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キャリアコンサルタント資格 - 2024.09.09更新 / 2023.12.25公開
副業でキャリアコンサルタントとして働くことは可能? 方法や活用したいサービスを紹介
キャリアコンサルタントの「資格を活かしたい」と思う一方で、本業では資格やスキルを発揮できないと悩む方も少なくありません。
今回の記事では、副業でキャリアコンサルタントとして働くことは可能か、そして副業をする際の注意点やメリット、デメリットについて紹介していきます。
キャリアコンサルタントは副業でも働くことができる
まずはじめに、副業でキャリアコンサルタントとして働くことは可能であるといえます。
柔軟な働き方や、副業をするのに最適なスキルシェアサービスの普及などの後押しもあり、キャリアコンサルタントの活躍の場は広がりをみせています。
副業希望者は増加傾向にある
日本における副業希望者は増加傾向にあり、内閣府がまとめた「仕事時間の変化」では、コロナ禍前の2019年2月に行った第1回調査と、今回の調査両方で回答している就業者の仕事時間を比較すると、全体で55.3%、男性は50.9%、女性は62.8%、そして東京圏は49.4%仕事時間が減少していることが分かります。
本業の時間が減少したことで、その時間を副業にあてるという選択肢が増えました。
内閣府 満足度・生活の質に関する調査報告書2022 図表1-3-2を加工して作成
また、総務省がまとめた「就業構造基本調査」では、2022年の非農林業従事者のうち副業がある者は304.9万人で2002年の236.5万人と比較すると68.5万人の増加、現在就いている仕事を続けながら、他の仕事もしたいと思っている追加就業希望者は493.4万人で、2002年315.2万人から178.2万人増加しています。
このように、実際に副業をしている人、副業をしたいと思っている人は増加傾向にあります。
総務省「2022年就業構造基本調査」図2のグラフを加工して作成
副業の平均実働時間を知る
厚生労働省の「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」の資料によると、副業の1週間あたりの総実労働時間は、10時間以上20時間未満の人が25.6%、5時間以上10時間未満で24.3%、5時間未満が23.0%と続いています。
厚生労働省 「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」24ページのグラフを加工して作成
5時間~10時間程度あれば、本業が休みの1日を使って副業、平日の夜1時間を使って副業、といったようにイメージがつきやすいと思います。10時間以上になると、本業やプライベートとの兼ね合いを考慮する必要がさらに出てくると想像できます。
副業でキャリアコンサルタントを始める際の注意点
それでは実際に、副業でキャリアコンサルタントを始める際は、何に注意をすればいいのでしょうか。
就業規則の確認
まずは、本業の会社で副業を許可しているかを確認しましょう。許可をしている場合は雇用契約や企業のポリシーを確認していきます。
許可を得ているつもりが申請ができていなかったなどのケースも考えられますので、所属している企業の申請方法をしっかりと確認をし、就業規則に従って手続きをしていきましょう。
副業の収入が課税対象である場合
副業で得た収入は課税対象となります。副業の年間所得が20万円以下であれば住民税のみ、20万円を超える場合は住民税と所得税の両方の申告が必要となります。
副業をはじめる際は、必要な書類を整え課税手続きを考慮したスケジュール管理をしていきましょう。
副業のメリットデメリット
副業を検討する際には、自身の状況や目標に合ったメリットとデメリットを考慮し、バランスを取ることが大切です。
副業のメリット
スキルや経験を積める
本業とは異なる分野でのスキルの獲得や経験を積めるのも、副業のメリットといえるでしょう。新しいスキルや経験を積むことは、キャリア形成に良い影響を与えます。
企業が副業を許可している場合、従業員のスキルアップを期待しているという背景もあります。新しい分野や業界での経験を積むことは、専門性を高めるだけでなくビジネス全体の理解を深めるのに役立ちます。
生活水準の向上が期待できる
副業を持つことで収入が増えることが予想されますので、本業のみの場合よりも生活水準の向上が期待できます。柔軟な働き方は、経済的なリスクを分散させる手段としても有効であるといえるでしょう。
副業のデメリット
本業に対するモチベーションやパフォーマンスの低下
副業と本業を続けていくことで、時間とエネルギーを多く消費します。また、副業に割く時間にもよりますが、本業のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性ががあることにも留意する必要があります。
たとえば、睡眠不足や就業時間の不規則さなどによって、適切なワークライフバランスを維持することが困難になった場合は、大きなストレスとなり体調不良やメンタルヘルス不調につながる可能性があります。
副業をする上ではイレギュラー対応が起こる場合も
企業内で働く場合は役割が分担されているため、自分自身の業務に集中することができますが、副業でキャリアコンサルタントとして働く場合は、スケジュール管理からイレギュラー対応までを自分自身で行う可能性も考慮しておかなくてはなりません。
働く場所や活躍の場が増えれば、生活の中に工数が増えるというデメリットが存在します。
自分に合った働き方を選ぶ
本業と副業を両立させるためにはスケジュールを調整することが必要不可欠です。副業可能な曜日や時間帯の洗い出しなどを行い、実際に働く場合のバランスを考慮していきましょう。
また、副業を持つことで身体的、精神的な負担が増加するケースも考えられますので、副業としてキャリアコンサルタントとして働く場合は、自身の体調を把握し、無理なく働けるスケジュール調整をしていくことが重要です。
キャリアコンサルタント副業の探し方
柔軟な働き方ができるキャリアコンサルタントですが、副業をはじめる際はどのように探せばよいのでしょうか。
1.求人検索エンジンで探す
求人検索エンジンでは自分の希望条件に合った仕事を見つけるために、キーワードを使って検索できます。
スキルや経験に合った仕事を効果的に見つけることができますので、仕事をどこで探せばよいかと迷っている場合はぜひ活用してみましょう。
2.キャリコンサーチ
キャリアコンサルタントとしての経験があれば、厚生労働省が運営するキャリアコンサルタントの検索システムである「キャリコンサーチ」に登録して副業として始めることが可能です。
2023年8月末現在で5,887名が登録しており、キャリアコンサルタントを依頼する側も条件に合ったキャリアコンサルタントを探すことができるようになっています。
3.キャリアコンサルタントマッチングサービス
キャリアコンサルタントに特化したマッチングサービスに登録することで、副業でキャリアコンサルタントとして活躍することが可能です。
近年は、キャリアコンサルタントに特化したマッチングサービスが増加しています。専門的なマッチングサービスを活用することで、副業でキャリアコンサルタントとして働く可能性が高まります。
4.スキルシェアサービス
知識やスキルをシェアするサービスは、副業で働く上で大きく役立ちます。
柔軟な働き方が広く浸透した現在ではスキルシェア市場が急速に成長しており、副業でキャリアコンサルタントとして働く場合は、自身のスキルを生かす新たな機会を得ることが期待できます。
代表的なサービスとして、ランサーズやクラウドワークス、ココナラなどが挙げられます。スキルシェアサービスは、副業の柔軟性と収益性を両立させる手段として、キャリアコンサルタントにとって魅力的な選択肢となっています。
5.人材派遣の登録する
人材派遣に登録をすることで、働き方などの条件に合った求人を探しやすくなります。
たとえばコーディネーターやアドバイザーなどに、週1勤務や土日のみ、オンラインのみなどの希望があれば相談できますので、キャリアコンサルタントの資格を取得して、未経験だが副業をはじめてみたいという場合は、登録をしてみるのも選択肢のひとつです。
副業でキャリアコンサルタントとして働く場合は、探し方にも多様性があるため、自分自身に合ったサービスを選択していきましょう。
将来的に副業を考えている場合
現段階ではキャリアコンサルタントの資格を取得していないけれど、将来的に副業でキャリアコンサルタントをすることに興味のある方は、キャリアコンサルタントのなり方を確認しておきましょう。
キャリアコンサルタントとして活動するには、国家資格キャリアコンサルタント試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録をする必要があります。
キャリアコンサルタント試験には受験資格があります。
①厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者 |
②労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者 |
③技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者 |
参考:厚生労働省 キャリアコンサルタントになりたい方へ
初心者から目指す場合、ほとんどの方が①に該当しますので、厚生労働大臣認定講習を修了することで、受験資格を得ることができます。
キャリアコンサルタント資格については、こちらの記事で詳しく解説をしています。
未経験でも受験できる!国家資格キャリアコンサルタントの受験資格 |
まとめ
副業としてキャリアコンサルタントを始めることは可能であり、柔軟な働き方やサービスの普及により、ますます選択肢が広がっています。
初心者からキャリアコンサルタントになるには、厚生労働大臣認定の講習を修了する必要がありますが、この講習は現在、「専門実践教育訓練給付金」の対象になっており、講習にかかる費用の最大80%が国から支給されます。ゆくゆくは資格を取りたいと考えている方は、このタイミングでの取得も検討されてみてはいかがでしょうか。
専門実践教育訓練給付金の詳細は、こちらでも紹介しています。
【これで分かる】給付金を国家資格キャリアコンサルタントの学習で利用する方法 | リカレントcounselor |
Q&A
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