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キャリアコンサルタント資格 - 2024.10.07更新 / 2022.01.26公開

初心者でも大丈夫! 「キャリアコンサルタント試験」に合格するための勉強方法

社会人になってからの勉強は、会社で働きながら、家事や育児を行いながらというように、勉強にあてられる時間も限られてしまうもの。それだけに、できるだけ効率的に学習を進めていきたいですね。

自宅や通勤時間などで学習を進める場合、自分一人で取り組むケースが多いので、勉強方法次第で結果も大きく変わってきます。

このページでは、これから「キャリアコンサルタント試験」を受けようと考えているあなたに、どんな勉強を行えば、一度目の資格試験で合格できるのかを、ポイントを踏まえてわかりやすく解説します。

合格するための勉強方法のポイント
まずは「国家資格キャリアコンサルタント試験」を知る

合格するためには、まずはこれから受験する「国家資格キャリアコンサルタント試験」がどんな構成になっているのかを知ることが大切です。試験の全体像がわかれば、合格するための勉強方法や力を入れて勉強をするべきポイントが見えてきますよね。

登録試験機関の一つである「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」のサイトには、以下のように試験の形式が掲載されています。

では一つひとつ見ていきましょう。

▽学科試験

出題形式 四肢択一のマークシート
問題数 50問
試験時間 100分
合格基準 100点満点(2点×50問)で70点以上の得点
受験料 8,900円

(出典:受験概要|キャリアコンサルティング協議会)
 

▽実技試験

論述 出題形式
記述式解答(事例記録を読み、設問に解答する)
試験時間
50分
面接 出題形式
【ロールプレイ】
(受験者がキャリアコンサルタント役となり、キャリアコンサルティングを行う)
ロールプレイは実際のキャリアコンサルティング場面を想定して、面談開始から最初の15分という設定で行います。 ロールプレイでは、キャリアコンサルタントとして相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)で、相談者との関係を築き、問題を捉え、面談を通じて相談者が自分に気づき、成長するような応答、プロセスを心がけてください。
【口頭試問】
(自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える)
試験時間
20分(ロールプレイ15分、口頭試問5分)
合格基準 150点満点で90点以上の得点
※但し、論述は配点の40%以上の得点、かつ面接は評価区分「態度」「展開」「自己評価」ごとに満点の40%以上の得点が必要
受験料 29,900円

(出典:受験概要|キャリアコンサルティング協議会)

はじめに「国家資格キャリアコンサルタント試験」の形式についてですが、「学科試験」と「実技試験」の二つに分かれており、合格するには、「学科試験」と「実技試験」のどちらも合格することが必要です。

もし、「学科試験」に合格して「実技試験」に不合格だった場合はどうなるのでしょうか。その場合は「学科試験」には合格しているので、次回の「国家資格キャリアコンサルタント試験」では、不合格だった「実技試験」のみの申し込みを行い「実技試験」に合格すれば、ようやく「国家資格キャリアコンサルタント試験」に合格となります。いずれにしても、1回目の試験で両方合格できるようにがんばりたいところですね。

では、それぞれの試験について試験科目や、試験の内容、試験時間、合格の基準について、詳しく見ていきましょう。

「学科試験」はマークシート方式で、四つの中から一つの正解を選ぶいわゆる「四肢択一」が採用されています。キャリアコンサルタントとして知っておいてほしい知識や理解度を図る問題が全部で50問出題されます。1問が2点で50問ありますので、満点が100点。50問のうち35問の正解で、70点とれれば合格です。試験時間は100分です。

「実技試験」は「論述」と「面談」とも一定の得点が必要

実技試験は「論述」と「面接」に分かれており、別々の日程で実施されます。現在のところ「論述」は「学科試験」と同日に行われており、「面接」は別の日程で行われています。

「実技試験」の配点は「論述」と「面談」の合計で150点満点で、合格するには「論述」と「面談」を合わせて90点以上の得点が必要です。ただし条件があり「論述」で40%以上の得点、さらに「面接」でも、「態度」「展開」「自己評価」といった評価区分ごとに、40%以上の得点が必要です。

合計点数で90点を超えていても、40%を超えていない評価区分が一つでもあると不合格になりますので、バランスよく勉強していくことが大切です。

「論述」は事例記録を読み、設問に対して記述をして解答していく形式です。試験時間は50分です。配点は50点満点ですので、足切りされないためには、その40%にあたる20点の得点が必要ですが、「面接」で万が一、思うようにいかなかった時のことを考えると、ここはしっかり勉強をして30点以上は狙いたいところですね。

「面接」は「ロールプレイ」に「口頭試問」もあり

「面接」は試験時間が20分。ロールプレイ15分と口頭試問5分で構成されています。ロールプレイでは、受験するあなたがキャリアコンサルタントの役となります。実際のキャリアコンサルティングの場面を想定して、面接開始から最初の15分という設定で行われます。

登録試験機関の一つである「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」のサイトには、「ロールプレイでは、キャリアコンサルタントとして、相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)で、相談者との関係を築き、問題を捉え、面談を通じて相談者が気づき、成長するような応答、プロセスを心がけてください」と書かれていますので、この点は意識するようにしましょう。

ロールプレイの15分が終わると、口頭試問があります。試験官からロールプレイで行ったキャリアコンサルティングについて質問がありますので、それに答える形となります。ロールプレイと口頭試問の20分間で、キャリアコンサルタントとしての「態度」、ロールプレイで行ったキャリアコンサルティングの「展開」、口頭試問での「自己評価」が判定されます。

なお「国家資格キャリアコンサルタント試験」の登録試験機関は、このページでご紹介した「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」の他に、「特定非営利活動法人日本キャリア開発協会」があります。学科試験は同じですが、実技試験は問題も採点方法も違います。どちらで受けてもさほど難易度や平均点は変わらないといわれています。

以上が「国家資格キャリアコンサルタント試験」の内容です。キャリアコンサルタントとして必要な専門知識があるか、専門スキルがあるかどうかが判定される試験ですが、思った以上に内容が幅広く、それぞれにおいてバランスよく一定以上の水準を求められるということを感じていただけたのではないかと思います。

そのため「国家資格キャリアコンサルタント試験」に一度で合格するためには、合格するための対策が必要です。ここからは「学科試験」と「実技試験」の「論述」において具体的な勉強方法についてご紹介していきます。それぞれの試験ごとに合わせた最適な勉強方法があるのです。

「学科試験」合格の鍵は「過去問」を勉強すること

多くの資格試験において、「過去問」を解くことは有効だとされていますが、これは「国家資格キャリアコンサルタント試験」でも同じです。どんな内容が問われているのか、どんな分野から出題されているのかなどがわかるだけではなく、1度50問を通しで行ってみると、50問を解くための時間配分などもわかってきます。また、いろいろな年の「過去問」を解いてみると、ある傾向がわかってきます。それは、過去に出た問題と同じような問題が、違う角度で度々出題されていることです。

未経験者が「国家資格キャリアコンサルタント試験」の受験資格を得る方法として、リカレントの「キャリアコンサルタント養成講座」のような厚生労働大臣が認定した講習を修了するという方法があります。実際に講座に申し込んで、テキストや参考資料を見てみると、出題範囲が非常に幅広いことがわかります。

その内容をすべて記憶できれば、もちろんいうことはありませんが、時間が限られている社会人のあなたであれば、試験に出やすい箇所を、効率的に勉強して行きたいですよね。その答えが「過去問」の中にあるのです。試験機関が求めるキャリアコンサルタントとして理解しておいてほしいコアな部分は、実は決まっているといっても過言ではないのです。

「過去問」の勉強の秘訣とは?

「学科試験」の同じ「過去問」を何度も行っていると、この答えは2番、この答えは3番などと、答えを丸暗記してしまうこともあります。これは一見、知識がついたように感じますが、「過去問」を勉強するという観点では、もう一歩踏み込む必要があります。

それは実際の試験で「過去問」と全く同じような問題が出れば、正解がわかりますが、違う角度から問われた場合は、解けないということはよくあるからです。

「過去問」を勉強する時の秘訣は、「この問題で問われている知識は何か?」を自分で考えてみることが大切です。そして、その知識だけではなく、その問題に関連した周辺の知識も書き足していき、合わせて勉強をしてしまうのがコツです。このように勉強を進めていくと、「過去問」に出題された内容を違う角度から聞かれた場合に、解ける確率がぐんと上がります。

下記は、登録試験機関の「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」が出題した第18回の「国家資格キャリアコンサルタント試験」の「学科試験」の問題の一部です。

この問いでは、スーパー(Super,D.E.)の理論に関する記述のうち、不適切なのを聞いていますので、正解は1番です。逆にいえば、2.3.4.はスーパー(Super,D.E.)の理論に関する記述なので、ここで一緒に覚えてしまうのです。もし、本番の試験でスーパー(Super,D.E.)の理論に関する記述のうち正しいものはどれかという同じような問題が出れば、正解がわかります。

また、1.の理論は誰のものなのかも合わせて勉強するというように、周辺の知識も増やしていくことが秘訣です。

大事なキーワードをピックアップして人に説明をしてみる

過去問以外の勉強法としておすすめなのは、「厚生労働大臣認定講習」などで使用しているテキストから、大事なキーワードをピックアップしてノートに書き出し、そのキーワードについて人に説明してみることです。

人にわかりやすく説明をしようとする場合、まずは自分がしっかり理解していないと説明ができません。またキーワードをつなげて、わかりやすいフレーズにする必要がでてきますので、頭が整理されて、記憶にも残りやすくなります。

例えば、先の過去問にも出ていたスーパー(Super,D.E.)の理論。「マキシ・サイクル」を重要なキーワードにピックアップした場合、「マキシ・サイクル」とは何かを人に説明するには、あなたならどのようにしますか?

『「マキシ・サイクル」とはスーパー(Super,D.E.)の理論です。スーパーは(Super,D.E.)は、主要なライフステージを成長期、探索期、確立期、維持期、解放(衰退、下降期)期の5つに分類し、それを「マキシ・サイクル」と呼びました』と説明することができますよね。

説明する相手がいない場合は、架空の相手を想定して「マキシ・サイクル」を説明してみましょう。きっと同じような効果が期待できます。ぜひ一度試してみてくださいね。

「論述」の勉強方法のコツとは?

次に、「論述試験」にはどのような問題が出ているのかを確認していきましょう。下記は登録試験機関の「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」が出題した第18回の「国家資格キャリアコンサルタント試験」の「論述」の設問です。

これだけみると、「私に答えられるかどうか・・」と心配になるかもしれませんが、実はどの回の試験でも設問となる内容に大きな変化はありません。ほぼ問われている内容は同じと考えてよいでしょう。

試験ごとに違うのは、相談者のキャリアコンサルティングの事例記録です。そのため、どのように回答をすればよいのか、事前に対策を打つことができます。

下記は登録試験機関の「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」が出題した第18回の「国家資格キャリアコンサルタント試験」の「論述」の「事例記録」の一部です。相談者情報、相談の概要、相談者の話した内容と、キャリアコンサルタントの発言が記録されてます。この内容が試験ごとに毎回変わるのです。そう考えると心の準備もできますよね。

設問1は、相談の概要は何か、設問2は、なぜこのような質問をしたのか、設問3は相談者の問題とその根拠、設問4はどのような働きかけを行うかといった内容です。事例記録の内容を理解しているか、それに対してどう対処していくのかといったことが問われています。

これを見ると50分という時間内に逐語記録の内容をまとめる勉強と、繰り返し練習することが必要なことが理解できるのではないかと思います。問われている内容は変わらないので、事前にどう回答するのか、いくつかパターンを作っておくのもおすすめです。

事例記録の内容を理解しているかという観点で得点を得るコツとしては、「・・・という相談者の発言から」「・・・という行動があったことから」のように、相談者の言葉や行動を根拠として引用するとよいでしょう。

また、設問3のように相談者の問題点を解答する場合は、「コミュニケーションの不足」や「情報収集が足りない」、「自己理解に乏しい」、「思い込みがち」などいくつかのフレーズを用意しておくとあわてません。

設問4のようにキャリアコンサルタントとして、どのような働きかけを行うかといった内容では、設問3で解答した相談者の問題点を解決できるように支援するという方向へ導くのも一案です。

例えば、相談者は自己理解に乏しいのではないかと思う場合は、「ジョブカードを使って、今までのキャリアの棚卸をするための支援をする」というのも相談者の問題を解決する方法の一つですよね。

学科試験の勉強を進める中で、キャリア支援に使えるさまざまなツールなども勉強できますので、その知識を活用して、いくつかの解答パターンを事前に用意していくのもおすすめです。

「面接」で合格するコツとは

「面接」で合格するには、大事にしたいことが二つあります。一つはキャリアコンサルタントとしての「マインド」。もう一つはキャリアコンサルティングの「テクニック」です。「マインド」とはクライエント(相談者)の気持ちを受け止めて、話を聴こうとする姿勢や態度になります。

キャリアコンサルタントの「マインド」の基準に満たすには、コツがあります。試験会場にはあらかじめ用意されたクライエント役(相談者)の方と試験官、キャリアコンサルタント役の自分がいます。

試験官の目を気にしすぎて「合格するような受け答えをしなければならない」と気負うと、緊張しすぎてうまくいかないこともあります。そのため、審査される場という意識ではなく、目の前のクライエント(相談者)が発する言葉を聴き、気持ちを受け止めるという本物の「キャリアコンサルティング」の場であることを意識して臨むとスムーズにいきます。

面接の勉強にあてる時間も同様で、事前の練習の段階から「キャリアコンサルティング」の場であるといった意識で行っておけば、本番でもスムーズにいきます。

次に「キャリアコンサルティング」のテクニックについて解説します。「面接試験」では以下の4つの評価区分に沿って採点されます。
 

①基本的態度
②関係構築
③問題把握力(クライエント視点、カウンセラー視点)
④具体的展開力(目標設定)

 
これらをまとめてみると、以下のようになります。
・クライエントの気持ちを受け止めて話を聴こうという態度や、基本的スキルがあること。
・クライエントの抱えている問題をキャリアコンサルタントとして自分なりの根拠を持って理解できていること。
・自分の良い点、足りない点が理解できていること。
まずは、ここまで頭に入れておきましょう。

「面接」のための具体的な勉強方法

「面接」の勉強は、とにかくロールプレイを実際に行ってみることが大切になってきます。自分がおこなったロールプレイをオブザーバーにフィードバックしてもらい、一つひとつのロールプレイに対して振り返りを行っていくことをくりかえしていきます。オブザーバー役には、これから同じように試験を受ける人ではなく、資格をすでに取得者している方の方がよいでしょう。

面接の勉強を行う際に、ぜひおすすめしたいのは、ロールプレイ専用のノートを作成することです。一つひとつのロールプレイに対して、どこがよかったのか、どこができていなかったのか、次回からどこを気を付けていこうなど、ノートに記入していくことで、改善するポイントなどがわかってきます。

では、ノートの記入方法について、お伝えします。ノートには、まずクライエントの年齢や性別など、面談のケースについて記入します。相手が若年層なのか、高齢者なのかによっても、キャリアコンサルティングの展開が変わってきますよね。そして、ロールプレイが終わったら、以下の5つのポイントについても記入をしていきます。
 

キャリアコンサルタントの振り返りの5つのポイント
1.クライエントの主訴はなにか?どのように受け止めたか
2.クライエントの問題を解決するために何が必要だと思ったか、それはなぜか
3.これから続く面談で、どのようなやり取りをしたいと思ったか
4.今回のロールプレイでできたこと、できなかったことは何か
5.フィードバックを受けての気づき

 
5つのポイントについて記入が終わったら、クライエントやオブザーバーと共に、今回のロールプレイついての振り返りを行っていきます。実際にやってみると、自分ができていないことは何か、次回はこの点において改善してみようなど、いろいろなことがわかってきます。後日、自分が行ったロールプレイについて振り返ることができるのも、ノートを作成するメリットですね。

まとめ

このページでは、キャリアコンサルタント試験に合格するための勉強方法として、まず試験はどのような形式で行われるのかを紹介し、「学科試験」、「論述試験」、「面接試験」の勉強方法をご紹介しました。

社会人になってからの勉強では、学習にあてられる時間も限られてしまいがちなので、できるだけ効率的に学習を進めていきたいものです。このページが合格を目指すあなたにとって少しでも役に立てればと思います。

Q&A

キャリアコンサルタント試験」に合格するために行う勉強は、どのようなことに気を付けて取り組めばよいでしょうか。
まずは、「キャリアコンサルタント試験」はどんな試験なのか、どんな形式で行われ、合格するための水準はどうなのかなどを知ることが大事です。社会人のあなたは、勉強にあてられる時間も限られているはずですので、試験の概要を知った上で、試験勉強の戦略を考えていくことをおすすめします。
学科試験」に合格するための勉強のポイントは何になりますか?
「学科試験」は50問出題されて、そのうち35問が正解すれば合格というのは変わりません。過去問を見るとどんな問題が出るのかわかりますが、同じ分野の問題も、違う角度で問われている場合も多くあります。一通り解くだけではなく、その周辺の知識も一緒に覚えることが大切です。また大事なキーワードをピックアップして、人に説明してみると、記憶に残りやすくなります。
「面接試験」に合格するための勉強のポイントは何になりますか?
面接は、基本的態度、関係構築、問題把握力(クライエント視点、カウンセラー視点)、具体的展開力(目標設定)の4つの区分で評価されます。これらを頭に入れて、とにかく実際にロールプレイを実際に行ってみることが大切です。オブザーバー役には、これから同じように試験を受ける人ではなく、資格をすでに取得者している方が望ましいでしょう。
「実技試験」に合格するための学習のポイントは何になりますか?
「論述」も「面接」においても、キャリアコンサルタントとして理解しておいてほしいことや求められるスキルに変わりはありません。キャリアコンサルタントとしての「マインド」と「テクニック」の両方を兼ね備えられるように、意識して学習していくことは大事です。また、「論述」「面接」とも評価区分ごとに一定の得点が必要です。バランスよく勉強しておくことも大切です。

Information

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