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キャリア - 2024.09.30更新 / 2022.10.24公開
【事例あり】キャリア開発とは? 必要性や具体的な方法を紹介
キャリア、キャリアアップ、キャリアコンサルティングなど、キャリアに関係する言葉を数多く耳にするようになりました。
この記事では「キャリア開発」という取り組みについて詳しく解説します。また、キャリア開発の必要性や、企業で取り組めるキャリア開発の具体的な方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「キャリア開発」とは
「キャリア開発」とは、企業が従業員のキャリアプランを実現するために、中長期的に計画を立てて行う取り組みを指します。
「キャリア開発」と似ている言葉に「キャリアデザイン」がありますが、「キャリア開発」は個人と従業員とで取り組むキャリア支援、「キャリアデザイン」は個人が自らのキャリアを考えていくことを指します。
「キャリア開発」は主に、企業側と従業員とが思い描く人材やキャリアのすり合わせを行っていきます。
「従業員のキャリア形成に力を入れたい」「企業でできるキャリア開発の方法を知りたい」と考えている企業と、企業内でのキャリアやスキルアップを目指したい従業員の双方にメリットがある取り組みと言えるでしょう。
キャリア開発を行うメリットとは
では、キャリア開発を行うことで、企業と従業員にはどういったメリット・デメリットがあり、注意すべき点はどのようなことなのでしょうか。
キャリア開発を行うメリット |
・離職率の低下 |
キャリア開発を行うデメリット |
・従業員のモチベーション低下 |
メリット・デメリットともに離職という言葉が挙がりました。企業が重要視しなくてはならないのは、従業員のモチベーション向上と、あくまでも従業員を主体とするキャリア開発を行うことであると言えるでしょう。
厚生労働省は、
誰もが主体的にキャリア形成できる社会の実現に向けて
引用:厚生労働省 | (2022年版 労働経済の分析)
という考えによってキャリア開発を推進をしています。
今、なぜキャリア開発が必要なのか
キャリア開発はなぜ重要視されているのでしょうか。
その理由は大きく分けると3つあります。
-
優秀な人材の育成と保持
-
長期的なキャリア形成の重要性
-
年功序列・終身雇用制度の維持が難しくなりつつある
それぞれ具体的にみていきましょう。
優秀な人材の育成と定着
企業のキャリア開発の取り組みは、就職活動中の人に向けたアピールになります。
キャリア開発の成功事例があれば、従業員が成長できる環境であると理解してもらえることで、成長意欲のある優秀な人材獲得が期待できます。
また、積極的に企業内における研修に取り組むことで、社内が活性化し、従業員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
現代では年功序列・終身雇用制度の維持が難しい
一度入社をしてしまえば定年まで働くことができ、年齢とともに役職や給与が上がっていくという、終身雇用・年功序列制度の維持が難しくなってきているのが現状です。
東京商工リサーチによると、2021年に早期・希望退職を募った企業は84社。その中でも人数を公表した69社で1万5,892人に達しています。新型コロナ感染拡大の影響もあり、募集企業の数は2年連続で高い水準となりました。
参照:東京商工リサーチ
転職などのキャリアチェンジに備えて、一人ひとりのキャリア開発を進めることが必要となっています。
企業ができるキャリア開発の具体的な方法
ここからはキャリア開発の方法について、実際に企業で行われている制度や研修も交えて紹介していきます。
人事に関する制度の導入
株式会社ユナイテッドアローズ
紳士服、婦人服、雑貨のセレクトショップを展開するユナイテッドアローズは、キャリア開発に力をいれている企業です。キャリア自己申告制度や社内公募制度を導入しており、2018年度の公募への応募者数はなんと260名だったそうです。
エン・ジャパン株式会社
人材紹介サービスを扱うエン・ジャパンでは、増員を必要とする部署に、上司に相談することなく従業員自ら異動を希望できる社内公募制度を導入しています。1年で20人以上の実績を上げており、組織強化にもつながっています。
東京テアトル株式会社
映画配給のイメージが強い企業ですが、マンションを買取りリノベーション後に再販する不動産事業も展開している東京テアトルは、ジョブローテーションを採用しています。違う業種を様々経験することで、社内理解や人材育成をしています。
このように人事制度が整備されることで、若い従業員にもチャンスが増え、自発的にスキルアップをしたり、キャリアアップに必要な具体的なスキルが明確になり、社内でキャリア開発ができるようになります。
社内外での研修
社内外でのキャリア研修やスキルアップを支援している企業の事例をみていきましょう。
大阪ガス株式会社
大阪ガスではキャリア支援に力を入れていますが、中でも研修制度がかなり充実しています。若年層に向けてはフォローアップ研修を行ったり、啓発プログラムやグローバルビジネスの人材育成のため、海外ビジネストレーニングへの派遣もしています。また、全従業員を対象としたキャリア開発面談も導入しており、なんと年間に400回を超える面談を行っています。
最近では30歳から10年ごとにキャリアセミナーを実施したり、キャリアコンサルタントやベテラン職員によるアドバイス制度を実施する企業も増えてきています。
また中堅〜ベテラン職員に対してはセカンドキャリアの支援や、通信教育・eラーニング受講費用を補助するなど、従業員の自己啓発制度を用意してキャリア開発を支援する企業もあります。
社内だけでなく、社外での研修もキャリア開発にはよい影響を与えるでしょう。
社外での活躍の後押し
社外での活躍を支援する形でキャリア開発に取り組む企業も存在します。
3Mジャパングループ
化学素材メーカーの「3M」では、「15%ルール」という制度を設けています。15%ルールとは、就業時間の15%を所属する事業部や配属先以外の人とやりたい仕事やプロジェクトに当てるという取り組みです。この15%ルールからポストイットなどの有名な製品が生まれています。
このように、社内外での副業で得た経験を自社に持ち込むことで、新しいイノベーションが生まれる可能性もあるのです。その他若手従業員が1年間出向して仕事をするプログラムや、他社から従業員を受け入れて、ともにプロジェクトを進めていくというプログラムが実施されています。
副業や兼業の取り組みを認める企業も増えており、従業員が社外でも価値を創出して成長していける仕組みを作るのが、企業の新しい役割となっていくでしょう。
企業とのキャリア開発。個人でのキャリアデザイン
企業の研修や制度を活用することも大切ですが、会社によっては制度が追いついていない場合もあります。そのため、個人単位でキャリアデザインを行うことも効果的です。
ここからは、個人がキャリア開発と平行してできる、キャリアデザインを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
副業を視野に入れてみる
営業職が本業だが、副業でWebデザイナーの仕事を始めてみることで、ITリテラシーを高めることができたり、事務職として働く一方で、副業ではECサイトで運用から販売することにより、本業では得られない経験をることが可能になりまうす。
また、エンジニアが副業で企業内とは違う案件を扱うことで、自らのスキルが向上し、本業の給与がアップにつながったという話も珍しくありません。
もし就業している会社で副業制度が導入されていれば、副業を視野に入れることによってキャリアデザインの幅が広がるでしょう。
新しいスキルを身につける
新しいスキルを身につけるために資格を取得したり、社会人の学び直し「リカレント教育」として専門学校や大学、社会人スクールに通う方が増えています。
社会に出てから新しい学びに時間を費やすことも、個人でのキャリアデザインには非常に有効と言えるでしょう。
自分自身がどのようなキャリアを描きたいのかを考えたうえで、必要な資格やスキルを身につけていくことで、企業と行うキャリア開発で思い描く人材像をより明確に描けるのではないでしょうか。
また、「スキルを身につけたいと思っているけれど、なんのスキルをどのように身につければいいかわからない」という方は、キャリアコンサルティングを受けて自分の特性や、やりたいことをキャリアコンサルントとともに探っていくという方法もあります。
キャリアコンサルティングを行う側の資格にも、国家資格キャリアコンサルタント資格の他に国家検定や民間資格があります。キャリアコンサルティングに関係する資格の種類については、こちらの記事で解説をしています。
【3分でわかる】キャリアコンサルタント資格の種類 | リカレントcounselor |
こちらの記事ではキャリアコンサルタント資格と、国家検定であるキャリアコンサルティング技能士1級・2級の違いについて詳しく解説をしています。ぜひ参考にしてみてください。
【何が違う?】国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士 | リカレントcounselor |
企業にとっても、従業員のレベルアップは優秀な人材が増えるというメリットがあり、従業員にとっても働く上でモチベーションの向上が期待されます。
従業員を中長期的に雇用する企業では、キャリア開発の取り組みは非常に重要になってきています。今までは企業側が提示する人材像に従業員が応えていくという図式が一般的でしたが、これからは従業員を主体とし、企業と従業員とでキャリアの開発をしていくことが必要な時代となってくるでしょう。
Q&A
一方キャリア形成とは、キャリアや職務能力を形成していくことを指します。キャリア開発は計画に目を向けて、キャリア形成はその計画を実行している段階のことです。
要件を満たす必要がありますが、助成金があることでお金の心配をすることなく、従業員のキャリア形成に取り組めます。
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