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キャリアコンサルタント資格 - 2024.11.20更新 / 2022.08.30公開
キャリアコンサルタント資格の難易度は? 合格基準や学習期間を解説
キャリアコンサルタント資格に興味のある方にとって、難易度は気になるポイントだと思います。どのくらいの勉強をすれば合格できるのか知りたいですよね。
このページでは、キャリアコンサルタントを目指すのは難しいのか、またどのくらいの学習量が必要なのかなど、第26回までのデータをまじえて、キャリアコンサルタント資格の難易度について分かりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。
国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率からみる難易度
国家資格キャリアコンサルタント試験第17回から第26回の合格率の平均をみてみましょう。
厚生労働省 キャリアコンサルタントになりたい方へ 「キャリアコンサルタント試験結果の概要」のデータを参考に作成
キャリアコンサルタント試験は「学科試験」と「実技試験」があり、それぞれで、受験した半分以上の方が合格しています。決して簡単ではないですが、学習時間や資格の勉強に集中する期間を確保し、対策をしっかりと行うことで、十分に合格できる難易度と言えるでしょう。
国家資格キャリアコンサルタント試験の合格率については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【合格率を3分で解説】国家資格キャリアコンサルタントの最新動向 | リカレントcounselor |
キャリアコンサルタント試験の受験資格はハードルが高い?
次は、受験資格の視点で難易度をみていきます。国家試験と聞くと、「実務経験がないと受験できない」と思われている方も多いと思います。実際はどうでしょうか。
キャリアコンサルタントになるには受験が必須
キャリアコンサルタントは国家資格です。また、「名称独占」という資格で、試験に合格し、国のキャリアコンサルタント名簿に登録をして初めて、「キャリアコンサルタント」と名乗ることができます。
そのため、キャリアコンサルタントになるには、まずは受験をすることが第一歩となります。
キャリアコンサルタントの受験資格
それでは、キャリアコンサルタント試験を受験するための条件をみていきましょう。キャリアコンサルタント試験は、次のいずれか1つに当てはまれば受験ができます。
厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
引用)厚生労働省Webサイト|キャリアコンサルタントになりたい方へ
もう少しザックリと言うと、以下のようになります。
-
指定の講習を修了した者
-
実務経験が3年以上ある者
-
技能検定キャリアコンサルティングの学科または実技に合格した者
未経験の方は、「①指定の講習を修了」することで受験資格を得られます。年齢や学歴などは問われません。講習は受講料がかかりますが、どなたでも受講できますので、「国家資格の受験資格」と考えるとハードルは高くないでしょう。
受講料の一部が戻ってくる給付金についてはこちらの記事で解説しています。
【これで分かる】給付金を国家資格キャリアコンサルタントの学習で利用する方法 | リカレントcounselor |
講習は受講しやすい
キャリアコンサルタント養成講習は、土曜・日曜などの週1のクラスから、平日の昼間、夜など、学校により様々なクラスが用意されています。
受講料は必要になりますが、社会人の方でも仕事と両立をしながら学習できることはメリットです。社会人以外でも、学生や専業主婦(主夫)、定年退職後の方など、幅広い方が受講しています。
講習は、厚生労働省のキャリアコンサルタント講習検索サイトで探すことができます。
実務経験が3年以上ある方は、それを受験資格とすることができるため、講習の受講は不要です。もちろん、スキルの習得を目的として受講している方もいます。
3つ目の受験資格「技能検定キャリアコンサルティング」について気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
【何が違う?】国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士 | リカレントcounselor |
受験資格別の合格率からみる難易度
それでは、受験資格別の合格率はどうでしょうか。以下の表は第26回の試験で比較したものです。
受験資格 |
合格率 |
|
学科試験 |
①養成講習修了 |
66.6% |
②実務経験 |
55.4% |
|
③技能検定の片方合格 |
– |
|
実技試験 |
①養成講習修了 |
63.5% |
②実務経験 |
49.0% |
|
③技能検定の片方合格 |
68.9% |
3つの受験資格の中で、合格率が一番高いのは「①講習を修了した者」でした。これは第26回だけでなく、過去の試験でも毎回同じ傾向になっています。
キャリアコンサルタントの試験は難易度が高いなと感じている方でも、講習を受講することでキャリアコンサルタントの幅広い知識やスキルを網羅できるため、試験に対応しやすくなるといえるでしょう。
また、どの試験においても、傾向と対策をしっかり行うことが合格の近道になります。
キャリアコンサルタントの試験内容と合格基準は?
次は、学科試験と実技試験の試験内容と合格基準をもとに、難易度をみていきます。
学科試験はマークシート形式で100点中70点以上
学科試験の時間は100分です。学科試験はマークシート形式で4つの選択肢から選ぶ問題のため、比較的解きやすいでしょう。点数は100点中70点以上の獲得で合格できます。
学科試験の出題範囲は以下のとおりです。
-
キャリアコンサルタントの社会的意義
-
キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
-
キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
-
キャリアコンサルタントの倫理と行動
この中には、カウンセリングの技法や労働・職業選択に関する知識、メンタルヘルスの知識など幅広い内容が含まれています。
参考書にはない時事問題が出題されることもあります。そのため、よく出題される問題や過去に出題された問題など、確実に答えられる問題を落とさないように、基本からしっかり学習をしていきましょう。
実技試験の内容
実技試験は論述と面接があります。
キャリアコンサルティング協議会
キャリアコンサルタントが行ったキャリアコンサルティングの振り返りをまとめた事例記録を読み、質問の意図や相談者の問題は何かを解答していきます。
キャリア開発協会(JCDA)
キャリアコンサルタントと相談者のやり取りを一言一句記録した逐語録を読み、相談者の悩みに寄り添った解答が求められます。
どちらも、キャリアコンサルティングの内容を読んで、文章で解答する、という点では共通ですが、事例と設問が異なる、ということになります。
キャリアコンサルティングの知識とスキルが問われることに違いはないため、実務としてのキャリアコンサルティングスキルを習得しながら、試験に向けた対策ができるとよいでしょう。
実技試験は論述+面接で150点中90点以上
実技試験は論述と面接を合計した150点満点で、90点以上の得点で合格になります。
さらに、論述で40%以上、面接では評価区分ごとに40%以上の得点をとる必要もあります。面接の評価区分とは、試験実施団体で設定されている合格基準です。
キャリアコンサルティング協議会 | 態度 | 展開 | 自己評価 |
日本キャリア開発協会 | 主訴・問題把握 | 具体的展開 | 傾聴 |
このそれぞれの項目で40%以上とる必要があります。
このように、「得意な分野で高得点を取って苦手な分野をカバーする」というよりは、「バランスよく勉強をして、全体的に得点をとる」ことが大切になります。
キャリアコンサルタントの勉強法や学習スケジュール
キャリアコンサルタントの試験は、効率よく、学習スケジュールを立て、計画的に進めるのがお勧めです。ここではキャリアコンサルタントの勉強法や学習スケジュールを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
学科試験は過去問を取り入れる
学科試験は出題範囲が広いため、時間をかけて学習する必要があります。効率よく効果的に学習するためにお勧めなのが、過去問での勉強です。
過去問を解いたあとは、ぜひ1問ずつチェックしていきましょう。その際に、その問題に関連する周辺の知識も一緒に確認していきます。
また、学科試験は選択肢の問題ですが、正答ではない他の選択肢についても調べてみるとよいでしょう。そうすることで、知識の幅が広がり、別の角度からの問題が出たとしても解答しやすくなります。ぜひ、試してみてください。
論述試験ではパターンを用意しておく
論述試験の対策も、過去問を活用できます。まずは、どういう形式で出題されるのかを過去問で確認しておきましょう。
実際のキャリアコンサルティングの現場では、一人ひとりの関心や状況、悩みは様々なので、型にはめた対応でのコンサルティングは成立しません。本質的なコンサルティングを習得することが必要です。
その上で、試験の対策としては、複数の解答パターンを用意しておくことがお勧めです。過去問を見ると、事例は違っても問われる内容は毎回同じです。解答パターンの引き出しをできるだけ多く用意しておくと落ち着いて解答できるでしょう。
面接試験はとにかくロールプレイの実践
面接試験の勉強は、ロールプレイを繰り返すことが大切です。ただし、やみくもに繰り返すと、何が良いのか悪いのかがわかりません。
そのため、資格をすでに取得している方にオブザーバーとなってもらい、ロールプレイごとにフィードバックをもらうのがお勧めです。課題や良かった点を明確にしながら進めることで、自身の成長を感じながらステップアップができるでしょう。
また、人のロールプレイを見るのも勉強になります。客観的に良い点や改善すべき点を把握できるため、自身のロールプレイに活かすことができます。また、講習などを通して、講師から適切な指導を受けることも大切です。
学習期間の目安は150時間以上
学習期間の目安は150時間以上を考えておくとよいでしょう。
厚生労働省が定める講習の学習時間は150時間です。
これにプラスして、自習時間の確保が必要です。学科試験は出題範囲が広いため、理解し、暗記するにはある程度時間を要します。また、実技試験に関しても、訓練の時間が必要で、そのための時間や環境を作ることが合格の近道になります。
最低でも8ヶ月前からの事前準備がおすすめ
キャリアコンサルタントの国家資格試験は年に3回(3月・7月・11月)行われています。
養成講習に申し込む場合は、目標とする試験日から逆算して、8〜10か月前から準備しておくとよいでしょう。養成講習は3~6か月程度の受講期間です。養成講習修了後に受験申請をし、その約2ヵ月後が試験になります。
また、養成講習を受講するための検討期間、専門実践給付金を利用する方はその事前申請の手続きがあります。余裕を持った事前準備がおすすめです。
3月に受験したい場合は、5~7月から準備を始めるといった具合です。
まとめ
キャリアコンサルタントの合格率を見ると、実務経験で受験された方より、養成講習を受講して受験された方のほうが合格率は毎回高くなっています。そのため、最初は難易度が高いなと感じている方でもしっかりと学習をし、知識とスキルを身に付けることで合格が近づくといえます。
業界未経験の方でも一発合格されている方は多くいらっしゃいます。過去問などを使用して計画的に取り組んでみてください。
キャリアコンサルタントの資格に興味のある方は、ぜひ取得を検討してみてください。
Q&A
また、試験を受けることが決まったら、最低でも8ケ月前からの事前準備が必要となります。余裕を持ってスケジュールを組むと、安心して試験に臨むことができますね。
その中でも、論述で40%、面接では区分ごとに40%以上の点数を獲得する必要がありますので、両方を平均的に学習することが合格に近づく第一歩となります。
学科は過去問を解き、論述でも過去問を用いて様々なパターンを用意しておくとよいでしょう。面接はロールプレイングをやり込んでいくことが大切です。
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