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キャリアコンサルタント資格 - 2024.09.26更新 / 2022.09.16公開
キャリアコンサルタントに向いている人とは? 適性を紹介
キャリアコンサルタントの仕事に興味があっても、自分はキャリアコンサルタントに向いているのかが気になる方も多いのではないでしょうか。
このページでは、キャリアコンサルタントの仕事を踏まえて、向いている人の10特性をみていきます。また、向いていない人の特性にも触れていきますが、対処法も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
キャリアコンサルタントの役割ついて
まずは、キャリアコンサルタントの仕事と役割を紹介していきます。
キャリアコンサルタントは、相談者一人ひとりに合った職業選びをサポートしたり、仕事に必要な能力を身につける支援をしたりと、キャリア全般のサポートを行います。
職業選びと言っても仕事の紹介だけではなく、相談者がその人らしく働けるように、適性や能力、価値観などをもとに、その人に適した職業は何かを一緒に考えていきます。
キャリアとは
「キャリア」と聞くと、仕事においてのキャリアをイメージする方が多いと思います。「出世」というワードが頭に浮かぶ方もいるでしょう。
「キャリア」には「経歴」といった意味がありますが、広くは「人生」や「生き方」という意味合いも持っています。
そのためキャリアコンサルタントが扱う相談内容は、就職や転職に関することだけではなく、生活設計や生き方なども含まれます。キャリアコンサルタントは相談者と、仕事を通してどう生きるかといった課題を考えていくことになります。
キャリアコンサルタントの具体的な就職先は?
キャリアコンサルタントの代表的な就職先は、一般企業の人事、ハローワークなどの公的機関、学校、人材派遣・紹介会社などがありますが、近年では福祉の領域にもキャリアコンサルタントの活躍の場は広がりを見せています。
このほか、フリーランスとして企業と契約をし、企業内キャリアコンサルタントをしている人、キャリアコンサルタントを育成するための講師業をしている人、企業の採用の手伝いをしている人、など様々です。
キャリアコンサルティングを利用するのはどういう人?
キャリアコンサルティングの利用者は年齢から立場まで実に幅広く、そのため学生に対してのキャリア教育から、シニア層に対してのセカンドキャリアや再雇用に関するコンサルティングまで、対応範囲は多岐に渡ります。
また、キャリアコンサルタントの所属している場所によっても対象は異なります。企業の人事であれあば従業員を対象にし、ハローワークであれば若年層からからシニア層の求職者、そして大学では就職活動中の学生、などとなります。
いずれの場合でも、キャリアや仕事で悩んでいたり就職先を迷っているなど、キャリアの課題を抱えている人がキャリアコンサルティングを利用します。
キャリアコンサルタントに向いている人10の特徴
それでは、どういう人がキャリアコンサルタントに向いているのでしょうか。
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人のサポートをしたい人
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コミュニケーションが得意な人
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聞き上手な人
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物事を客観的に捉えられる人
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仕事やキャリアで悩んだ経験がある人
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人の価値観を大切にする人
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題発見能力のある人
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人の長所を見つけるのが得意な人
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向上心のある人
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バランスの良い人
1つずつ順番にみていきましょう。
1.人のサポートが得意な人
キャリアコンサルタントは、相談者に寄り添いサポートをする仕事です。そのため、人のサポートが得意という人や、人のために行動することが好きな人が向いています。
「縁の下の力持ち」のように、周りの人を支えることが性に合っている、「部活のマネージャー」「部下のメンター」などの役割にやりがいを感じたことがあるという場合は、キャリアコンサルタントに向いている人だといえるでしょう。
2.コミュニケーションが得意な人
キャリアコンサルティングにおいて、相談者はキャリアコンサルタントにプライベートな話をしていくことも予想されます。
他者には話したことがない内容を話してくれることもあるでしょう。相談者がそういった話をできるのは、キャリアコンサルタントを信用しているからこそなのです。
キャリアコンサルタントと相談者の間に信頼関係が築かれると、相談者はキャリアコンサルタントに対して安心感を抱きます。そのため、お互いにしっかりとコミュニケーションを取り、信頼関係を築いた上で、キャリアコンサルティングを行う必要があります。コミュニケーションを取るのが得意な人は、その特性を活かすことができるでしょう。
3.聞き上手な人
コミュニケーションを取るうえで、聞き役に回ることが多いという方もいるかもしれません。
また、気づいたら人からよく相談されているという人は、聞き上手であることが考えられます。相談者からすると、自分の話を真剣に聞いてくれる人には、もっと話をしたくなるでしょう。
キャリアコンサルタントは相手に寄り添い、相手の話に耳を傾けることが必要ですので、聞き上手な人は、キャリアコンサルタントに向いているといえます。
4.物事を客観的に捉えられる人
キャリアコンサルタントは「相手に寄り添う」ことが求められますが、同時に相談者の同調しすぎず、客観的な視点を持っていることも非常に重要であるといえます。
また、キャリアコンサルタントの考えを押し付けることも避ける必要があります。
キャリアコンサルタントも相談者もそれぞれの考えを持った人間ですので、相手を100パーセント理解することは難しいことですが、相談者の状況や悩みを適切に把握するには、主観ではなく客観的に捉えていくことが必要です。
客観視することが得意な人は、ひとつの問題も様々な角度から見ることができる視野の広さを持っています。そのため、最良の判断や選択ができるという強みがあります。物事を冷静に客観的に見れる方は、その特性を活かすことができるでしょう。
5.仕事やキャリアで悩んだ経験がある人
自分自身が仕事やキャリアで悩んだことがある人は、相談者の気持ちが良くわかります。実体験をもって相談者に共感できるため、信頼関係が築きやすくなります。
また、キャリアコンサルタントが自分自身を客観的に捉え、悩んだり躓いた実体験を相談者に話すことで、相談者も話しやすくなるというケースもあるでしょう。自身が悩んだ経験があるからこそ、同じ状況の相談者へのサポートにやりがいを感じることができるでしょう。
6.他者の価値観を大切にする人
キャリアコンサルタントは必要に応じて相談者にアドバイスをしますが、何かを強制するといことは行いません。相談者の価値観を尊重してコンサルティングをすることが求められます。
人によって価値観は様々ですので、何を大事にしているか、人生において何を優先しているか、物事をどんな風に捉えているか。それを理解し、受け入れられる人が向いているといえるでしょう。
7.問題発見能力のある人
何事においても問題や課題の発見が早い人がいます。
例えば、部署内の問題を早期に発見し、問題が大きくなる前に解決できたという人。問題発見能力や解決能力を買われて、チームリーダーに抜擢された経験のある人もいるのではないでしょうか。
問題発見能力は課題発見力とも言われ、小さな問題でも更によい方法はないかなど、現状を分析しながら解決策を探っていける能力の事を指します。
相談者は何かしら悩みを抱えていますが、軸となる課題が何なのか、相談者自身でも分からないことは多いです。問題発見能力のある人は、そういった相談者の課題発見をサポートし、解決へ導くことができるでしょう。
8.人の長所を見つけるのが得意な人
人はそれぞれ得意なことや長所を持っています。しかし、自分の短所にばかりに目が行きがちなため、長所に気づいていない可能性も考えられます。
例えば、相談者が自分自身を「せっかちなところが短所」だと思っていても、客観的に見ると「タイムマネジメントができている人」、「効率よく動ける人」などの長所になり得ます。こうしてキャリアコンサルタントを通して自分自身を知ることは、より良いキャリア選択につながります。
また、これまで気づいていなかった長所を知ることで、今後のキャリアに新しい方向性を見出せることもあります。自信をなくしている相談者に長所を伝えることで、自信が持てるようになった、というケースもあります。人の長所を見つけるのが得意な人は、キャリアコンサルタントに向いているといえるでしょう。
9.向上心のある人
世の中は常に変化しています。相談者に正しく、新しい情報を提供することもキャリアコンサルタントの役割です。
そのため、キャリアコンサルタントとして向上心を持ち、勉強や情報収集を怠らずに続けることはとても重要なこといえるでしょう。
例えば、近年はリモート文化が浸透したため、オンラインでのやり取りをする機会が増えてきています。対面でとは異なる形式でのコミュニケーションで相談者のキャリアコンサルティングを行う場合もあるでしょう。
新しいことに挑戦し、取り入れて活用していくなど、向上心のある人はキャリアの多様化にも対応していけますので、キャリアコンサルタントに向いているといえます。
10.バランスの良い人
ここまで、キャリアコンサルタントに向いている人について紹介してきました。しかし「問題発見能力がある」からといって、相談者自身の課題となる点をたくさん並べてしまっては、相談者を落ち込ませてしまいます。
また、「相手の価値観」ばかりを気にしてしまって、本来相手に伝えるべきことを伝えられない、というのも相談者にとって良いことではありません。あるいは、キャリアで悩んだ経験があることから、自身の話ばかりを相談者に話していては、キャリアコンサルティング自体の意味を成さなくなってしまいます。
そのため、キャリアコンサルタントにとって大切な要素を備えている、そしてそれぞれの特性をバランスよく持っている人は、キャリアコンサルタントに向いているといえるでしょう。
この章では、キャリアコンサルタントに向いている人について説明しました。では実際に、キャリアコンサルタントの仕事とはどのようなものなのでしょうか。こちらの記事で詳しく解説をしていますので、参考にしてみてください。
キャリアコンサルタントの仕事とは? 活躍の場や年収についても解説 | リカレントcounselor |
キャリアコンサルタントに向いていない人の特性
それでは逆に、キャリアコンサルタントに向いていない人の特性はどういうものなのでしょうか。
他者に興味がない
ここまでも紹介しているように、キャリアコンサルタントは相談者に寄り添う仕事です。相談者に興味が持てないと、話を聞いたり、背中を押したりすることは難しいといえるでしょう。
また、キャリアコンサルタントが相談者に寄り添うのは、キャリアコンサルティングを行う間の限られた時間ですので、相談者に興味が持てないと短い時間で信頼関係を築くのは難しいと予想されます。
他者に興味がなく、人は人、自分は自分であるという考えがあると、相談者に寄り添う段階でつまずいてしまう可能性があります。
自分の意見を通してしまう
キャリアコンサルタントが相談者に指示をしたり、自分の意見を押し付けることは好ましいとはいえません。
また「1社に勤め上げるべきだ」「正社員を目指すべきだ」など、自身の経験や世間一般の物差しだけが正しいように決めつけるのも避けたいところです。
「〇〇〇をすべきだ」という考えは、あくまでも主観である場合が多いため、相談者の価値観を尊重するキャリアコンサルタントには向いていない特性であるといえるでしょう。
訓練次第でキャリアコンサルタントになれる
「向いていない特性」を紹介しましたが、該当するからキャリアコンサルタントになれない、というわけではありません。
「キャリアコンサルタントに向いていない部分」が自分自身の中にあると思った場合は、他の「向いている」特性でカバーをしたり、自分でコントロールすることも十分に可能です。
また、キャリアコンサルタント自身が、「自分がどういう性格でどういう傾向があるか」を知っていることはとても重要です。向いていない要素を把握することで、短所を長所に変えて活かすこともできます。自分を理解していることで、自分をコントロールでき、相談者へ適切な対応ができるでしょう。
業種別:キャリアコンサルタントに向いている人
キャリアコンサルタントといっても、働く場所によって求められる姿は変わります。次は、業種別にどういうキャリアコンサルタントがより求められるか、向いているかを紹介します。
1.一般企業の人事
人事は、企業によって役割や仕事の幅が大きく変わります。大企業の場合は、「採用担当」「教育担当」「評価面談担当」「給与計算担当」と業務分担をしています。一方で、それぞれの業務を1名ですべてやっているケースや、数名で分担するケースも多いです。
キャリアコンサルタントのスキルを活かせる業務としては「採用」「教育」「面談」が代表的なものです。採用業務では応募者の対応もしますので、円滑にコミュニケーションを取れるスキルは必要です。応募者には会社のアピールもすることになるので、プレゼン力がある人は強みになります。
また、所属する会社の様々な部署や業務内容、人間関係、問題点などの情報を扱うことになるため、社員からの信頼を得たり、客観的に情報を把握する力も必要となるでしょう。
2.ハローワークなどの公的機関
公的機関は、様々な価値観、年齢の人が利用します。置かれている状況も様々です。幅広い人の対応をするため、バランスよくキャリアコンサルタントとしてのスキルを持っていると、より力が発揮できます。また、社会保障制度に関連する相談もあります。制度の深い理解があることで、相談者に有益な情報提供をできます。
3.学校
学校は、大学や専門学校のキャリアセンターが代表的です。キャリアセンターでは、主に学生とマンツーマンでの面談を行います。就職や進学の相談が中心ではありますが、その他の悩みが出てくるケースもあります。
自分がどのような仕事に向いているのか分からない、就職活動が不安、友人関係が上手くいっていないなど、若者ゆえの不安定さがあります。大学や専門学校でキャリアコンサルタントとして働く場合は相手に寄り添ったコンサルティングがより求められるでしょう。
また、メンタル面が不安定になっている学生もいることから、メンタルヘルスケアや心理系のスキルを持っているキャリアコンサルタントの需要が高まっています。
4.人材派遣・紹介会社
人材派遣や人材紹介会社は、その会社のスタイルによりキャリアコンサルタントのあり方には違いが出てきます。
登録者に寄り添ったコンサルティングを行うことが前提ですが、企業であるため目標達成が必要です。そのため、営業力を求められることもあります。人材派遣や人材紹介会社が一般企業と大きく違う点は、社内と社外、個人と企業両方とコミュニケーションを取っていくため、より営業色が強いというところです。
キャリアコンサルタントのスキルに加え、数字を追うことや数字管理が得意な人は、力が発揮できるでしょう。
5.フリーランス
フリーランスは、自身で仕事を獲得していくため、行動力や営業力、提案力が必要です。人とつながることで仕事を紹介してもらえることも多いため、積極的に多くの方とコミュニケーションを取れる人は有利です。
また、企業との仕事を獲得できた場合は、単発ではなく継続して契約を取りたいものです。そのため、より良いものを提供する、フォローアップを手厚くするなど、常に「+α」を提供する、という向上心がある人が向いています。
業種別の働き方については、こちらの記事で解説をしています。ぜひ参考にしてみたください。
【4つに分類】キャリアコンサルタントの働き方と就職先 | リカレントcounselor |
まとめ
ここまで、さまざまなキャリアコンサルタントに向いている人、スキルなどを紹介してきました。
人に個性があるように、キャリアコンサルタントとしてのあり方も人それぞれです。ここで紹介したものはあくまでも一例です。
相談者にとって有益なキャリアコンサルティングを提供でき、社会に求められる役割を果たせるキャリアコンサルタントを目指していただければと思います。
Q&A
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