国家資格キャリアコンサルタントは5年ごとに更新が必要です。このページでは、「更新って何をするの？」「どのくらいの費用？」などの皆さまの疑問を解説します。

それでは順番に見ていきましょう。

国家資格キャリアコンサルタントは名簿の登録が必要

まずは前提の話ですが、国家資格キャリアコンサルタントは「登録制」の資格です。試験に合格をしたら、キャリアコンサルタント名簿に登録をし、そこで初めて「キャリアコンサルタント」と名乗ることができる、という資格です。

 

国家資格キャリアコンサルタントは5年ごとの更新が必要

キャリアコンサルタントの名簿に登録後、5年ごとに更新が必要です。

 

いつから5年？

キャリアコンサルタント名簿への登録が完了した日から5年です。名簿に登録をすると登録証が発行されます。その登録証に、「登録年月日」と「有効期限満了年月日」が書いてあり、そこで確認ができます。

更新手続きの期限は？

更新は、登録の有効期限満了の90日前から30日前までの間に申請が必要です。満了日のギリギリだと間に合いませんので、注意が必要です。

 

更新の方法は？

厚生労働省の指定を受けた、更新のための講習を「更新講習」と言います。「更新講習」を受講し、修了証を提出して申請をすることで更新ができます。

更新にかかる費用は？

更新費用は次の2つです。

1. 更新講習受講料

2. 更新手数料  8,000円

更新手数料は、更新手続きの時に必要です。

更新講習受講料の詳細は、この後の「更新講習の費用」の項目で紹介します。

更新しないとどうなる？

更新をしないと資格が「失効」します。

失効すると、名簿登録前の状態になりますので、「キャリアコンサルタント」と名乗ることはできません。ただし、失効後も38時間の更新講習を受講することで、名簿への新規登録ができます。

経過措置資格で名簿登録をされている方は、失効後、更新講習を受講しても新規登録はできませんので、詳細は、キャリアコンサルタントWebサイト登録センターのページをご確認ください。

更新講習

それでは、国家資格キャリアコンサルタントの更新講習について紹介します。

更新講習の目的

更新講習を実施する目的は以下とされています。

キャリアコンサルタントについて、試験合格時に確認した知識・技能を継続的な学習によりブラッシュアップしていることを制度として確保し、キャリアコンサルタントの資質を保証することによって、キャリアコンサルタントの活用を促進していくことを企図しているものです。

引用：厚生労働省Webサイト更新講習の受講について
 
このように、更新講習はキャリアコンサルタントとしてスキルを保持するためのものです。相談者のためはもちろん、キャリアコンサルタントの有効性を理解してもらい、より多くの場で活用してもらうためにも、スキルアップを図っていきたいですね。

更新講習の種類と時間数

更新講習には、知識の維持を図る「知識講習」と技能の維持を図る「技能講習」があります。更新のためには、知識講習は8時間以上、技能講習は30時間以上の受講が必要です。

ただし、更新講習の免除の制度もあります。免除については、このページの後半で紹介していますので参考にしてください。

更新講習〈知識講習〉の内容

知識講習は、内容に変更や改訂のある「労働法令」や「労働市場の実態等」を中心に、知識のブラッシュアップを目的としています。

厚生労働大臣の指定する知識講習は、次の内容がすべて含まれた8時間以上の講習です。そのため、1つの講習を受講すれば、知識講習8時間がクリアできるようになっています。
 

職業能力の開発の知識	８時間以上
人事管理及び労務管理の知識
労働市場の知識
労働関係法令及び社会保障制度の知識
学校教育制度及びキャリア教育の知識
メンタルヘルスの知識
その他キャリアコンサルティングを適正に実施するために 維持を図ることが必要な知識

 
学習方法は、通学、オンライン、映像学習など様々ですので、ご自身の都合に合わせて選択しましょう。

更新講習〈技能講習〉の内容

技能講習には様々な種類があり、自由に選択できます。現職に必要な分野、興味があり今後携わりたい分野、知識を補いたい分野などに特化した講習を選び、有意義な講習にしていきましょう。

厚生労働省のWebサイトでも、以下のように記載されています。

「ご自分に必要な技能を踏まえ、最も効果的な講習の組合せを念頭に、これらを計画的に受講することが期待されます。」

引用：厚生労働省Webサイト更新講習の受講について

更新講習の探し方

更新講習は、キャリアコンサルタント講習検索サイトから探せます。講習区分の欄で「知識（更新）」「技能（更新）」を選択します。

たくさんの講習がありますので、定期的にチェックをし、興味のある講習をピックアップしておくとスムーズです。

更新講習の費用〈知識講習〉

知識講習は8,500円～35,000円程度で、約16,000円が平均額です。また、会員価格を設定している学校もあります。

更新講習の費用〈技能講習〉

技能講習は、講習により内容や時間数、学び方が様々で、5時間で12,000円、6時間で20,000円、7時間で30,000円、8時間で20,000円など多種多様です。どれを受講するかにより変わりますが、30時間分を10万円前後で受講できます

5年の中でうまく分散させながら受講すると、時間や費用面での負担が楽になります。

更新講習の免除とは

特定のキャリアコンサルタントから指導を受けた時間や、実務を行った時間を、更新講習の技能講習を受けた時間とみなすこともできます。ただし、10時間以内に限られます。

また、技能検定キャリアコンサルティングの合格による更新講習の免除もあります。

更新講習の免除①

技能検定キャリアコンサルティング1級に合格をしているキャリアコンサルタントから、実務に関する指導を受けた時間を技能講習の時間に充てることができます。この「指導」は、「1対1」または「1対少人数」の形態で、対面か応答的方式によって行われる必要があります。

更新講習の免除②

キャリアコンサルティングの実務を行った時間を、技能講習の時間に充てることもできます。この場合の条件には、「相談者が労働者である」「相談内容が職業の選択等に関するものである」「1対1または少人数で行われた」などがあります。

更新講習の免除③

キャリアコンサルタント名簿に登録後、技能検定キャリアコンサルティング1級または2級に合格した方、または技能検定キャリアコンサルティング1級を持っている方は、以下の免除があります。
 

キャリアコンサルタント名簿に登録後、技能検定キャリアコンサルティング1級または2級に合格した方	→	合格後、5年以内に行う更新に必要な更新講習が免除
技能検定キャリアコンサルティング1級を持っている方	→	毎回の更新で、技能講習が免除

 
それぞれの免除となる条件の詳細は、キャリアコンサルティング協議会の国家資格Webサイト登録センターをご確認ください。

国家資格キャリアコンサルタントの更新の流れ

最後に、更新手続きの流れを説明します。

手続きの流れ

①マイページにログイン

マイページにログインします。

②情報を入力

登録されている個人情報等の確認や、受講した更新講習の情報を入力します。

③修了証のアップロード

更新講習を受講すると、スクールから修了証が発行されます。その修了証の画像データをアップロードします。画像サイズは2MB以内で、「png」「jpg」「pdf」いずれかのファイル形式のものを用意します。

修了証はスクールによって形式が異なり、紙、データ、メール文などがあります。どの場合も、データでのアップロードが必要です。

④更新手数料の支払い

更新手数料8,000円を支払います。支払方法は、VisaかMasterのクレジットカード決済かコンビニペーパーレス決済で、どちらにするかはマイページで選択します。

⑤受理・審査

登録センターで審査があり、メールで結果の案内がきます。審査には4週間程度かかります。審査完了で、有効期間満了年月日が5年延長されます。

⑥登録証が届

登録証の交付には4週間程度かかります。登録証が届いたら、名前や生年月日に間違いがないかを確認します。

免除申請をする方

「1級キャリアコンサルティング技能士による実技指導」や「実務従事」などで更新講習の免除申請をする方は、別途書類が必要になります。
各種書類のフォーマットや記入例などは、国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センターで確認ができます。

まとめ

国家資格キャリアコンサルタントは、5年ごとに更新があります。「キャリアコンサルタント」と名乗って活動をされている方は、更新期限に注意をして手続きを行う必要があります。

例えば、国家資格キャリアコンサルタントに合格をして名簿登録をしたけど、すぐにキャリアコンサルタントの業務を行わない方や、数年間は別の仕事をする方などは、更新をするか迷われると思います。

国家資格キャリアコンサルタントの試験に合格をしている方が失効をした場合、更新講習38時間を受講すれば、改めて新規登録をすることができます。

国家資格キャリアコンサルタントの合格は無駄になりませんので、安心していただければと思います。

しっかりと制度を理解し、ご自身にとって適切な資格維持を進めていただけるとうれしいです。