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キャリア - 2024.09.20更新 / 2024.05.29公開
キャリアクライシスとは?キャリアの危機が起こる原因と予防法を紹介
近年、キャリアアップやキャリア形成に対する意識が高まっています。
しかし、着実に積み重ねてきたキャリアであっても、予期せぬ危機に直面するということはどうしても起こりえます。
このページでは、この「キャリアの危機」を意味する「キャリアクライシス」の原因や予防について紹介します。キャリアコンサルタントを目指す方や人事の方、キャリアで悩んでいる方などもぜひ参考にしてください。
キャリアクライシスとは「キャリアの危機」のこと
キャリアクライシスとは、今まで積み重ねてきたキャリアが失われてしまいかねない危機を指す言葉です。
「クライシス」には「危機」という意味があるため、ビジネスシーンでは文字通り「キャリアの危機」という意味合いで使用されることが一般的です。
キャリアクライシスが起こると、出世を見据えたキャリアプランからの離脱や、それに伴うストレスによってメンタル不調を引き起こすことも考えられます。
また、キャリアクライシスにより、休職や退職という選択をせざるを得ない状況になることもありえます。
キャリアクライシスが起こるきっかけとなるもの
キャリアクライシスは、外的要因と内的要因の両方によって引き起こされます。ここでは、キャリアクライシスを引き起こすきっかけとなる理由の代表例を紹介していきます。
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AIの台頭などによる技術革新
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ライフステージの変化
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転職などによる状況の変化
順番に詳しく見ていきます。
AIの台頭などによる技術革新
キャリアクライシスを起こす外的な要因のなかでもっとも大きいとされているのは、「新しい技術の台頭」です。そのなかでもAIは、大きな革新をもたらしました。
たとえば、介護職や医療職のように人の手が必要である仕事の場合は、AIによる技術革新が起こってもキャリアクライシスが起こる可能性は低いといえます。
たしかにAIを始めとする導入は、彼らの仕事の効率を改善し、その仕事の一部を肩代わりしますが、少子高齢化が進む日本においては、むしろ10年後にはさらに介護・医療分野の人手が足りなくなることが予想されています。
このような仕事ではない場合、「新しい技術の発展」によってキャリアクライシスが起こる可能性は高いといえます。
今まで特殊な技術がなければこなせなかった仕事が、AIを利用することでだれでもできる仕事に変わってしまった場合、それを専門にしている人はキャリアクライシスを起こすことになります。
ライフステージの変化
20代後半から30代は一般的に、ライフスタイルが変化する時期とされています。
仕事では、昇進昇格による変化を経験したり、プライベートでは結婚や出産などで環境が大きく変わることもあるでしょう。
クォーターライフ・キャリアクライシス
20代後半から30代にかけて起こるキャリアクライシスは、人生の4分の1を過ぎたところで起こるという意味で、「クォーターライフ・キャリアクライシス」と呼ばれます。
ライフステージの変化によるキャリアクライシスは、すでに述べた通り、20代後半から30代にかけて起こりやすくなるものです。
また、それ以降の世代である40代~50代などの場合は、いわゆる「中年の危機」とされる「ミッドライフ・クライシス」と呼ばれます。
転職による状況の変化
転職がきっかけでキャリアクライシスが起こる可能性もあります。
転職は、人生における重要な決断の一つであり、その結果は様々な要因によって左右されます。
転職の理由は個人によって異なり、ポジティブなものからネガティブなものまでさまざまですが、例えばキャリアの成長や新たな挑戦を求めるために転職するケースもあれば、家族の介護や育児のために働き方を変えざるを得ない場合もあります。
【仕事と子育ての両立】マミートラックがキャリア形成に与える影響とは | リカレントcounselor |
不満や課題を感じての転職
労働環境や人間関係に不満や課題を感じ、転職を考えるビジネスパーソンも少なくないでしょう。
転職によるキャリアクライシスを回避するためには、慎重な準備と計画が必要です。
ただし、転職回数が多いこと自体が必ずしもマイナス要因とは限りません。短期間での転職は、雇用主からの信頼を得る上でハードルが高いことも事実ですが、新しい挑戦を求めることや自己成長を目指すことは、キャリアの発展にとって重要な要素であるともいえます。
キャリアクライシスを予防するための方法
それでは、キャリアクライシスを避けるためにはどのようなことを心掛けたらよいのでしょうか。これは、「自分自身でできること」と、「会社側が従業員のために行うこと」の2つに大別されます。
自分自身でできること
自分自身でできることとしては、以下の3つが挙げられます。
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状況の整理
-
新しい資格や技術の学習
-
周りとの話し合い
順番に見ていきましょう。
状況の整理
状況改善のために、まずは冷静な視点で状況を把握し、これを整理していきましょう。以下の点に注目すると整理しやすくなります。
■ キャリアクライシスが起こる前のケース
「今自分が置かれている状況はどのようなものか」
「キャリアクライシスのきっかけとなりそうな要因は何か」
「なぜ危機感を抱いたか」
■ キャリアクライシスが起こっているケース
「原因が自分にあるのか」(例:自分のスキル不足など)
「原因は業界全体の傾向か」(例:事務職の募集が減っているなど)
状況の整理を行う際は、キャリアに関する相談ができるキャリアコンサルティングを活用するのも効果的です。
キャリアコンサルティングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【1からわかる!】「キャリアコンサルティング」とは? 必要な知識と技能 | リカレントcounselor |
新しい資格や技術の学習
状況が整理できたら、次は「キャリアクライシスを食い止めるためにはどうすればよいのか」「キャリアクライシスから復活するためにはどうすればよいのか」を考えていきましょう。
このときに有用なのが、「新しい資格や技術を習得する」というものです。仕事で必要な上位資格を取得したり、新しい技術を勉強したりするのです。
資格の場合は業界に関係する資格を取れば仕事面で評価されるようになりますし、新しい技術を習得すれば最新の技術に仕事を奪われるのではなく、適応できる可能性が上がります。
周りとの話し合い
「状況の整理」「新しい資格や技術の学習」が大切であることは分かっていても、自分を客観視することが難しい人もいるでしょう。
そのような場合は、周りとしっかり話し合うことで解決策を探ることを推奨します。「今自分に足りないものは何だと思うか」「どんな資格を取ったらよいか」を、冷静な第三者目線からアドバイスを受けましょう。
なおこの方法は、「仕事を続けたいが、出産で仕事を離れざるを得ない」という場合にも有効です。このときは直属の上司などに話をすることで、新しい働き方の提案をしてもらえるかもしれません。
会社側が取り組むべきこと
従業員がキャリアクライシスを起こした場合、従業員本人のキャリアやメンタルが大きなダメージを受けることはもちろん、会社側もダメージを負うことになります。
そのため、会社側もまた、従業員のキャリアクライシスを防ぐための手立てを講じておく必要があります。
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働きやすい環境を整える
-
資格取得の推奨
-
キャリアアップの見える化や、事業計画の開示
ひとつずつ見ていきます。
働きやすい環境を整える
出産や育児、介護などの状況でも働き続けられる環境を整えることは、従業員のキャリアクライシスを食い止めるために非常に有用です。
たとえば、フレックス制、リモートワーク、時短勤務を導入した場合、本当は仕事を続けたいが、職場環境的に辞めざるを得なかった人に選択肢を与えることができ、退職を回避することもできるでしょう。
資格取得の推奨
資格取得がキャリアアップにつながると分かっていても、自発的に勉強に取り組むというのはなかなか難しいものです。仕事と家事や育児、介護で疲れ切ってしまっていて、やる気を出せないという人は、決して少なくありません。
そのような人が資格取得に取り組めるようにするためには、会社側が積極的に資格取得を推奨していくことが重要です。言葉での働きかけだけでなく、「資格取得者には報奨金を出す」などのような分かりやすいメリットを提示することで、より従業員のモチベーションを上げられることも覚えておきましょう。
キャリアアップの見える化や、事業計画の開示
「この資格を取得したら、この職務につける」「○万円以上の売り上げを上げたら、役職がつく」などのような具体的なキャリアアップ方法を提示することで、従業員のやる気を引き出すことができます。
またキャリアアップの見える化をすると、「成果を上げれば認めてもらえるのだから、この会社でがんばっていこう」という愛社精神を育むこともできます。
また、従業員に対して、今後自社が目指す方向や事業計画を開示することも、大きな意味を持ちます。従業員一人ひとりがこれにアクセスできるようになると、「自分の仕事がどこにつながるのか」「これから先、仕事をどのようにしていけばいいのか」が分かりやすくなるからです。
「キャリア志向」を知ることが今必要な理由とは? | リカレントcounselor |
まとめ
キャリアクライシスは、キャリアを重ねていく中で誰にでも起こりえることです。
しかし、状況を整理し、スキルを習得するといった個人の取り組みと、働きやすい環境を整えるといった企業側の取り組みによって、キャリアクライシスを予防したりうまく対処することができます。
キャリアコンサルタントとしてこれから支援をしていきたい方や、現在人事として支援を行っている方、自分自身のキャリアに悩んでいる方など、ぜひ参考にしてください。
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