キャリアコンサルタント大辞典 Career Consultant Dictionary
キャリアコンサルタントに関する
役立つ情報を掲載
キャリア - 2024.09.02更新 / 2024.01.17公開
自分のキャリアがわからない時に活用したいキャリアコンサルティング
自分自身のキャリアを考える時、方向性や目指すゴールがわからないと悩む場合があります。
今回の記事では、自分のキャリアがわからないという方への年代別対策や、キャリアの悩みに有効なキャリアコンサルティングについて紹介していきます。
キャリアで悩むビジネスパーソンは多い
下記のグラフは、2022年に厚生労働省がまとめた「キャリアコンサルタントに相談したい内容(複数回答(3つまで))」の上位5つの内容です。
相談したい内容のうちで最も高い割合なのは「将来のキャリアプラン」で正社員58.9パーセント、次いで「仕事に対する適性・適職(職業の向き不向き)」が正社員42.8パーセントとなっています。
正社員以外で最も高い割合は「適切な職業能力開発の方法」で37.5パーセント、次いで「仕事に対する適性・適職」が35.9パーセントとなっています。
厚生労働省 2022年度能力開発基本調査 図85を加工して作成
このように、将来のキャリアについて悩むビジネスパーソンは非常に多く、キャリアコンサルタントの必要性が増していることがわかります。
目指すキャリアがわからない
現在では企業主体のキャリア形成ではなく、労働者一人ひとりが自分自身のキャリア形成を行う「キャリア自律」が求められるようになり、より個人での自己啓発が促される傾向になってきています。
しかし、そもそも目指すべきキャリアや、方向性がわからないと悩んでいる場合、キャリアに沿った自己啓発をしていく事は難しいといえます。
年代別にみるキャリアがわからない時の対策
この章では、キャリアがわからないときの対策を年代別にみていきましょう。
20代の若手社員
就職活動を経て、新入社員として会社で働くようになると、就職がゴールではなくスタート地点だと感じることが多いのではないでしょうか。
採用面接の際に「5年後の自分はどうなっていると思いますか、またはこうなっていたいというビジョンはありますか」などの質問を受けたことがあるかもしれません。この時点でも、明確なキャリアビジョンを持っていることは珍しく、入社後も担当している業務をこなしていくことで精一杯という状況が予想されるため、具体的なキャリアを考える機会は少ないともいえます。
自分の興味と強みを把握する
キャリアがわからない、この先のキャリアを明確に想像することが難しいと感じる場合、まずは自分が何に興味を持ち、どんなスキルや能力を持っているのかを知ることが大切です。
趣味や特技、過去の経験を振り返り、自分の興味や強みをリストアップしてみましょう。
また、強みだけではなく、弱みや課題を整理したい時は、キャリアコンサルティングを利用することで、どんな仕事が自分に合っているのかを考える手助けになります。
自己分析に役立つSWOT分析については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
SWOT分析とは?自己分析やキャリアプランに役立つ方法を徹底解説 | リカレントcounselor |
30代の中堅社員
ある程度のスキルや経験を積んできた30代の中堅社員が、改めてこれからのキャリアを考えたときに、悩みというよりは焦りを感じる場合が多いかもしれません。
伸び悩みを感じる
-
職場環境や業務にも慣れているため、仕事に対するモチベーション維持が難しい
-
転職を視野に入れていても、一から新しい人間関係を築くことに不安を感じる
-
会社からの期待値に応えることができない自分に対する焦り
-
現在のポジションでは成長できなのではないかという不安
新入社員の時期と比較すると、中堅社員ではさまざまな悩みが出てきます。
また、焦りや不安を感じていても、自分のキャリアの方向性がわからないことから、新しいアクションを起こすことが困難になる可能性もあります。
バランスの取れたキャリアプランを構築する
中堅社員は仕事だけでなく、プライベートや家庭とのバランスを大切にしながら、キャリアの方向性を見つめ直すことが重要です。
自分の人生価値観に合わせたキャリアプランを構築し、持続可能なキャリアを考えていくためには、自分一人で考えるのではなく、キャリアに関する知識を有しているキャリアコンサルタントに相談をするとよいでしょう。
キャリアプランが思いつかない時の考え方と立て方をわかりやすく解説 |
30代後半から50代までの管理職
管理職は組織内でリーダーシップの役割を果たす立場にあっても、自己成長を続けることが重要とされています。
しかし部下を育成する立場では、なかなか自分自身のキャリアだけを模索することは難しいというのが現状ではないでしょうか。
部下のキャリアを考える立場である管理職
2018年に厚生労働省がまとめた「労働経済の分析」の中の、「管理職が感じる職場の環境の変化や管理職としての悩みについて」では、多くの管理職が挙げている項目は「職場の又は自分自身の業務量が多すぎる」、「部下の人事評価が難しい」、「部下がなかなか育たない」となっています。
また、悩みとして挙げられていることが増えている(増加率が高い)項目は、「求められる成果が出せていない」、「部下が指示通りに動かない」、「目標のハードルが高い」となっています。
厚生労働省 2018年版労働経済の分析 第2-(3)-26図を加工して作成
この結果からも分かるように、管理職になればキャリアについての悩みが減るかといえば、むしろ自分自身のキャリアと、部下のキャリアの両方について考える機会が増えていきます。
業務や部下の育成に追われる中で、自分自身のキャリアの方向性についてしっかりと考える場合は、キャリアコンサルティングが非常に有効だといえるでしょう。
キャリアコンサルティングは20代の若手社員や30代中堅社員だけではなく、部下をマネジメントする、30代後半から50代前後の管理職の立場である従業員も受けることが可能です。
むしろ、部下からの相談を受ける立場だからこそ、キャリアコンサルティングは重要であるといえます。
キャリアコンサルティングの効果
キャリアコンサルティングは、自分のキャリアがわからないと悩んだ場合に非常に有益な手段です。厚生労働省は、キャリアコンサルティングの効果について以下のように述べています。
キャリアコンサルティングを通じて、自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めるとともに、社会や企業内にある仕事について理解することにより、その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待できます
引用:厚生労働省 | キャリアコンサルティングの活用・効果
また、2022年に厚生労働省がまとめた「キャリアコンサルティングが役立だったことの内訳」では、「仕事に対する意識が高まった」が正社員で51.1パーセント、正社員以外で48.5パーセント、次いで正社員では「自分の目指すべきキャリアが明確になった」が34.7パーセント、正社員以外では「自己啓発を行うきっかけになった」が30.1パーセントなど、さまざまなキャリアに係る悩みについて、キャリアコンサルティングが役立っているという結果になっています。
厚生労働省 2022年度 能力開発基本調査 図83を加工して作成
自分のキャリアがわからない時は「キャリアコンサルティング」を
キャリアコンサルタントからのサポートを受けることで、自己分析を深め、適切なキャリア選択をするための方針を見つけることができます。
自己理解を深め、自身に合った仕事を見つける際に、キャリアコンサルティングは非常に役立つツールとなっています。
厚生労働省も述べている通り、キャリアコンサルティングは自己理解を促進し、適切なキャリアの選択をサポートする重要な手段として注目されています。
キャリアコンサルティングの具体例は、こちらの記事で詳しく解説をしています。
【1からわかる!】「キャリアコンサルティング」とは? 必要な知識と技能 | リカレントcounselor |
まとめ
今回の記事では、自分のキャリアが分からないときの年代別の対策や、キャリアに関する相談ができるキャリアコンサルティングについても触れました。
キャリアコンサルティングを活用することで、自己理解を深め、将来のキャリアプランを明確にすることが期待できます。
Q&A
初心者から短期間で
カウンセラーやキャリアコンサルタントになるには
リカレントでは、日本を代表するキャリアカウンセリングスクール「リカレントキャリアデザインスクール」を運営しています。
「国家資格キャリアコンサルタント」を取得したい方や、初心者からキャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントとして、キャリア支援を行ってみたい方は、ぜひ下の青いボタンからパンフレットをご請求ください。