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キャリア - 2024.11.21更新 / 2024.09.27公開
グレート・レジグネーション(大退職時代)とは
2021年以降にアメリカで起きた「グレート・レジグネーション(大退職時代)」。
このページでは、なぜ前例のないグレート・レジグネーション(大退職時代)という現象が起こったのか、日本でも同じことが起こるのかどうかについて解説していきます。
グレート・レジグネーション(大退職時代)とは
「グレート・レジグネーション(大退職時代)」は、2021年以降にアメリカで起きた「自分の意志で、仕事を辞める人が急増した」現象を指します。
2021年のアメリカでは、自発的に離職した人が約4700万人を超えました。
このグレート・レジグネーション(大退職時代)はどのようにして起きたのでしょうか。そのきっかけは、「新型コロナウイルス(COVID-19)」にあるといえます。
グレート・レジグネーション(大退職時代)のきっかけ
コロナは、今までとは異なる働き方を私たちに提供するきっかけになりました。リモートワークがその代表例ですが、リモートワークが一般化することによって、多くの人が「自分の仕事はリモートでも対応できるのではないか」と気づき始めました。その結果、リモートワークを実践していない自社を離れて、リモートワークを実践している他社に移動するという選択肢を選ぶ人が出始めたわけです。
コロナの蔓延によって職を追われたり、仕事が著しく暇になったりした人もいます。これは大きな経済的な苦難を労働者にもたらすものでしたが、同時に労働者に「自分の人生は本当にこれでいいのか?」「自分は労働に見合った給料をもらっていないのではないか?」と考えさせる時間をも与えました。
この与えられた時間のなかで自分を見つめ直し、「仕事ではなく、家族のことを重要視したい」「もっと自分のことを評価してくれる職場に行きたい・起業したい」と考える人も出てきました。このような結論を出した人は、元の職場に戻ったり、どこか別の会社に所属したりすることなく、新しい道を歩むことを選びました。
また、「コロナ禍で働く人の数が減り、自分がこなさなければならない仕事が増えた」「リモートワークが導入されたことで、家にいる間も仕事とプライベートが切り分けられなくなった」ということで、強いストレスを感じた人もいました。ストレスとそれがもたらす疲労に堪え切れず、仕事を辞める人も出てきました。
このように、コロナをきっかけに労働に対する考え方に変化が出てきたことがグレート・レジグネーション(大退職時代)の背景にあります。
さらに2021年にアメリカでは、景気対策の給付金が支給されるなど、経済の回復が見られたため、これまでのコロナによる先行きの不安で離職を留まっていた人たちが、一斉に動き出した、という背景もこれに加わったといえます。
グレート・レジグネーション(大退職時代)は日本でも起こるか
ここで考えたいのが、グレート・レジグネーション(大退職時代)は日本でも起こり得るか、ということです。
現状の日本は、コロナや世界情勢の影響による経済回復が遅れており、転職者数が減少しているため、近いところでグレート・レジグネーション(大退職時代)が起こることはない、とする意見が多いようです。
一方で、転職を希望する人は増加しており、コロナをきっかけに働き方が多様化し、労働への考え方に変化が起きた点は、アメリカと共通しています。そのため、今後、日本経済の回復が進むことでアメリカのグレート・レジグネーション(大退職時代)のような動きは起こる可能性もありますが、その規模は限定的だと考えられています
参考)https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/21/backdata/01-02-26.html
参考)https://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2022/index.html
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グレート・レジグネーション(大退職時代)への対策とは
すでに述べた通り、日本の現状では、グレート・レジグネーション(大退職時代)が起こる可能性はそれほど高くはないといえるでしょう。ただ一方で、似たような現象や変化が起こることは否定できません。そのときに、企業側はどのように工夫することで従業員の離職を抑えられるのでしょうか。
福利厚生の充実
対策のひとつとして、福利厚生の充実が挙げられます。育児・介護サービス費用や従業員の食事費用補助などが整備されていたり、財産形成のためのプランが用意されていたり、といったものです。
福利厚生が手厚いことで、従業員は、「自分が大切にされている」「自分の環境が変わっても働き続けられる」として、安心して仕事をしていくことができます。
属人化した業務への対応
労働時間を管理することも重要です。労基法では労働可能時間が決められていますし、誰か一人だけに負担がかかってしまうような仕事分配になっていると、その人が辞めてしまえば仕事が回らなくなってしまう可能性があります。
そのため、仕事を属人化するのではなく、誰であってもその仕事をこなせるようにするためのマニュアル整備などが求められます。また、DX化を考えるのもよいでしょう。
労働環境の向上や良好な人間関係の維持
労働に対する考え方が多様化している現代においては、リモートワークの導入なども含めた労働環境の整備が必要です。また、働き方や勤務形態などが多様な職場においては、社員同士のコミュニケーションが難しくなるケースもあります。人間関係の悩みは離職の理由となることも多いため、コミュニケーションツールの導入や交流の機会を増やす制度などの取り組みも必要になります。
まとめ
グレート・レジグネーション(大退職時代)は、2021年にアメリカで起こった前例のない現象です。これは、コロナをきっかけとした労働に対する考え方の変化など、様々な社会的背景が関係しています。
もしグレート・レジグネーション(大退職時代)が日本で起こったら、企業や私たちはどのように考え行動すべきなのでしょうか。この記事が、今後の企業のあり方や自身のキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。
Q&A
一方で、転職を希望する人は増加し、コロナをきっかけに労働への考え方に変化が起きた点は、アメリカと共通しているため、今後、経済の回復が進むことでアメリカのグレート・レジグネーション(大退職時代)のような動きは起こる可能性もあります。しかし、その規模は限定的だと考えられています。
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