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キャリア - 2024.10.23更新 / 2023.04.13公開
キャリア・アダプタビリティとは? 個人や企業で取り組めることを解説
変化の激しい時代で注目されているのが、キャリア・アダプリビリティという考え方です。キャリア・アダプタビリティは、変化を続ける社会の中で、自分の能力を柔軟に適応できるスキルのことを指します。
このページではキャリア・アダプタビリティの概要や高め方を紹介します。
キャリア・アダプタビリティとは
キャリア・アダプタビリティとは、時代や環境の変化に合わせてキャリアを適応するスキルのことです。
キャリア・アダプタビリティは、キャリア研究の第一人者であるドナルド・E・スーパーが提唱し、その後マーク・L・サビカスが体系的にまとめ、広めた理論です。
キャリア・アダプタビリティが注目されている理由
キャリア・アダプタビリティが注目されている理由に「VUCA時代」があります。
VUCAとは、次の4つの英語の頭文字を取った言葉です。
Volatility |
変動性 |
Uncertainty |
不確実性 |
Complexity |
複雑性 |
Ambiguity |
曖昧性 |
VUCAは、社会やビジネスの変化が激しく、先読みが難しくなった時代のことを表しています。
VUCA時代でも迷わないキャリア戦略とは?個人に与える具体的な影響も解説 | リカレントcounselor |
技術革新の影響により目まぐるしいスピード変化していく現代において、環境の変化に合わせてキャリアに適応する「キャリア・アダプタビリティ」の重要性に注目が集まっているのです。
キャリア・アダプタビリティの4次元
マーク・L・サビカスは、キャリア・アダプタビリティがある人の要件として、次の4つを挙げています。それぞれの頭文字が「C」であることから、「4C」とも呼ばれています。
Concern |
関心 |
Control |
統制 |
Curiosity |
好奇心 |
Confidence |
自信 |
この4Cを持っている人が、変化への適応力が高いとされています。それぞれ具体的にみていきましょう。
関心 | 自身のキャリアに関心を持つ
関心とは、自分自身で「自分はどうなりたいのか」を考え、将来の目標を立て、そこへの道のりを明確にできる能力です。キャリア・アダプタビリティのなかで最も重要な要素といわれています。
統制 | 自分のキャリアをコントロールする
統制とは、キャリアを自分でコントロールする能力です。
キャリア・アダプタビリティの高い人は、キャリア選択に責任を持ち、「自分のキャリアは自分で作る」という意識を持っている状態といえます。
社会人として働いていると、転勤や部署異動などで、キャリアのコントロールが難しいこともありますが、それも理解した上で、自分で選択をし柔軟にキャリアを築きます。
好奇心 | 可能性を探求する
好奇心とは、新しいことに積極的に挑戦したり前向きに取り組んだりする能力のことです。変化の激しい時代では、自身の可能性を模索しながら進んでいくことが必要です。
好奇心を持つことで、新しい人脈や情報の獲得につながったり、自分のキャリアに良い影響を与えるものに出会えるチャンスが広がります。
自信 | 自分の目標を追求する
自信とは、難しい問題にも果敢に挑戦する能力です。
キャリアを歩んでいると、さまざまな問題にぶつかります。しかし、自信があればそのようなキャリア形成のなかで起こる問題にも、果敢にかつ柔軟に対応できるでしょう。
ビジネスフレームワークである「SWOT分析」は、目標を追求する際に有効です。自身の強みや弱みを知る「SWOT分析」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
SWOT分析とは?自己分析やキャリアプランに役立つ方法を徹底解説 | リカレントcounselor |
個人でキャリア・アダプタビリティを高める方法
次は、個人でキャリア・アダプタビリティを高める方法を紹介します。
主体性を持つように意識する
何事も自分事として取り組むことが重要です。
日ごろから、「誰かがやってくれる」ではなく「自分でやる」という意識を持って行動することで、主体性が育まれます。自分のキャリアに無関心にならないように、主体的に考えるクセをつけるとよいでしょう。
自分のキャリアを考える
主体性につながりますが、自分のキャリアは自分で考えることが必要です。そして、定期的に「自分のキャリア」を考える時間を作りましょう。
これまでの思い出や経験、うまくいったこと、失敗したことなど、大小こだわらずに書き出し、自分自身を振り返ります。また、楽しかったこと、成功したこと、感謝されたことなどから、自分の特技や特徴を見つけることもできます。
自分自身のことを振り返ったら、これからどうしたいのか、どういうキャリアを歩みたいのかを、自分自身に問いかけていきます。
キャリアに正解はないので、自分への問いかけを継続して行うことが必要です。
新しいことに取り組む
どんな小さなことでもいいので、やってみたかった趣味を始めたり、行ってみたかった場所に足を運んだり、新しいことに取り組んでみましょう。
新しいことを始めるとトラブルが起こることもありますが、予期しない出来事もいい機会と捉え、気になったら行動する、というクセをつけるとよいでしょう。
継続する
新しいことを始めたら、一定期間続けることが重要です。
興味が移り変わることは悪いことではありませんが、成果が出るまでは時間がかかります。自分の中で期間を決めて、そこまで継続することは1つの自信につながります。また、出来るようになったことを振り返り、次はどうしていくかを検討し、試していくことで、自分の判断で物事を進め、積み上げていく感覚を得ることができるでしょう。
企業内で社員のキャリア・アダプタビリティを高める具体的な方法
キャリアマップを作成する
キャリアマップとは厚生労働省が提唱しているキャリア開発の方法で、キャリアまでの道筋や年数をマップで示したものです。
出典)厚生労働省 | キャリアマップについて 1.キャリアマップ
キャリアマップを自社で作成することで、社員が自分自身で目標を立て、目標を実現させるための行動計画が立てやすくなります。
メンター制度
メンター制度とは、先輩社員から後輩社員に行う個人支援の取り組みです。
メンター制度は、業務指示を行うのではなく、コミュニケーションを通して後輩社員のキャリア形成や課題解決をし、個人の成長を支援することを目的としています。
新しく入った社員は目の前のことでいっぱいいっぱいになりがちですが、先輩に相談したり、先輩の経験を聞くことは、キャリアを考えるきっかけになり、キャリア・アダプタビリティの向上につながるでしょう。
また、社員の定着率の上昇や社員同士のコミュニケーションの活発化といった効果もあります。
メンター・メンティ―とは? 役割や事例を紹介 | リカレントcounselor |
1on1ミーティング
1on1ミーティングは、上司と部下が1対1でする面談です。
評価面談のように仕事の成果を確認するのではなく、部下が抱える課題や今後の行動を自ら考え、気付かせる、人材育成を目的としたミーティングです。
メンター制度のように上司と密にコミュニケーションが取れるので、信頼関係の構築にもつながります。
励ましや賞賛を直接もらえることで、自信につながる、モチベーションが上がるといったメリットもあります。
まとめ
キャリア・アダプタビリティとは、時代や環境の変化に合わせてキャリアを適応するスキルのことです。
変化の激しい現代では、新しいことを始めたり挑戦したりする機会が増加します。そのようなときに、キャリア・アダプタビリティがあることで、自分らしさを維持しながら、自分自身のキャリアを歩んでいくことができるでしょう。
Q&A
・自分のキャリアに関心がある人(関心)
・自分のキャリアをコントロール出来る人(統制)
・自分の可能性を探求する好奇心のある人(好奇心)
・自分の目標を追求する自信のある人(自信)
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)
社会やビジネスの変化が激しく、先読みが難しくなった時代のことを表しています。
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