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キャリアコンサルタント資格 - 2024.10.25更新 / 2022.03.01公開
【いくら必要?】キャリアコンサルタントになるための費用とは
新しいことを始めるときは、費用がかかります。勢いで飛び込むのも一つですが、全体的にどの程度の費用がかかるのか、ざっくりとでも知っておきたいですよね。
「国家資格」と聞くと、かなりの費用がかかると思う方もいるかもしれません。感覚は様々ですが、ここでは客観的に、国家資格キャリアコンサルタントの資格取得や維持のために必要となる費用をまとめます。
キャリアコンサルタントになるための総額
まずは、キャリアコンサルタントになるためにかかる全体の費用と内訳を紹介します。
キャリアコンサルタントになるための費用の総額は、355,800円~555,800円程度といえるでしょう。
金額の内訳はこちらです。
キャリアコンサルタントになる手順 | 費用 |
①キャリアコンサルタント養成講習を受講する
|
300,000円~500,000円 |
②国家資格キャリアコンサルタントを受験する
|
38,800円 |
③国家資格キャリアコンサルタントの名簿に登録する
|
17,000円 |
キャリアコンサルタントになるための費用①+②+③の合計 | 355,800円~555,800円 |
なお、専門実践教育訓練給付金を利用する場合は、2024年10月からキャリアコンサルタント養成講習受講料の最大80%が支給されます。各費用の詳細は、この後順番に紹介します。
キャリアコンサルタントになるには
そもそもキャリアコンサルタントになるには、まず国家資格キャリアコンサルタント試験を合格する必要があります。というのも、国家資格キャリアコンサルタントは「名称独占」という資格で、資格を持っていないと「キャリアコンサルタント」と名乗ることができません。試験に合格をし、登録をすることで初めて名乗ることができます。
国家資格キャリアコンサルタントの受験資格
国家資格キャリアコンサルタントの受験資格を得るには、次の1~3のいずれか1つに当てはまる必要があります。
キャリアコンサルタントの実務経験がなく、初めて学習される方は全員「1」になります。
1.厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
|
2.労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(※)を有する者
|
3.技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
|
受験資格の詳細は、こちらの記事で紹介しています。
未経験でも受験できる!国家資格キャリアコンサルタントの受験資格 | リカレントcounselor |
それでは、費用の詳細を見ていきます。
①キャリアコンサルタント養成講習を受講する費用
上で紹介した通り、未経験の方が国家資格キャリアコンサルタントを受験するには、厚生労働省が指定する「キャリアコンサルタント養成講習」の受講が必要です。
養成講習の受講料は講習やスクールにより異なりますが、30万円~50万円程度です。
キャリアコンサルタント養成講習の探し方
厚生労働省が指定するキャリアコンサルタント養成講習は、複数のスクールで行われています。探し方は様々ですが、厚生労働省Webサイトのキャリアコンサルタント講習検索サイトで一括検索ができます。
キャリアコンサルタント養成講習の違い
キャリアコンサルタント養成講習は150時間のカリキュラムと決められています。この150時間のうち、およそ半分が理論などを学ぶ「講義」、残りの半分が実践を学ぶ「演習」になります。この「講義」と「演習」それぞれで、講習やスクールによって学び方が異なります。
講義の学び方
「講義」の学び方は講習やスクールにより異なりますが、次の3つが中心となります。
-
テキストが郵送され、それを自身で読む形式
-
授業映像とテキストを使って学習をする形式
-
スクールの教室に通学もしくはオンラインで講師から直接指導を受ける形式
演習の学び方
「演習」では、コンサルティングやカウンセリングの練習を行うため、対面形式で授業が行われます。そのため、教室に通学をして学ぶか、オンラインで学ぶかの二択になります。
教室に通学をする場合は、スクールの雰囲気も重要です。落ち着いて学習ができるように、自分に合った環境のスクールを選びたいですね。
また、スクールが自宅から遠い場合は、オンラインでの学習も検討しましょう。オンラインでの学習は、通学の費用や時間を抑えられるのがメリットです。自宅が遠い方だけでなく、「子どもが小さい」「高齢の親がいる」などの理由で家を空けられない方にも向いています。
費用の違い
このように、「講義」と「演習」それぞれで学習方法は複数あり、それによって費用も異なります。例えば、「講義」の学習方法が「テキストを自身で読む形式」の講習は、比較的安い傾向があります。
また、スクールによりサポート制度なども異なります。学費だけではなく、サポート制度や教材、合格率などを総合的に判断して決めるのがお勧めです。このあと記載がありますが、試験には受験料がかかります。できるだけ一発合格ができるように、自身に合ったスクール選びが必要です。
専門実践教育訓練給付金について
また、専門実践教育訓練給付金という制度があります。対象になる方は、受講修了後に受講料の一部が支給されるため、費用を抑えることができます。
給付金については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【これで分かる】給付金を国家資格キャリアコンサルタントの学習で利用する方法 | リカレントcounselor |
②国家資格キャリアコンサルタント試験を受験する費用
養成講習を無事修了したら、いよいよ受験です。国家資格キャリアコンサルタント試験は学科試験と実技試験があり、それぞれ受験料がかかります。
受験料
試験区分 | 費用 |
学科試験 | 8,900円 |
実技試験 | 29,900円 |
受験料合計 | 38,800円 |
試験には科目合格があるため、片方合格をした場合は、それ以降は不合格の科目のみを受験できます。
③国家資格キャリアコンサルタントの名簿に登録する費用
試験に合格したら、国家資格キャリアコンサルタントの名簿に登録をします。
登録の費用
項目 | 費用 |
登録免許税 | 9,000円(収入印紙) |
登録手数料 | 8,000 円(非課税) |
登録費用合計 | 17,000円 |
登録は国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターのWebページから行います。
登録が完了すると、登録証が自宅に郵送されます。登録の申請から郵送まで2か月程度かかります。
ここまでが、キャリアコンサルタントになるためにかかる費用です。この後は補足として、国家資格キャリアコンサルタントの資格の維持について紹介します。
資格取得後の更新費用
国家資格キャリアコンサルタントの名簿に登録をしたら、5年ごとに更新を行います。更新をしない場合は資格が失効してしまうため、維持したい方は必ず更新を行いましょう。
更新講習とは
更新をするためには、厚生労働大臣に「更新講習」と指定された講習を受講します。5年の間で、知識講習8時間以上、技能講習30時間以上の受講が必要です。
5年が経過したら一気に受講するのではなく、5年の間に分散させて受講をすることができます。人気の講習はすぐに埋まってしまうこともあるため、計画的に、早めに受講を始めるのがお勧めです。
更新講習は厚生労働省のキャリアコンサルタント講習検索サイトで探すことができます。
更新講習の費用
更新講習は様々な団体が行っており、内容や費用は団体によって異なります。あくまでも目安となりますが、知識講習8時間と技能講習30時間で、およそ10万円~12万円程度で受講が可能です。
知識講習の費用
8時間で8,500円~35,000円の価格帯が多いようです。
技能講習の費用
講習数が多いため、6時間で15,000円、6時間で20,000円、8時間で26,000円など、1回の時間数や価格は多種多様です。あくまでも目安ですが、6時間で20,000円の講習を5回受講した場合は、次の通りとなります。
例)6時間20,000円の講習×5回=30時間100,000円
トータルで10万円程度で受講することができます。安い価格帯の講習を選択すれば、もう少し費用を抑えることも可能です。
更新講習の選び方
更新講習は、キャリアコンサルタントとしてのスキルを維持し、ブラッシュアップするためのものですので、ご自身に適した講習を選択しましょう。また、今後お仕事で関わりたい領域をテーマにした講習を受けてみるものお勧めです。せっかくの機会ですので、スキルアップの場として有効活用してください。
なお、キャリアコンサルティングの実務をされた方は、10時間以内に限り、技能講習の時間とみなすことも可能です。詳細は国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターをご参照ください。
更新をする
5年ごとの更新にかかる費用は、手数料の8,000円(非課税)になります。自動更新ではないため、申請をされない場合は更新されず、資格は失効となりますので忘れないようにしましょう。
ここまで、国家資格キャリアコンサルタントを取得する際の費用や、資格取得後の更新にかかる費用についてみてきました。
次の章では費用をかけてキャリコンになるメリットについて詳しく紹介します。
費用をかけてキャリコンになるメリット
資格取得から更新まで、キャリアコンサルタントになるには一定の費用がかかりますが、費用をかけてキャリアコンサルタントになるメリットも数多く存在します。
この章では、費用をかけてキャリコンになることの、具体的なメリットについてみていきましょう。
1.専門知識とスキルの習得
キャリアコンサルタントを目指す場合、厚生労働大臣認定の養成講習を修了することで受験資格を得ることができますが、養成講習を受講することで、キャリアコンサルタントとしての基礎を習得することが可能です。
キャリアコンサルタント養成講習の学習内容
キャリアコンサルタント養成講習では、以下のような専門知識とスキルを学習します。
-
キャリアコンサルティングの社会的意義
-
キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
-
キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
-
キャリアコンサルタントの倫理と行動
キャリアコンサルタントの専門知識には労働市場に関するもの、法律や制度に関する知識、メンタルヘルスについての内容など多岐にわたります。「キャリア」というすべての人の人生に関わる要素を凝縮して学び実践的なスキルを習得することで、キャリアコンサルタントとしての市場価値が大いに高まります。
専門実践教育訓練給付金が利用できる
キャリアコンサルタント養成講習の受講費用は、スクールやコースによって異なりますが、一般的には30万円〜50万円程度です。
一定の条件を満たすと、厚生労働大臣が認定する講習の受講費用の最大80%が給付金として支給されるため、費用面での心配がある場合でも、実質自己負担額を抑えることができます。
2.国家資格の信頼性と安心感
国家資格キャリアコンサルタントを取得することで、キャリアコンサルティングを行う際に、相談者から信頼されやすくなるというメリットがあります。また、キャリアコンサルタントとして仕事をする際に資格保持者しか就けない業務も存在します。
相談者の安心感にもつながる
国家資格であるキャリアコンサルタントという信頼性により、相談者は安心感を得ることができるでしょう。
信頼関係が築かれることで、より深い相談や長期的なサポートが可能となります。
費用をかけることで差別化が図れる
キャリアコンサルタントという信頼性の高い国家資格を取得することで、資格を取得していないキャリアアドバイザーなどとの差別化が図れます。
また、就職や転職活動の際にも有利に働き、自己のキャリアをさらに発展させる機会が増えるでしょう。
人事部や能力開発室といった職務についている方には仕事をする上で視野が広がったり、新たなポジションに就けたりといった利点が生まれることがあります。企業によっては積極的にキャリアコンサルタントの資格取得の支援を促すところもあるでしょう。
3. 職業の選択肢が広がる
キャリアコンサルタント資格を取得することで、職業選択の幅が飛躍的に広がります。
費用をかけることで開けるキャリアパス
国家資格を持つことで、選べる職業の幅が広がります。例えば、キャリアコンサルタント資格を持つことで、公的機関や企業内でのキャリアコンサルタント、教育機関での就職支援を行うキャリアカウンセラー、そしてフリーランスとしての活動など、多様なキャリアパスが開けます。
自分に合った働き方を選択できる
自分のライフスタイルや価値観に合った働き方が実現できます。例えば、副業やフリーランスとして働くことで、柔軟な働き方や仕事の内容を自由に選べるため、ワークライフバランスを重視したい方にも大きなメリットがあります。
最近は副業を推奨する企業も増えてきています。キャリアコンサルタントの副業としてはオンラインでの面談やチャットでの相談業務など、本業と並行してできる登録型の仕事などがあります。キャリアコンサルタントの資格を取得し、まずは副業から始めることで本業へのモチベーションが上がるなどの相乗効果も期待できます。
このように、国家資格キャリアコンサルタントの取得は、未経験からキャリアコンサルタントを目指す場合でも、長期的には大きなメリットがあるため、前向きに検討する価値があるといえるでしょう。
まとめ
ここでは、キャリアコンサルタントになるための費用と、その後の維持費の目安、費用をかけてキャリコンになるメリットについて紹介しました。
試験に一発合格したい、合格だけではなくキャリアコンサルタントとして活躍したい、などの目標に対して、それがより実現できそうな選択をしていきたいですね。
Q&A
【金額の内訳(目安)】
①キャリアコンサルタント養成講習の受講料 300,000円~500,000円
②国家資格キャリアコンサルタントの受験料 38,800円
③国家資格キャリアコンサルタントの名簿登録費用 17,000円
①+②+③=355,800円~555,800円
1. 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
2. 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(※)を有する者
3. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
初心者から短期間で
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