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キャリアコンサルタント資格 - 2025.02.21更新 / 2023.12.05公開
「キャリアコンサルタントへの転職」資格は転職時に有利になるのか

監修元村 久美子(国家資格キャリアコンサルタント)
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キャリアコンサルタントの資格を活かして転職を考える場合は、実務未経験者から経験者まで、まずは自身が望む方向性を見据えて市場を理解することが成功のカギとなります。
このページでは、キャリアコンサルタントとしての転職を考えている方に向けて、資格取得後のキャリアの広げ方や活躍の場、そして未経験者が転職を目指す方法や、すでに経験がある方がさらなるステップアップを目指す方法について解説します。
キャリアコンサルタントとしての転職と働く場
「キャリアコンサルタント」は、国家資格のうちのひとつです。学科試験と実技試験の両方に合格後、キャリアコンサルタント名簿にその名前を登録して初めて、キャリアコンサルタントとして働くことができるようになります。
終身雇用制度や年功序列から多様な働き方や成果主義などへ移行しつつある日本では、新卒で入社した会社に定年まで勤務する、という働き方が当たり前ではなくなってきています。
キャリアに関する悩みを抱える従業員も増加傾向にあるため、キャリアコンサルタントはさらにその需要が伸びることが予想される仕事だといえるでしょう。
キャリアコンサルタントとしての転職を考えた場合、働く場としては、主に以下の5つが挙げられます。
- 公的な機関での就業
- 人材派遣会社への転職
- 社内の人事部に異動する
- 大学のキャリアセンターなどでの就業
- 地域等の就労支援機関及び就労準備支援機関での就業
それぞれ見ていきましょう。
公的な機関での就業
ハローワークや自治体などの公的機関でキャリアコンサルタントとして働く場合、「新しい職場の紹介」「公的な職業訓練の実施」「就労相談」などが中心です。
窓口によっては就労に向けた準備支援を担当したり、就労阻害要因についての個別対応の相談業務を行う場合もあります。
公的な機関は、年齢・性別・属性・性格もさまざまな人が利用します。さまざまな求職者に対して公平に冷静に接することのできる人が向いています。また、社会保障制度などの基本的な知識も必要です。
人材派遣会社への転職
「働きたい」と考える求職者と、「よい人材を雇用したい」と考える企業の橋渡しをするのが、人材派遣会社で働くキャリアコンサルタントの仕事です。
求職者に対しては就労サポートやマッチング後の定着支援業務、求人側に対してはコンサルティング業務等があります。
求職者や企業担当者の条件に合う、職や人材をマッチングする必要があるため、相手と関係構築をし、要望を聞き出すスキルが必要です。営業的な要素も含まれるため、キャリアコンサルタントの資格を持っていることは、相手に安心感を与えるでしょう。
社内の人事部門に異動する
キャリアコンサルタントの働く場所のうちのひとつとして、「社内の人事部門や人材開発部門」というものが挙げられます。
ほかの3つは、「職を求める人を、働き手を必要とする場とつないだり連携したりすること」を業務のメインとするのに対して、社内の人事部門で働くキャリアコンサルタントは「従業員のキャリア構築のサポート」などがメイン業務となります。
また社内の人事部で働くキャリアコンサルタントには、上層部と社員の調整役の役割も求められます。
大学等のキャリアセンターでの就業
大学等の教育機関のキャリアセンターでは、学生の就職などのキャリアに係るサポートを行っていきます。学生にとっては初めての就職のため、目標が定まっていない、就職活動が不安などの悩みへのサポートも必要であり、教育機関内で働くキャリアコンサルタントの必要性は高まっています。
教育機関で働く場合は、自己理解や市場理解・業界理解を促したり、履歴書やエントリーシートや面接の指導をしたりすることが主な業務となります。
また、企業や学校側が利用しているエージェントとの交渉や調整を行ったり、来年以降の就労計画を作成したりなど、他の場所で活躍するキャリアコンサルタントと比較すると、大学で働くキャリアコンサルタントの仕事は学生との関わりが強いといえます。
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未経験からキャリアコンサルタントとして活躍していくための方法とは
ここからは、「キャリアコンサルタントの資格取得後、未経験からキャリアコンサルタントの仕事に就くためにはどうしたらよいか」について解説していきます。
現在働いている会社の人事部門等に異動する
現在働いている職場に異動願いを出し、キャリアコンサルタントのスキルが活かせる部署に配属してもらえるように働きかけることは、キャリアコンサルタントとしての第一歩を踏み出すための有用な手段です。
人事部への異動のメリットとしては、現職で経験を積むことができる点です。その後に転職をする際にも、この経験が有利に働くでしょう。
人事部の主な業務としては、社員の育成やキャリア面談など、人事に係る業務があります。企業によって人事部の業務は幅広いため、さまざまな経験を積むことができるでしょう。
副業でキャリアコンサルタントとして活躍する
キャリアコンサルタントは本業だけでなく、副業にも役立てることができる資格です。
「今は未経験なので、キャリアコンサルタントを本業にするのは難しそうだ」と感じるようであれば、副業としてキャリアコンサルタントを始めるのもよいでしょう。
副業の場合は短時間、週1、在宅勤務など、柔軟な働き方が可能な派遣への登録や、現在では仕事のマッチングサービスなども充実していますので、自分に合った働き方を探してみましょう。
「未経験でもOK」としている求人への応募を視野に
「今の仕事を辞めて、すぐにでもキャリアコンサルタントとして働く道を選びたい」というのであれば、キャリアコンサルタントを募集している求人への応募もひとつの方法です。
求人サービスなどでは、キャリアコンサルタントの求人でも「未経験でもOK」「未経験可」と記載されているケースがあります。
キャリアコンサルタントに関わらず、経験がなくても資格があれば育成を兼ねて貢献できる場もあるため、より活躍できる可能性があります。
企業が求める人材や業務内容を確認し、働きたい条件と合っているようであれば、転職先候補として視野に入れてみましょう。
すでにキャリアコンサルタントとして働いている人の転職方法を考える
最後に、「すでにキャリアコンサルタントとして働いている人が、より良い職場を求めて転職するための方法」について解説していきます。
上位資格を取得してさらなるステップアップを
キャリアコンサルタントは国家資格ですが、さらに上位の技能のレベルに位置する「2級キャリアコンサルタント技能士」「1級キャリアコンサルタント技能士」の2つの国家検定が制定されています。
「2級キャリアコンサルタント技能士」
受験資格はいくつかありますが、2級の場合は「3年以上の実務経験があり、かつキャリアコンサルタントの資格を持っている者」「3年以上の実務経験があり、かつ大学院などで特定の科目を履修した者」などが受験資格として挙げられています。
「1級キャリアコンサルタント技能士」
1級の場合はさらに厳しく、最短コースであっても「2級キャリアコンサルタント技能検定に合格してから3年以上の実務経験がある者」が受験資格となっています。
国家資格であるキャリアコンサルタントに加えて、上位レベルである国家検定を取得することで、転職がより有利になるでしょう。
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実績をアピールしてよりステップアップを感じられる転職を目指す
キャリアコンサルタントに限ったことではありませんが、「実績をアピールすること」はより自分が望む転職を成功させるために非常に重要です。
現在は、企業でも人材育成などの観点からキャリアコンサルタントを積極的に雇用していこうと考える傾向が強まっています。
このため、「キャリアコンサルタントとして10年の実績がある」「以前に、社内キャリアコンサルタントとして社員のキャリアアップに関わり、その結果として業績が伸びた」のようにアピールできるのであれば、自身のステップアップを叶える転職に近づきます。
まとめ
国家資格であるキャリアコンサルタントの活躍の場は、「公的機関」「人材派遣会社」「社内の人事部」「教育機関」「就労支援機関」などのように多岐に分かれており、それぞれで働き方も異なります。
「キャリアコンサルタントの資格は持っていても、キャリアコンサルタントとして働いたことがない」という人でも、資格をどこでどのように活かすのかを考えればキャリアコンサルタントとしての採用の道がひらけるでしょう。
また、すでにキャリアコンサルタントとしての実績がある人ならば、上位資格の取得などで、より自己実現につながる転職ができる可能性が高くなります。
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監修者
元村 久美子
国家資格キャリアコンサルタント
広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてマスコミュニケーションに携わる。
その後フリーランスとして様々な分野で活動。
国家資格キャリアコンサルタントとしては企業内障害者ジョブ支援を経験後、 自治体事業の就労支援・プログラム講師等も担当している。