの診察室②では「ストレス」で食に走って方からの悩みに対し、Dr.KSから食べすぎないための工夫や、ストレスや不安をコントロールするために役立つアドバイスなどをいただきました。また、コロナ禍の今、一人ひとりの心に寄りそうカウンセラーの役割もさらに重要となっていくでしょう。
精神科Dr.KSの診察室では皆さんからの悩みや質問をお待ちしております。
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この記事を書いた方のご紹介
Dr.KS
精神科医/日本医師会産業医/臨床心理士/法政大学産業医・学生相談室学校医/渋谷もりやクリニック/神奈川大学人間科学部特任准教授
精神分析学派のもと、卓越した理論とサイコセラピー技術を融合させた独自の臨床観と高度な専門性を持つ。産業から医療、教育と多領域で活躍。精神科医であり臨床心理士、特任准教授として大学で教鞭もとるマルチなドクター。大手ファーストフード、輸入バッグ企業ほか6社もの産業医を務める。
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