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【いくら必要?】キャリアコンサルタントになるための費用とは

【いくら必要?】キャリアコンサルタントになるための費用とは
監修元村 久美子(国家資格キャリアコンサルタント)

 
新しいことを始めるときは、費用がかかります。勢いで飛び込むのも一つですが、全体的にどの程度の費用がかかるのか、ざっくりとでも知っておきたいですよね。

「国家資格」と聞くと、かなりの費用がかかると思う方もいるかもしれません。感覚は様々ですが、ここでは客観的に、国家資格キャリアコンサルタントの資格取得や維持のために必要となる費用をまとめます。

キャリアコンサルタント資格取得までの総額

まずは、キャリアコンサルタントになるためにかかる全体の費用と内訳を紹介します。

キャリアコンサルタントになるための費用の総額は、355,800円~555,800円程度といえるでしょう。

金額の内訳はこちらです。
 

キャリアコンサルタントになる手順 費用
キャリアコンサルタント養成講習を受講する
300,000円~500,000円
国家資格キャリアコンサルタントを受験する
38,800円
国家資格キャリアコンサルタントの名簿に登録する
17,000円
総額 ①+②+③ 355,800円~555,800円

 

なお、専門実践教育訓練給付金を利用する場合は、キャリアコンサルタント養成講習の受講料の最大80%が支給されます。各費用の詳細は、この後順番に紹介します。

キャリアコンサルタントになるには

そもそもキャリアコンサルタントになるには、まず国家資格キャリアコンサルタント試験に合格する必要があります。というのも、国家資格キャリアコンサルタントは「名称独占」という資格で、資格を持っていないと「キャリアコンサルタント」と名乗ることができません。試験に合格をし、登録をすることで初めて名乗ることができます。
 

国家資格キャリアコンサルタントの受験資格

国家資格キャリアコンサルタントの受験資格を得るには、次の1~3のいずれか1つに当てはまる必要があります。

キャリアコンサルタントの実務経験がなく、初めて学習される方は全員「1」になります。
 

1.厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
2.労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(※)を有する者
3.技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者

 
 
受験資格の詳細は、こちらの記事で紹介しています。
 

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未経験でも受験できる!国家資格キャリアコンサルタントの受験資格

 
それでは、費用の詳細を見ていきます。

①キャリアコンサルタント養成講習の受講料

上で紹介した通り、未経験の方が国家資格キャリアコンサルタントを受験するには、厚生労働省が指定する「キャリアコンサルタント養成講習」の受講が必要です。

養成講習の受講料は講習やスクールにより異なりますが、30万円~50万円程度です。

キャリアコンサルタント養成講習の探し方

厚生労働省が指定するキャリアコンサルタント養成講習は、複数のスクールで行われています。探し方は様々ですが、厚生労働省Webサイト「キャリアコンサルタント講習検索サイト」で確認ができます。

キャリアコンサルタント養成講習の違い

キャリアコンサルタント養成講習のカリキュラムは150時間と決められています。この150時間のうち、およそ半分が理論などを学ぶ「講義」、残りの半分が実践を学ぶ「演習」になります。

キャリアコンサルタント養成講習150時間の内訳の図

この「講義」と「演習」それぞれの学び方は、スクールによって異なります。

講義の学び方

「講義」の学び方は講習やスクールにより異なりますが、次の3つが中心となります。

  1. テキストが郵送され、それを自身で読む形式

  2. 授業映像とテキストを使って学習をする形式

  3. スクールの教室に通学もしくはオンラインで講師から直接指導を受ける形式

「A」はテキストでの自習が中心のため、価格が低い傾向があり、次に映像のある「B」、次に講師から直接指導を受ける「C」の順に価格は高くなる傾向があります。

演習の学び方

「演習」では、コンサルティングやカウンセリングの練習を行うため、対面形式で授業が行われます。受講方法は、「教室に通学をして学ぶ」か、「オンラインで学ぶ」かの二択になります。

教室への通学は交通費がかかりますが、「教室に行くことで学習に集中できる」という点に大きなメリットを感じる人も多いでしょう。スクールの雰囲気も重要ですので、落ち着いて学習ができるように、自分に合った環境のスクールを選びたいですね。

オンラインは、交通費がかからないメリットがありますが、インターネットの通信費はかかりますので、ご自宅等のネット環境や契約内容を確認しましょう。オンラインは、自宅がスクールから遠い方だけでなく、「子どもが小さい」「高齢の親がいる」などの理由で家を空けられない方にも向いています。

スクールの選び方のポイント

このように、「講義」と「演習」それぞれで学習方法は複数あり、それによって費用も異なります。

学習方法だけではなく、スクールによって、サポート制度や教材も異なります。学費はもちろんのこと、スクールのサポート体制や合格率なども総合的に判断して決めるのがお勧めです。試験には受験料がかかりますので、できるだけ一発合格ができるように、自身に合ったスクール選びが必要です。

専門実践教育訓練給付金について

また、専門実践教育訓練給付金という制度があります。これは、厚生労働大臣が認定する講習を修了すると、学費の一部が支給されるという制度です。対象になる方は、受講修了以降に受講料の最大80%が支給されるため、費用を抑えることができます。
 
参考に、専門実践教育訓練給付金を利用し、リカレントの講座を受講した場合の金額はこちらです。
リカレントキャリアコンサルタント養成講座 専門実践給付金の支給額
 
給付金については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
 

あわせて読みたい

【これで分かる】給付金を国家資格キャリアコンサルタントの学習で利用する方法

 

②国家資格キャリアコンサルタント試験の受験料

養成講習を無事修了したら、いよいよ受験です。国家資格キャリアコンサルタント試験は学科試験と実技試験があり、それぞれ受験料がかかります。

受験料

試験区分 費用
学科試験 8,900円
実技試験 29,900円
受験料合計 38,800円

 
試験には科目合格があるため、片方合格をした場合は、それ以降は不合格の科目のみを受験できます。

③国家資格キャリアコンサルタントの登録料

試験に合格をしたら、国家資格キャリアコンサルタントの名簿に登録をしますが、その際に費用がかかります。

登録の費用

項目 費用
登録免許税 9,000円(収入印紙)
登録手数料 8,000 円(非課税)
登録費用合計 17,000円

 
登録は国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターのWebページから行います。登録が完了すると、登録証が自宅に郵送されます。

ここまでが、キャリアコンサルタントになるためにかかる費用です。この後は補足として、国家資格キャリアコンサルタントの資格の維持費について紹介します。

資格取得後の維持費・更新費用

国家資格キャリアコンサルタントの名簿に登録をしたら、5年ごとに更新を行います。更新には、更新講習の受講と更新手続きが必要です。更新をしない場合は資格が失効してしまうため、維持したい方は必ず更新を行いましょう。

更新講習とは

更新をするためには、厚生労働大臣に「更新講習」と指定された講習を受講します。5年の間で、知識講習8時間以上、技能講習30時間以上の受講が必要です。

キャリアコンサルタント更新講習の時間数の図

5年が経過したら一気に受講するのではなく、5年の間に分散させて受講をすることができます。人気の講習はすぐに埋まってしまうこともあるため、計画的に、早めに受講を始めるのがお勧めです。
更新講習は厚生労働省のキャリアコンサルタント講習検索サイトで探すことができます。

更新講習の費用

更新講習は様々な団体が行っており、内容や費用は団体によって異なります。あくまでも目安となりますが、知識講習8時間と技能講習30時間で、およそ10万円~12万円程度で受講が可能です。

知識講習の費用

8時間で8,500円~35,000円の価格帯が多いようです。

技能講習の費用

講習数が多いため、「6時間で15,000円」「6時間で20,000円」「8時間で26,000円」など、1回の時間数や価格は多種多様です。例として、6時間で20,000円の講習を5回受講した場合は、次の通りとなります。

例)6時間20,000円の講習を5回受講した場合
  20,000円×5回=100,000円(計30時間)

トータルで10万円程度で受講することができます。安い価格帯の講習を選択すれば、もう少し費用を抑えることも可能です。

更新講習の選び方

更新講習は、キャリアコンサルタントとしてのスキルを維持し、ブラッシュアップするためのものですので、ご自身に適した講習を選択しましょう。また、将来的に仕事で関わりたい領域をテーマにした講習を受けてみるものお勧めです。せっかくの機会ですので、スキルアップの場として有効活用してください。

なお、キャリアコンサルティングの実務をされた方は、10時間以内に限り、その実務の時間を技能講習の時間とみなすことも可能です。詳細は国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターをご参照ください。

更新にかかる費用

5年ごとの更新にかかる費用は、手数料の8,000円(非課税)になります。自動更新ではないため、申請をしない場合は更新されず、資格は失効となりますので忘れないようにしましょう。

ここまで、国家資格キャリアコンサルタントを取得する際の費用や、資格取得後の更新にかかる費用についてみてきました。

次の章では費用をかけてキャリアコンサルタントになるメリットについて詳しく紹介します。

キャリアコンサルタント上位レベルの資格取得にかかる費用

国家資格キャリアコンサルタントを取得し、さらにスキルアップ、キャリアアップを図りたい場合の選択肢として、「キャリアコンサルティング技能士」の資格取得が挙げられます。

キャリアコンサルティング技能士とは

キャリアコンサルティング技能士には2級と1級があます。2級は「熟練レベル」という位置づけで、幅広い相談者に対して的確な支援ができるレベルです。1級は「指導者レベル」で、相談者に対して2級よりも高い水準で的確な支援ができ、キャリアコンサルタントへの指導ができるレベルとなっています。それぞれ、受験資格に「実務経験」が含まれますので、国家資格キャリアコンサルタントを取得して実務経験を積んだ後に目指したい資格です。

キャリアコンサルティング技能士の受験料

キャリアコンサルティング技能士2級、1級の受験料をみていきましょう。
 

試験区分 学科受験料 実技受験料
2級 11,200円 29,900円
1級 11,200円 29,900円

 
キャリアコンサルティング技能士を受験するにあたり必須となる講習等はありませんので、かかる費用は基本的に受験料のみとなります。必要に応じて、試験対策講座を受講することも可能です。資格取得を目指す場合は、実務経験を積みながら情報収集をしておくとよいでしょう。

キャリアコンサルティング技能検定については、こちらの記事でも紹介しています。
 

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【何が違う?】国家資格キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士

 

費用をかけてキャリコンになるメリット

資格取得から更新まで、キャリアコンサルタントになるには一定の費用がかかりますが、費用をかけてキャリアコンサルタントになるメリットも数多く存在します。

1.専門知識とスキルを習得できる

キャリアコンサルタントを目指す場合、厚生労働大臣認定の養成講習を修了することで受験資格を得ることができますが、養成講習を受講することで、キャリアコンサルタントとしての基礎を習得することが可能です。

キャリアコンサルタント養成講習の学習内容

キャリアコンサルタント養成講習では、以下のような専門知識とスキルを学習します。

  • キャリアコンサルティングの社会的意義
  • キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
  • キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
  • キャリアコンサルタントの倫理と行動

キャリアコンサルタントの専門知識には労働市場に関するもの、法律や制度に関する知識、メンタルヘルスについての内容など多岐にわたります。「キャリア」というすべての人の人生に関わる要素を凝縮して学び実践的なスキルを習得することで、キャリアコンサルタントとしての市場価値が大いに高まります。

専門実践教育訓練給付金が利用できる

キャリアコンサルタント養成講習の受講費用は、スクールやコースによって異なりますが、一般的には30万円〜50万円程度です。

一定の条件を満たすと、厚生労働大臣が認定する講習の受講費用の最大80%が給付金として支給されるため、費用面での心配がある場合でも、実質自己負担額を抑えることができます。

2.国家資格の信頼性と安心感

国家資格キャリアコンサルタントを取得することで、キャリアコンサルティングを行う際に、相談者から信頼されやすくなるというメリットがあります。また、キャリアコンサルタントとして仕事をする際に資格保持者しか就けない業務も存在します。

相談者の安心感にもつながる

国家資格であるキャリアコンサルタントという信頼性により、相談者は安心感を得ることができるでしょう。

信頼関係が築かれることで、より深い相談や長期的なサポートが可能となります。

費用をかけることで差別化が図れる

キャリアコンサルタントという信頼性の高い国家資格を取得することで、資格を取得していないキャリアアドバイザーなどとの差別化が図れます。

また、就職や転職活動の際にも有利に働き、自己のキャリアをさらに発展させる機会が増えるでしょう。

人事部や能力開発室といった職務についている方には仕事をする上で視野が広がったり、新たなポジションに就けたりといった利点が生まれることがあります。企業によっては積極的にキャリアコンサルタントの資格取得の支援を促すところもあるでしょう。

3. 職業の選択肢が広がる

キャリアコンサルタント資格を取得することで、職業選択の幅が飛躍的に広がります。

費用をかけることで開けるキャリアパス

国家資格を持つことで、選べる職業の幅が広がります。例えば、キャリアコンサルタント資格を持つことで、公的機関や企業内でのキャリアコンサルタント、教育機関での就職支援を行うキャリアカウンセラー、そしてフリーランスとしての活動など、多様なキャリアパスが開けます。

自分に合った働き方を選択できる

自分のライフスタイルや価値観に合った働き方が実現できます。例えば、副業やフリーランスとして働くことで、柔軟な働き方や仕事の内容を自由に選べるため、ワークライフバランスを重視したい方にも大きなメリットがあります。

最近は副業を推奨する企業も増えてきています。キャリアコンサルタントの副業としてはオンラインでの面談やチャットでの相談業務など、本業と並行してできる登録型の仕事などがあります。キャリアコンサルタントの資格を取得し、まずは副業から始めることで本業へのモチベーションが上がるなどの相乗効果も期待できます。

このように、国家資格キャリアコンサルタントの取得は、未経験からキャリアコンサルタントを目指す場合でも、長期的には大きなメリットがあるため、前向きに検討する価値があるといえるでしょう。

まとめ

ここでは、キャリアコンサルタントになるための費用と、その後の維持費の目安、費用をかけてキャリコンになるメリットについて紹介しました。

試験に一発合格したい、合格だけではなくキャリアコンサルタントとして活躍したい、などの目標に対して、それがより実現できそうな選択をしていきたいですね。

Q&A

国家資格キャリアコンサルタントになるためにかかる費用は?
国家資格キャリアコンサルタントになるためにかかる費用は、355,800円~555,800円程度です。
【金額の内訳(目安)】
①キャリアコンサルタント養成講習の受講料 300,000円~500,000円
②国家資格キャリアコンサルタントの受験料 38,800円
③国家資格キャリアコンサルタントの名簿登録費用 17,000円
①+②+③=355,800円~555,800円
国家資格キャリアコンサルタント養成講習の費用の目安は?
講習により異なりますが、30万円~50万円程度になります。
国家資格キャリアコンサルタントの受験料は?
学科試験が8,900円、実技試験が29,900円、合計で38,800円です。科目合格があるため、どちらかが不合格だった場合は、次回は不合格だった科目のみ受験ができます。
国家資格キャリアコンサルタントの登録にかかる費用は?
登録免許税の9,000円(収入印紙)、登録手数料の8,000 円(非課税)、合計で17,000円です。

Information

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監修者

元村 久美子

国家資格キャリアコンサルタント

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてマスコミュニケーションに携わる。
その後フリーランスとして様々な分野で活動。
国家資格キャリアコンサルタントとしては企業内障害者ジョブ支援を経験後、 自治体事業の就労支援・プログラム講師等も担当している。

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