従業員や求職者のキャリアをサポートする仕事は、個人や組織の成長を支援する役割を果たしますが、そのアプローチや分野には微妙な違いがあります。

この記事では、キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの役割と違いについて詳しく解説します。

キャリアコンサルタント（Career Consultant）

キャリアコンサルタントは、個人や組織のキャリア戦略の立案や実行に関する戦略的なアドバイスを提供する専門家です。

キャリアコンサルタントの特徴

キャリアコンサルタントは、キャリアに関する悩みに対して助言やサポートをしていきます。

キャリアコンサルタントの仕事

キャリアコンサルタントはキャリアコンサルティングを行う専門家です。厚生労働省では、キャリアコンサルティングを以下のように定義しています。

「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。

引用：厚生労働省 | キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント

企業や組織全体のキャリア開発や人材配置に関するアドバイス、従業員のスキルや目標に対するサポートを行うキャリアコンサルタントは、ハローワークなどの公共機関や大学などの教育機関、そして一般企業や経験を積めばフリーランスとして活躍することも可能です。
 

【4つに分類】キャリアコンサルタントの働き方と就職先 ｜ リカレントcounselor

 

キャリアコンサルタントは国家資格

キャリアコンサルタントになるためには、キャリアコンサルタント資格という国家資格を取得する必要があります。キャリアコンサルタント資格は2016年に国家資格として制定されました。

また、「キャリアコンサルタント」という称号は、資格を取得後にキャリアコンサルタント名簿に登録をしなければ使用することができません。これはキャリアコンサルタント資格が「名称独占資格」に該当するためです。

キャリアコンサルタントの他にも、栄養士や介護福祉士などが「名称独占資格」であり、資格を取得して初めてその肩書を使用することができます。

キャリアカウンセラー（Career Counselor）

キャリアカウンセラーは、個人のスキル、興味、価値観などを評価し、適切なキャリア選択を支援する専門家です。

キャリアカウンセラーの特徴

キャリアカウンセラーは求職者との対話を通じて、彼らのキャリア目標や適性を明確にしていきます。求職者の内面を理解し、適切なキャリア選択のサポートをします。

キャリアカウンセラーは資格がなくても働ける？

キャリアカウンセラーとして働く場合、特に資格は必要ありません。

しかし、教育機関や企業の人事などで活躍するケースもありますので、キャリアカウンセラーとして幅広い業務を行いたい場合は、国家資格であるキャリアコンサルタント資格を取得しておくとよいでしょう。

求人で目にするキャリアアドバイザー

キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーについて調べていると、キャリアアドバイザーという言葉を目にすることがあるかもしれません。

キャリアアドバイザーは、求人情報、転職活動の戦略、履歴書や面接の準備など、キャリア関連情報を転職者に提供していくため、転職エージェント、転職アドバイザーと呼ばれることもあります。

キャリアアドバイザーになるには特に資格は必要ありませんが、コミュニケーションスキルがあれば活躍の場が広がるでしょう。

ここまではキャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの仕事と特徴についてみてきました。では、活かせる経験やスキルなどはどのようなものがあるのでしょうか。次の章で詳しく紹介していきます。

仕事に活かせる3つの経験

キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの仕事には、以下のような経験を活かすことができます。

1. 営業職の経験

2. 販売職や接客の経験

3. 専門知識を有する経験

順番にみていきましょう。

１．営業職の経験

営業で培ったコミュニケーションスキルの活用

キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーの仕事においても、従業員や求職者との対話を通じて彼らのニーズやゴールを理解し、適切なアドバイスを提供する能力が求められます。

そのため、営業職で培ったコミュニケーションスキルを活用できるでしょう。

ターゲット設定とアプローチ

営業職でのターゲット設定や営業戦略の経験は、悩みやキャリア目標を具体的に把握し、達成可能なステップや戦略を共に考えることに役立ちます。

２．販売職や接客の経験

ニーズの洞察

販売職やサービス職では顧客のニーズを理解し、適切な商品やサービスを提案するスキルが求められます。

同様に、キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの仕事でも、従業員や求職者の希望を把握し、それぞれに合ったキャリアプランを提案する必要があるため、販売職で働いたことがある場合は非常に有効な経験といえます。

カスタマーサポート

販売職等で培ったカスタマーサポートのスキルは、従業員や求職者との関係構築にも役立ちます。信頼関係を築きながら、キャリアの変化や進展に対応するサポートを提供できます。

３．専門知識を有する経験

専門知識の提供

業界に特化した経験は、従業員や求職者に対して専門的なアドバイスを提供する際に大いに役立ちます。

業界のトレンドやニーズに精通していれば、キャリア選択に関するアドバイスがより信頼性のあるものになります。

ネットワークの活用

業界のつながりを活かして有益な情報を提供することが可能なため、新たなキャリアチャンスや成長の機会を見つける手助けができます。

キャリアコンサルタント資格取得4つのメリット

キャリアコンサルタント資格を取得することには、さまざまなメリットがあります。

1. 専門知識とスキルの習得

2. 信頼性の向上

3. 幅広い選択肢

4. 市場価値の向上

1つずつ順番に見ていきます。

１．専門知識とスキルの習得

キャリアコンサルタント資格を取得することで、キャリア開発や就職活動に関する専門的な知識とスキルを習得できます。これにより、従業員や求職者に対して適切なサポートを提供できるようになります。

２．信頼性の向上

国家資格であるキャリアコンサルタント資格を取得することは、信頼性や専門性を高めることにつながります。

また、キャリアカウンセラーとして働く場合でも、従業員や求職者だけでなく、企業側も資格を持つ人材を信頼する傾向があるといえるでしょう。

３．幅広い選択肢

キャリアコンサルタント資格を取得することで、幅広い分野で活動する機会が増えることが期待できます。

キャリアコンサルタント資格を取得しておくことで、自身の長期的な視点でのキャリアプランを計画することができるでしょう。

４．市場価値の向上

キャリアコンサルタント資格を持つことで、市場価値の向上が期待できます。

国家資格を取得していることで、収入面や待遇にも違いがでるケースが多く、キャリアカウンセラーとして働く場合でも資格なしと比較をすると、優位性を持つことができます。

以上のように、キャリアコンサルタント資格を取得することには、自己成長、専門性向上、収益機会の拡大など、さまざまなメリットがあります。

また、資格を取得する前に、その資格がどのような要件やステップを必要とするのか、よく確認しておくことも重要です。

キャリアコンサルタント資格については、こちらの記事で詳しく解説をしています。
 

キャリアコンサルタントとは？　未経験でも国家資格の取得が可能 ｜ リカレントcounselor

 

まとめ

この記事では、キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの仕事内容や特徴について解説しました。

キャリアに関するアドバイスやサポート、戦略的なコンサルティングといった観点から、それぞれ異なるアプローチや専門性を持っています。その中でも、国家資格であるキャリアコンサルタント資格を取得することで活躍の場が広がることが期待できます。

キャリアコンサルタントとして働きたい方だけではなく、キャリアカウンセラーの仕事がしたいと考えている方も、国家資格キャリアコンサルタント資格取得を視野に入れてみてはいかがでしょうか。