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キャリア - 2024.10.28更新 / 2023.06.25公開
コンピテンシーとは? ポイントを簡単に解説
コンピテンシーは、アメリカ発の考え方で、近年日本の企業でも取り入れられ、人事・教育・採用などの現場で活用されるようになりました。
このページでは、「コンピテンシーとは何か?」についてポイントを解説します。
コンピテンシーとは?
「コンピテンシー」とは、職務で高い業績をもたらす人(ハイパフォーマー)の行動様式を指します。
そして、ハイパフォーマーの行動様式を分析して整理したものが「コンピテンシーモデル」です。コンピテンシーモデルは、人事評価や人材育成の指標として役立てられています。
簡単に言うと、仕事で成果を出した人の行動や姿勢を参考にして、社員一人ひとりの成長を図ろうというものです。
コンピテンシーの要素
コンピテンシーはハイパフォーマーの行動様式ですが、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
コンピテンシーには、率先行動力、コミュニケーション能力、リーダーシップ能力、問題解決能力、チームワーク能力、達成指向性、財務感覚など、さまざまな要素が含まれます。
コミュニケーション能力や問題解決能力などは、多くの職種・業界でコンピテンシーに含まれることが多いでしょう。そのほかにも、財務感覚やデザイン力などのように、特定の職種・業種で挙げられるものもあります。
また、具体的なスキルなどの目に見えやすいものだけでなく、価値観や性格、行動の動機などの目に見えにくいものも含まれます。
コンピテンシーの活用方法
コンピテンシーを活用するには、まず、自社にとってのコンピテンシーをモデル化していきます。
①コンピテンシーモデルの作成
コンピテンシーは業界や職種、企業、さらにはその部署やチームによって異なります。また、同じ部署でも社歴や新卒採用か中途採用かによっても異なります。
手間はかかりますが、社内を細分化することで、より適切なコンピテンシーモデルを作成することができます。
コンピテンシーモデルには、実在型、理想型、ハイブリット型の3種類があります。
実在型
社内に実在するハイパフォーマーをモデルにします。
ハイパフォーマーにインタビューなどを行い、モデル化していきます。社内で活躍する人に共通する行動特性をまとめることで、現実的で実用性が高いモデルになるというメリットがあります。
一方で、インタビューの対象人数が少ないほど、個人の特性に偏ったモデルとなる傾向があり、他の社員で再現することは難しいケースが多いでしょう。
理想型
企業が理想とする人物像を決め、それをモデルにします。
ハイパフォーマーが存在しない場合はこの「理想型」で策定することになります。企業の理想や目標に合ったモデルを作成することが可能ですが、理想が高くなったり、実務とのズレが生じる場合もあります。現場の社員にも意見を聞き、現実的なものになるよう調整が必要です。
ハイブリット型
実在型と理想型を組み合わせる方法で、これが一番好ましいとされています。
実在型と同じようにハイパフォーマーからモデルを作成し、そこに企業の理想などを加え、調整していきます。2つを融合することで、バランスのとれたモデルを作成することができます。
いずれの型においても、コンピテンシーモデルを可視化する際は、抽象的な表現ではなく、より具体的な表現を目指します。
②コンピテンシーモデルの導入
コンピテンシーモデルが作成できたら、それを実務に導入していきます。活用方法は様々ですが、「人事評価」での評価基準、「人材育成」での目標設定、「採用活動」での採用基準としてよく活用されています。
コンピテンシーモデル導入のメリット
次に、コンピテンシーモデルを導入するメリットを紹介します。
適正な人事評価につながる
人事評価にコンピテンシーを活用することで、評価基準が明確になり、評価側は客観的に評価しやすくなります。また、これまで評価が難しかった業務プロセスにも目を向けることが可能になり、評価される側も納得感を持つことができます。
即戦力となる人材育成につながる
コンピテンシーモデルは、基本的に、業種や職種別に設定します。そのため、現実的なモデルとなるため、即戦力となる人材を育成しやすいというメリットがあります。
また、具体的なモデルが可視化されているため、社員にとっても目指すものが明確で、モチベーションの維持がしやすくなります。
安定した人材の採用につながる
コンピテンシーモデルがあることで、会社が必要とする人材、この会社で成果が出せる人材が明確になります。採用担当が変わるたびに採用基準が変わってしまう、ということが防げ、会社で活躍できる人材の採用につながりやすくなります。
生産性向上につながる
コンピテンシーモデルにより目標が明確になることで、社員は自分自身の課題や改善点を見つけやすくなります。そして、それは自身の評価に直結するため、向上心を維持しながら業務を行うことができ、企業の生産性向上につながります。
エンプロイアビリティとは何か? その意味と高め方 | リカレントcounselor |
コンピテンシーモデル導入の注意点
コンピテンシーモデルの導入には、注意点もあります。
コンピテンシーは、状況や環境によって変化するため、定期的なメンテナンスが必要です。
近年、テレワークを導入する企業が増えました。テレワークになっても、基本的な業務は変わらないですが、コミュニケーションの取り方や情報共有の方法、効果的な指示出しの方法などに変化を感じている方は多いのではないでしょうか。
また、AIの普及により、業務内容などに変化が出た人もいるでしょう。
コンピテンシーは時代や環境の変化、社会情勢、会社の業績などによっても変わると考え、定期的にメンテナンスや改善が必要になります。
まとめ
現在は、360°評価など、人事評価・制度においてはさまざまな考え方やツールが出てきています。コンピテンシーもその一つです。
キャリアや人事に関わる方は、ひとつの知識として参考にしていただけると幸いです。
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