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キャリアコンサルティング - 2024.09.20更新 / 2024.02.20公開

キャリアコンサルティングとコーチングの違いは? 仕事の悩みはどう解決する?

人生に悩みはつきものです。仕事や生活のことなど、一人では答えを出せない問題に直面したり、予測のつかない状況に不安を抱く時、誰かに相談したいと思うこともあるのではないでしょうか。

このページでは、主にキャリアコンサルティングとコーチングの違いや、それぞれがどのような場面で用いられるのか、具体的な活用例などを解説していきます。

また、カウンセリングやティーチング、メンター・メンティーなどの言葉も紹介ますので、ぜひ参考にしてください。

キャリアコンサルティングとは

キャリアコンサルティングとは、キャリアに関する相談に応じ、助言や指導を行うことです。企業、教育機関、ハローワーク、就労支援機関等様々な場所で利用されています。

また、キャリアコンサルタントを名乗るには、国家資格であるキャリアコンサルタント試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録をしている必要があります。

コーチングとは

コーチングとは、一般的に「助言する」「目標達成を支援する」という意味で用いられる言葉です。コーチングに関する民間資格はありますが、コーチングを行うことに特に資格は必要としません。

コーチングの語源は、「コーチ(Coach)」で元は馬車を意味するものでした。「人を送り届けるもの」という役割から派生し、「助言する」「人の目標達成を支援する」という意味で使われるようになったのです。

一般的にコーチングは、コーチングを受ける人に答えを与えるのではなく、対話を繰り返す中で本人に気づきを与える手法です。また、業務目標達成やプロジェクトの成功など、具体的なテーマに絞って行われます。

近年はマネジメントにおけるコミュニケーションスキルの意味合いで使われることが多いのがコーチングです。

その他の単語の意味を解説

ティーチング

「teach:教える」という言葉からわかる通り、一般的に、知識やスキルを教えることを指します。先生と生徒、上司と部下、先輩と後輩など関係は様々です。知見のある人から経験の浅い人への教えに対し、広く使われます。

カウンセリング

カウンセリングは、ある分野で知識やスキルを持っている人が相談者から話を聞くことで、課題解決につなげるものです。キャリアカウンセリングなど、特定分野に絞って用いられることがあります。

キャリアカウンセリングを行う場合は特に必要な資格はありませんが、国家資格であるキャリアコンサルタント資格を有していれば、より活躍の場が広がることが期待できます。

キャリアコンサルティングの役割

「キャリアコンサルティング」は企業、教育機関、ハローワークなど様々な場所で利用されています。場所別に分けると、次のような役割を担っています。

企業

「この会社でどのようなキャリアを描いていけばいいのかはっきりしない」「今の部署での適正について悩んでいる」「昇進が決まり管理職になるのが不安」など、キャリアに関する幅広い相談を受けます。キャリアコンサルティングは、昇進や異動に係るストレスや悩みにも対応しています。

教育機関

就職活動中、もしくは就職活動を控えた学生の中には、「進路がなかなか決まらない」「自分がどんな仕事に向いているのかわからない」「面接でうまく自己アピールできない」など、進路に関する悩みを抱えている場合があります。

教育機関ではキャリアコンサルティングを通して、相談者の適性は何か、関心はどこかを汲み取った上で、企業や業界の情報を提供します。また、キャリアコンサルタントは、履歴書やエントリーシートの書き方からビジネスマナーなど、面接に向けた指導も行っていきます。

ハローワーク

求職者は「就職に有効な資格を取得したいけれど、どのように選んだらいいかわからない」「どんな業界が向いているのかわからない」といった課題を抱えている場合があります。

ハローワークではキャリアコンサルティングを通して、求職者のこれまでの業務経験の棚卸を行い、適性や関心のある職種・業界の情報を提供し、就職までサポートをします。

コーチングの役割

コーチングは特に資格を必要としません。国際コーチ連盟(ICF)の認定プログラムなど民間資格もありますが、コーチングという行為自体はどういった方でも行うことが可能です。

プロのコーチとして活躍している人は、このような民間資格を持っている方が多いでしょう。コーチングの具体例としては次のような場合があります。

上司や役員から後輩社員へ

仕事に直接関係する知識から、働きがいやキャリアについて、会社や業界についてのことなど、幅広い対話を行います。

コーチ側が答えを提示するのではなく、あくまでも、答えを引き出すのがコーチングの役割であるといえます。近年は特に、業務に直結すること以外のコミュニケーションを重視する企業が増えています。

企業の研修など

研修講師として社外からコーチを呼び、従業員にコーチングする例もあります。

個人でコーチを依頼

個人がコーチングを依頼するケースもあります。個人とコーチのマッチングサービスなども増えているようです。

その内容も幅広く、仕事に関するものから、資格や学習から、生活についてのものなど、相談者とコーチによって大きく異なっています。

キャリアコンサルティングとコーチングに期待できるメリット

キャリアコンサルティングを行うことで期待できるメリット

キャリアコンサルティングは、キャリアにまつわる様々な助言や指導のことです。

キャリアについて一人で考えるよりも、国家資格を持ったプロであるキャリアコンサルタントに相談をすることで、自分の適性や能力、関心などに気づきを得やすくなります。

キャリアコンサルティングを受けることで、自分自身に向き合うきっかけとなるとともに、企業内外問わず、様々な仕事についての理解が深まることが期待できます。

コーチングを行うことで期待できるメリット

コーチングは、キャリアに限らず広い場面で用いられます。悩みや課題をもとに、どういったコーチと対話したら答えが明確になりそうか想定して挑むと、より効果的になるでしょう。

自身の悩みや課題が明確でない、言語化できていないという場合でも、事前アンケートなどからおすすめのコーチを紹介してくれるサービスもあります。

また、自身が部下や後輩を支援する手段としてもコーチングを活用することができます。コーチングの手法を学び、マネジメントや後輩育成に活かすことができるでしょう。

このページでは、より働き方やキャリアに寄りそったものとして、キャリアコンサルティングに注目し、その具体的な受け方を紹介します。

【働き方に悩む人必見】キャリアコンサルティングを活用してみよう

キャリアはますます重要視されている

ここ数十年の社会のトレンドを追ってみると、年功序列・終身雇用制度の崩壊、グローバル化や顧客ニーズの変化による企業間競争激化、技術革新などさまざまな変化が起こっています。

キャリアが重要視されている理由は、このさまざまな環境の変化にあるといえます。企業、個人ともに、本質的な強さが必要とされており、その根幹にあるものとしてキャリアが大事になっているのです。

また、人生100年時代という言葉があるように、長い人生を自分らしく生きていきたいと考えるのも自然なことです。

そのためには、リカレント教育で学び直したり、リスキリングで新たな技術を身に付けたりするなど、自分のキャリアを主体的に自律して育てていくことが重要な時代になっています。

キャリアコンサルタントに相談するには

実際キャリアコンサルタントに相談をする場合は、どのような場所で相談できるのでしょうか。

ハローワークや自治体窓口などの公的な機関を経由する

公的機関で活躍しているキャリアコンサルタントもいます。求職者へのサポートの場合、新しい就職先の紹介はもちろん、必要な公的職業訓練の調整などもキャリアコンサルタントが行います。

人材派遣会社

キャリアコンサルタントは人材派遣会社などで企業と求職者の橋渡しの役割を担っていることもあります。

転職や就職を考えていたり、転・就職活動を行っている場合は、人材派遣会社を経由して相談することもできます。

大学のキャリアセンター

学生の場合は、学内のキャリアセンターを利用する機会が多いでしょう。

学生をサポートするキャリアコンサルタントは、キャリアセンターに所属していることが一般的ですので、進路や就職に係る話をしたい場合はキャリアセンターの窓口に相談をしてみましょう。

人材育成を担当する企業の人事部など

近年では、社内の人事が国家資格キャリアコンサルタントを保有しているケースも多く、仕事に関する相談がしやすい環境が整備されつつあります。

また、企業内キャリアコンサルタントも増加しているため、キャリアコンサルティングを受けたい場合は人事や社内の相談窓口などを利用してみましょう。

その他

近年はフリーランスとして活躍するキャリアコンサルタントも増えています。企業と契約している人や、個人を顧客として事業を行う人など、キャリアコンサルタントの活躍の幅は様々です。

キャリアコンサルタントになってみたい方へ

自身がキャリアコンサルティングをしてみたいと興味を持った方もいるのではないでしょうか。ここでは、キャリアコンサルタントになるまでの流れを簡単にご紹介します。

キャリアコンサルタントを名乗るには「国家資格キャリアコンサルタント」を受験し合格する必要があります。受験には、次のいずれかの条件を満たすことが必要です。

①厚生労働大臣認定の養成講習を修了した者
②実務経験が3年以上ある者
③技能検定キャリアコンサルティング試験の学科か実技に合格した者

①をクリアすれば、「国家資格キャリアコンサルタント」は実務経験のない人でも受験することができます。未経験や初心者から資格を取得している人もたくさんいます。

国家資格キャリアコンサルタント合格後に、キャリアコンサルタント名簿に登録をすることではじめて、「キャリアコンサルタント」と名乗ることができます。

必要な知識や技能など、詳細を知りたい方は次のページを参考にしてみてください。
 

あわせて読みたい

【1からわかる!】「キャリアコンサルティング」とは? 必要な知識と技能 | リカレントcounselor

 

キャリアコンサルティングとコーチングの違いは?

では最後に、キャリアコンサルティングとコーチングの違いについて、おさらいしていきましょう。

ひとつずつ順番にみていきます。

1.定義と目的

キャリアコンサルティング

主に「キャリアに関するアドバイス」を提供すること。具体的な職業選択やキャリアプランの設計をサポートし、相談者の職業的な成功や適応を助けます。

キャリアコンサルティングを行うには国家資格キャリアコンサルタントの取得が必要です。

コーチング

「目標達成のための支援」を目的とした対話を行うこと。特定の目標(仕事、プロジェクトの成功など)に焦点を当て、質問やフィードバックを通じて、クライアント自身の気づきを促し、自己解決を引き出します。

コーチングを行う場合は、特に資格は必須ではありません。

2.アプローチの違い

キャリアコンサルティング

門知識をもとに具体的な助言を提供し、キャリアの方向性や問題解決をサポートします。

コーチング

答えを与えるのではなく、対話を通じて相手自身に気づきを促し、自発的な行動を引き出す方法です。

3.資格の要件

キャリアコンサルティング

国家資格である「キャリアコンサルタント試験」に合格し、登録が必要です。

コーチング

特に資格が必須ではありませんが、関連する民間資格は存在します。

4.適用される場面

キャリアコンサルティング

主に職業選択、キャリア形成、転職支援など、具体的なキャリアに関する相談。

コーチング

目標達成、プロジェクトの成功、業務のパフォーマンス向上など、特定の目標に焦点を当てます。

まとめ

このページでは、キャリアコンサルティングとコーチングの違いについて解説してきました。近年は特に、キャリアについて考える場面が多くなっていると思います。
本記事が、ご自身の課題解決、周りの方の支援のヒントになりましたら幸いです。

Q&A

キャリアコンサルティングとは何ですか?
キャリアコンサルティングとは、キャリアに関する相談に応じ、助言や指導を行うことです。企業、教育機関、ハローワークなど様々な場所で利用されています。
コーチングとは何ですか?
「人に助言する」「人の目標達成を支援する」という意味で広く用いられる言葉です。一般的にコーチングは、コーチングを受ける人に答えを与えるのではなく、対話を繰り返す中で本人に気づきを与える手法です。また、業務目標達成やプロジェクトの成功など、具体的なテーマに絞って行われます。近年はマネジメントにおけるコミュニケーションスキルの意味合いで使われることが多いです。
キャリアコンサルティングとコーチングにそれぞれ資格は必要ですか?
キャリアコンサルティングを行う場合は、国家資格であるキャリアコンサルタント資格を保有していれば、活躍の場が更に広がることが期待できます。コーチングに関する民間資格はありますが、コーチングを行うことに特に資格は必要としません。
国家資格キャリアコンサルタントを取得するにはどうすればよいですか?
キャリアコンサルタントになるには、厚生労働省が定めた受験要件を満たし、国家資格キャリアコンサルタント試験に合格後、キャリアコンサルタント名簿に登録をすることが必要です。これではじめて「キャリアコンサルタント」として名乗ることができます。

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