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【先延ばし癖】クリエイティブアボイダンスを克服する3ステップ

「やる気が出ない」、「先延ばしにしてしまう」これは多くの人が直面する課題です。
そこで今回の記事では、気が進まない物事に対して言い訳を考えて先延ばしにする「クリエイティブアボイダンス」について解説します。
クリエイティブアボイダンスを克服することで、仕事や学習、自己成長のパフォーマンスが向上します。先延ばし癖を改善したい方や、新しい挑戦を前に一歩踏み出せずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
クリエイティブアボイダンスとは
クリエイティブアボイダンス/Creative Avoidance
作業や課題を回避するために行われる心理的行動。
クリエイティブアボイダンスは、新しいことや未経験分野の物事を始める際に、言い訳や出来ない理由を探して先延ばしすることを指し、Creative=創造、Avoidance=回避という意味から、日本語では創造的回避とも呼ばれています。
クリエイティブアボイダンスの例
クリエイティブアボイダンスの例を
- 疲労
- 面倒臭さ
- 忙しさ
この3つで見ていきましょう。
疲労

「疲れているから明日でいいや」
疲労はやる気や集中力低下を引き起こし、意欲低下にもつながります。そのため、疲れているという状態ではクリエイティブアボイダンスが発生しやすく、新しいことに取り組むことも難しい状況となります。
面倒さ

「転職したいけれど、面倒だからもうちょっとこのままでいいかも」
新しいことに挑戦するには準備や決断が必要ですが、それを負担に感じると「今のままでも困っていないし」と、行動を先送りにするケースがあります。
特に転職のような大きな決断では、「手間がかかる」「今より悪い状況になるかもしれない」といった心理が働き、行動を起こすハードルが高くなることがあります。
忙しさ

「返信をしなければいけないけれど、いま相手も忙しいかもしれないから後にしよう」
この場合は、自分も忙しいが相手も忙しいだろうという理由付けをして、行動を後回しにします。
しかし、後回しにすることで誤解やミスのリスクが増えるだけではなく、コミュニケーション不足から信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。
ストレスとの関係
現代はストレス社会と呼ばれ、企業では従業員のメンタルヘルス対策や、職場環境の改善などを推進しています。
従業員個人でのストレス対策が重要とされている背景もあり、不安の大きいストレス要因に対しては、大小に関わらず、クリエイティブアボイダンスが発生する傾向があるともいえるでしょう。
クリエイティブアボイダンスが起こる要因
クリエイティブアボイダンスが起こる要因にはどのようなものがあるのでしょうか。
クリエイティブアボイダンスは様々な要因が重なって発生することが多く、その根本にあるものは「不安」であるとされています。不安とストレスは密接な関係にありますが、クリエイティブアボイダンスが起こる可能性のある不安とは、どのようなものなのでしょうか。
失敗体験による「不安」
クリエイティブアボイダンスが起こる要因には、過去の失敗体験による不安があります。失敗の経験があると、その記憶から自己防衛本能が働き、新しいことや未経験分野へのチャレンジを避ける傾向があるとされています。
社会人として働く中では、失敗体験だけではなく成功体験もあります。両方の体験から得た教訓は仕事において役立つ場面が数多くありますが、それと同時に失敗体験で得た「不安」は、様々な場面で挑戦する際の自信に揺らぎを与えるのです。
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クリエイティブアボイダンスを克服する3ステップ
感情と思考の関係は、私たちの判断や行動に影響を与えます。感情が先行し、その後に思考が関与して理性的な判断を下すことが一般的ですが、クリエイティブアボイダンスを克服するためには、このプロセスを認識し、適切に対処することが重要です。
- まずは行動してみる
- スモールステップを意識する
- ToDoリストを用しよう
順番に見ていきましょう。
まずは行動してみる
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「気が乗らなかった旅行だったが、行ってみたら思いのほか楽しかった。」
このように、やる気が出てから行動するのではなく、まず行動してみることで、やる気がついてくる場合もあります。
前向きなマインドセットを持つ
前向きなマインドセットを持つことは、クリエイティブアボイダンスを克服する上で非常に有効です。気が乗らないと感じても、その活動やタスクが終わった後に得られるメリットや喜びを思い浮かべることで、意欲を高めることができます。
また、想定外の楽しさや充実感が待っていることもありますので、新しいことに挑戦する意欲を持ち続けることが重要です。
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スモールステップを意識する

「小さな出来事でも、達成リストに書き込むことを習慣化したら、新しいことに挑戦するハードルが下がったように感じる。」
達成リストに小さな出来事を書き込むことで、成果を可視化することができます。これにより、自信やモチベーションが高まり、新たな挑戦に取り組む際のハードルが下がることが期待できます。
小さな目標を達成することで、自己成長の実感を得ることができるため、スモールステップを心がけることがクリエイティブアボイダンス克服には有効です。
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スモールステップと併用したいサポート
また、クリエイティブアボイダンスが起こる要因のひとつとして紹介した、失敗体験による「不安」については、メンタル全般であればカウンセリングを、仕事やキャリアに関する不安はキャリアコンサルタントが行うキャリアカウンセリングを活用するなど、スモールステップと併用していくと大変効果的です。
ToDoリストを活用しよう

ToDoリストやタスク管理が行えるツールを活用することで、取り組むべきことが整理され、優先順位をつけやすくなります。タスクが整理されていると、取り組むべきことに集中できるため、効率的に作業を進めることができるようになります。
たとえば、得意業務から始めるよりも、短時間で終わる業務の優先順位を上げることで、タスクを消化しているという達成感を得ることもできるため、モチベーション向上につながります。
さらに、ToDoリストに期限や予定時間を設定することで、時間の管理もしやすくなるというメリットもあります。
以上のアプローチを組み合わせることで、クリエイティブアボイダンスの克服が期待できます。
まとめ
モチベーションを長期的に維持するのは簡単ではありませんが、いくつかのアプローチを組み合わせることで可能性が広がります。
気が進まないと先延ばしにしてしまう場合、行動を起こしてスモールステップを意識すること、そしてToDoリストや時間管理のツールを活用することすることが、クリエイティブアボイダンスの克服に役立つでしょう。
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