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キャリアコンサルタント資格 - 2024.09.13更新 / 2023.04.17公開

【合格率を3分で解説】国家資格キャリアコンサルタントの最新動向

資格取得を目指す方にとって、合格率は気になるところです。「国家資格」と聞くと、「合格率一桁台」とイメージされる方もいるかもしれません。

しかし実際は資格によってさまざまであり、合格率が高いから簡単とは一概に言えません。

国家資格キャリアコンサルタントの合格率はどうでしょうか。このページでは、国家資格キャリアコンサルタントの試験の特徴を交えながら、合格率を確認していきます。

国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率

国家資格キャリアコンサルタントは学科試験と実技試験があり、それぞれの合格率が公開されています。

第1回~第26回 国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率

国家資格キャリアコンサルタント試験、第1回~第26回の過去すべての合格率はこちらです。

学科試験 実技試験
第1回 77.8% 60.0%
第2回 75.7% 64.4%
第3回 64.3% 63.2%
第4回 21.3% 68.9%
第5回 50.3% 68.1%
第6回 62.7% 70.7%
第7回 54.3% 72.7%
第8回 63.3% 69.5%
第9回 30.5% 67.8%
第10回 64.2% 70.1%
第11回 62.6% 74.7%
第12回 75.5% 65.5%
第13回 71.1% 61.3%
第14回 67.2% 65.9%
第15回 75.0% 63.0%
第16回 64.6% 61.2%
第17回 56.8% 58.1%
第18回 81.1% 63.5%
第19回 61.6% 61.1%
第20回 77.9% 60.2%
第21回 61.7% 57.7%
第22回 82.2% 64.6%
第23回 83.6% 63.0%
第24回 52.6% 65.4%
第25回 63.7% 66.5%
第26回 65.5% 62.2%

(参考:厚生労働省Webサイト キャリアコンサルタントになりたい方へ

第26回の試験結果は、こちらの記事で詳しく紹介をしています。
 

あわせて読みたい
【最新・第26回試験結果】国家資格キャリアコンサルタント合格率 | リカレントcounselor

 

合格率の平均

第1回~第26回の国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率の平均は、学科が64.1%、実技が65.0%です。

 
このように、合格率の平均は学科試験より実技試験の方が高くなっています。ただし、下の折れ線グラフを見ると、第4回と第9回の学科試験の合格率が目立って低くなっていることが分かります。第4回は21.3%、第9回は30.5%でした。この回が、学科試験の合格率の平均を低くしているようです。
 

第22回~第26回 国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率

それでは、最近の傾向を把握するために、直近の第22回~第26回の合格率を見ていきましょう。
 

学科試験 実技試験
第22回 82.2% 64.6%
第23回 83.6% 63.0%
第24回 52.6% 65.4%
第25回 63.7% 66.5%
第26回 65.5% 62.2%

(参考:厚生労働省Webサイト キャリアコンサルタントになりたい方へ

第22回~第26回の合格率の平均は、学科試験が69.5%、実技試験が64.3%となっています。この合格率は高いのか低いのか、他の国家資格と比較してみましょう。

他の国家資格と合格率を比較

キャリアコンサルタント以外の国家資格をいくつかピックアップしました。それぞれの合格率はどうでしょうか。

他の国家資格の合格率(2023年度)

国家資格 合格率
社会保険労務士

6.4%

行政書士

14.0%

宅地建物取引士

17.2%

精神保健福祉士

71.1%

保健師

93.7%

 

このように、国家資格といっても合格率は様々です。合格率が高いから簡単、というわけではありません。受験資格のハードルは低くても、試験自体が難関で合格率が低かったり、受験資格を得るのは難しくても、スキルを得ている人が受験するため合格率は高い、など資格によって特徴があります。

例えば、「社会保険労務士」の合格率は一桁台です。受験資格は「大学、短期大学、専門職大学などを卒業した者」等で、すでにクリアしている方も多く、ハードルは比較的低いです。しかし、試験の科目数が多く、範囲も広い上に法律に関する内容が多いため、法改正への対応が必要です。合格率が示すように難しい試験と言えるようです。

一方で、「保健師」の合格率は93.7%と非常に高いです。受験資格を見てみると、「4年制大学の看護学系の学部を専攻し卒業」「看護師養成所等を卒業し、看護師国家試験に合格後、保健師養成学校等を卒業」などで、専門的な教育を受けている必要があります。受験される方は、専門スキルを期間をかけて学んでいるため、合格率は高くなっていると言えます。

それでは、国家資格キャリアコンサルタントの合格率はどう捉えればよいでしょうか。

【受験資格別】国家資格キャリアコンサルタントの合格率

ここでは、さきほど紹介した国家資格キャリアコンサルタントの合格率について、受験資格を踏まえた上で見ていきます。

国家資格キャリアコンサルタントの受験資格

国家資格キャリアコンサルタントは次のいずれか一つを満たせば受験ができます。
 

厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者

 
③の技能検定キャリアコンサルティングには2級と1級があり、国家資格キャリアコンサルタントの上位レベルの資格になります。
①~③のどの受験資格にしても、ある程度のスキルを持った方が受験をしていることになります。そのため、国家資格キャリアコンサルタントの合格率は高くなる傾向があると言えます。

参考に、受験資格別の受験者数も見てみましょう。

▽第26回 国家資格キャリアコンサルタント試験 受験者数

受験資格 受験者数 合格者数
学科 ①養成講習修了者

4,498名

2,995名

②実務経験者

504名

279名

③技能検定の片方合格者

0名

0名

実技 ①養成講習修了者

4,263名

2,705名

②実務経験者

433名

212名

③技能検定の片方合格者

45名

31名

 
養成講習修了を受験資格とする人が圧倒的に多く、これは第26回以外の回でも同じ傾向になっています。

【年代別】国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率

この章では、第26回の年代別合格率をみていきましょう。
 

年齢 受験者数 合格者数 合格率
学科 30歳未満 456 4309 67.8%
30~39歳 1,121 805 71.8%
40~49歳 1,396 943 67.6%
50~59歳 1,546 959 62.0%
60~69歳 466 250 53.6%
70歳以上 17 8 47.1%
実技 30歳未満 470 287 61.1%
30~39歳 1,073 10 66.2%
40~49歳 1,304 824 63.2%
50~59歳 1,431 884 61.8%
60~69歳 447 235 52.6%
70歳以上 16 8 50.0%

 

受験者数が最も多い30~39歳の合格率が学科67.6%、実技63.2%と高く、次いで40~49歳が学科67.6%、実技63.2%という結果になっています。

国家資格キャリアコンサルタント試験は幅広い年代が受験しており、年齢を問わず挑戦できる資格であることが分かります。

【受験資格別】国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率

次は、国家資格キャリアコンサルタントの受験資格別の合格率を見ていきます。
 
▽第26回 国家資格キャリアコンサルタント試験 合格率

受験資格 合格率
学科試験 ①養成講習修了 66.6%
②実務経験 55.4%
③技能検定の片方合格
実技試験 ①養成講習修了 63.5%
②実務経験 49.0%
③技能検定の片方合格 68.9%

 
「養成講習修了」を受験資格とされた方の合格率が一番高くなっています。これは第26回以外の回でも、同様の傾向が出ています。

養成講習は、150時間のカリキュラムを受講し、様々課題を提出したり、修了テストをクリアしたりすることで「修了認定」になります。基本的には多くの方がしっかりと学習をされて試験に臨んでいるため、合格率が比較的高くなっていると言えます。

業界未経験の方でも、しっかりと養成講習を受講して修了すれば、合格は十分に狙えます。

ここまで紹介した合格率や受験者数の数字は、厚生労働省が公開している全体の数字になります。
次は、試験実施機関別の合格率を確認していきます。

【試験実施機関別】国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率

国家資格キャリアコンサルタント試験は次の2つの機関が実施しています。

  1. キャリアコンサルティング協議会

  2. 日本キャリア開発協会

キャリアコンサルティング協議会は「キャリ協」や「協議会」、日本キャリア開発協会は「JCDA」などと呼ばれています。

キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会の合格率

合格率がそれぞれのWebページで公開されています。

学科試験

キャリアコンサルティング協議会 日本キャリア開発協会
第25回 65.2% 59.6%
第26回 67.4% 60.8%

 

実技試験

キャリアコンサルティング協議会 日本キャリア開発協会
第25回 65.2% 59.6%
第26回 58.6% 71.6%

 
参考)
キャリアコンサルティング協議会 合格発表
日本キャリア開発協会 試験結果

2つの機関を比較すると、合格率に違いが出ていりことがわかります。次に、2つの機関で合格率に違いが出る要素を確認します。

試験問題について

学科試験は、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会で、全く同じ問題が出題されます。実技試験は2つの機関で異なりますので、試験の違いについても見ていきます。

学科試験

キャリコン 学科試験

学科試験は筆記試験で四肢択一のマークシートです。キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会で同じ問題が出題されます。試験日も同じです。

論述試験

キャリコン 実技論述試験

論述試験は、どちらの機関も記述式の試験です。逐語記録や事例記録を読み、設問に解答します。出題形式はだいたい同じですが、試験問題は異なります。

例えば、片方の機関は「社会人2年目Aさんの事例」、片方の機関は「定年を控えセカンドキャリアを考えているBさんの事例」といった違いです。

「論述」と聞くと論文のようなものをイメージされる方もいますが、国家資格キャリアコンサルタントの論述試験は長文ではなく、短い文章を書く設問が4問程度出題されるボリューム感です。設問の出し方にはそれぞれの機関で特徴があります。

過去問題は各試験実施機関のWebサイトで確認できますので、ぜひ一度目を通しておきましょう。
キャリアコンサルティング協議会 過去問
日本キャリア開発協会 過去問

実技面接試験

キャリコン 実技面接試験

面接試験は、どちらの機関もロールプレイと口頭試問の試験です。

ロールプレイ
受験者がキャリアコンサルタント役になり、キャリアコンサルティングを行います。
口頭試問
自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答えます。

 
このように、試験の形式は同じです。

合格基準

学科試験と実技試験の合格基準はどうでしょうか。

キャリコン 合格基準

 
■キャリアコンサルティング協議会の合格基準
150点満点で90以上の得点で合格。
ただし、論述は配点の40%以上の得点、かつ面接は評価区分「態度」「展開」「自己評価」ごとに満点の40%以上の得点が必要。

■日本キャリア開発協会の合格基準
150点満点で90以上の得点で合格。
ただし、論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要。

このように、学科試験はどちらの機関もマークシートの試験で合格基準は同じですが、実技試験では2つの機関で合格基準にも違いがあります。

合格率を元にどちらの機関で受験するかを検討する際は、実技試験の合格率が参考になります。

ただし、合格率だけではなく、過去問を解いてみた感覚など、複数の基準をもって選択するとより合格に近づきそうですね。

Q&A

第26回国家資格キャリアコンサルタントの合格率は?

第26回の試験は、学科試験が65.5%、実技試験が62.2%です。

国家資格キャリアコンサルタントの合格率は高い?
「受験資格が「養成講習を修了」「実務経験がある」「技能検定キャリアコンサルティングの学科試験又は実技試験に合格」のため、受験者は一定以上のスキルを持っている方です。そのため、合格率は60%以上のことが多く、半分以上の方が合格しています。
「国家資格キャリアコンサルタント」試験の学科試験と実技試験の合格基準は?
実技試験は論述と面接を合計した150点満点中90点以上の得点で合格となります。論述で40%、面接では区分ごとに40%以上の点数を獲得する必要があります。
第1回から第26回の合格率の平均は?
第1回から第26回の合格率の平均は学科試験64.1%、実技試験は65.0%です。

Information

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