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キャリア - 2024.09.30更新 / 2023.04.19公開
セカンドキャリアとは? 定年後やキャリアアップに活かせる資格3選
平均寿命が80歳、健康寿命の平均が74歳を超えるようになった今、「セカンドキャリア」という言葉に注目が集まるようになりました。
セカンドキャリアは「人生における第二の職業」
「セカンドキャリア」という言葉は、「人生における第二の職業」を指す言葉です。もともとは、選手寿命が終わった後のスポーツ選手・現役を退いたスポーツ選手のための言葉でしたが、現在では広く一般的に使われるようになりました。
「セカンドキャリア」というキーワードで調べると、
-
定年後、一度退職をした後に働き続けること
-
現役時代に、新しいほかの仕事を意識すること
の2通りの意味が出てきます。
この2つは相互に関わり合う部分でもあるのですが、ある程度切り分けて考える視点が必要ですので、ここでは、この2つを分けた上で解説していきます。
まずは、「定年後のセカンドキャリア」からです。
「定年後としてのセカンドキャリア」の選択肢
定年後のセカンドキャリアは、「これまでの仕事の第一線を退いた後であっても、新しい活躍の場所を見つけること」という意味を持ちます。
60歳で定年退職をし、その後は年金生活でゆっくりとつつましく生活を送る、というのもひとつの選択肢ではありますが、現在では「現役時代に勤めていた会社を退いた後も、なんらかのかたちで働き続けること」を選ぶ方も増えています。
ここではまず、この「定年後のセカンドキャリア」を取り上げて、
-
定年後にセカンドキャリアを始めることのメリット
-
定年後のセカンドキャリアの選択肢
-
定年後のセカンドキャリアを形成するために大切なこと
を紹介していきます。
「定年後も働き続けること」によって得られるメリットがある
「健康寿命」とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを指ます。
厚生労働省が発表した2022年版厚生労働白書では、2001年と比較すると2019年では男性は3.28歳、女性は2.73歳も延びていることが分かります。
厚生労働省 2022年版厚生労働白書 図表2-1-1を加工して作成
このように、定年後も健康に問題なく過ごせる期間が延びたことで、セカンドキャリアにも注目が集まっています。
定年後にもセカンドキャリアを始めることには、いくつかのメリットがあります。
-
お金
-
生きがい
-
健康
それぞれみていきましょう。
お金
以前は、「定年退職後は、年金で悠々自適な生活を送る」と考える人が多かったと思います。
しかし、人によって多少の違いはありますが、現在の40代以降に支払われる年金額は決して多くはなく、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。そのため、「定年後も働き続ける」というのも選択肢の一つです。
定年後のセカンドキャリアで働く場合は、これまでの現役時代とは状況が異なることが多いです。たとえば、子どもは独立して子育ても落ち着き、家のローンもある程度支払い済みである。または、貯蓄が少ないため定年後も働く必要がある、など様々なケースがあるでしょう。
体力面などを考慮しながら、ある程度余裕をもって働く必要がありますが、「生活費の一部を補うために働く」「趣味の活動をするために働く」「子どもや孫に援助をしてあげたいので、必要な分だけ働く」という特定の目的を持った働き方ができるケースが多いのも、定年後のセカンドキャリアのメリットです。
生きがい
定年後のセカンドキャリアを考えた場合、もっとも大きいメリットとして挙げられるのは、「お金」よりもむしろ「生きがい」かもしれません。
「働くこと」は、大きな生きがいとやりがいをその人にもたらします。自分の力が人に必要とされているということで喜びを感じたり、自己承認欲求が満たされたりもするでしょう。
定年後に目標を失ってしまい、元気がなくなる、という人も多くいます。
しかしセカンドキャリアで人と関わることを選んだ場合、新たな目標ができたり、自分が必要とされているという実感を得られやすくなり、生活にハリを感じる機会が増えるでしょう。
定年後のセカンドキャリアは、人にやる気と生きがいをもたらしてくれるものでもあるのです。
健康
上記の「生きがい」とも少し関わることではありますが、定年後に働くことは「健康」にも大きな影響を与えます。
ハードすぎる仕事や精神的な負荷が大きすぎる仕事は、人の健康を害するものではありますが、穏やかな職場や適度な緊張は人の心にやりがいと健康をもたらします。
通勤のために早起きをする、朝食を食べるなどの規則正しい生活は体調を整え、駅まで歩くなどの行動習慣は体力の維持につながります。
どのような仕事であっても、完全に人との交流を断つことはできませんから、そこで人との交流も生まれるでしょう。
人と交流を持つことで認知症の予防になったり、単身者の場合は健康状態を気遣ってくれる人ができるというのもメリットといえるでしょう。
定年後のセカンドキャリアの選択肢、どれを選ぶ?
ここからは、定年後のセカンドキャリアの選択肢について考えていきましょう。
定年後のセカンドキャリアとしては、以下の3つが挙げられます。
自分のしたかったことや、入りたかった未経験分野に飛び込む…
「現職時代は自分の専門分野の仕事以外できなかったが、大きくお金を稼ぐ必要がなくなった時期であるからこそ、自分が本当にしたかったことや入りたかった業界に飛び込む」という選択肢です。
物事を始めるのに遅すぎるということはありませんし、生きがいややりがいをと考えるのであれば、この選択肢は非常に有用です。
今まで自分がしてきた仕事の経験と資格を活かす
今まで自分がしてきた仕事や持っている資格を活かして、仕事をしていく方法です。
経験を活かせるため安定感があり、収入にもつながりやすい選択肢です。
関係会社に就職する
自分が現役時代に働いていた会社と関係するグループ会社などに雇用され、セカンドキャリアを始めるのもひとつの方法です。
セカンドキャリア支援制度を導入している企業も増えていることから、未経験分野に飛び込むなどの方法よりも比較的安心感があり、一定の給与を確保できるという特徴があります。
キャリアアップとしての「セカンドキャリア」を考える
現役時代における「セカンドキャリア」には、
-
キャリアアップ
-
新しい職場や仕事を志すこと
-
今とは異なる働き方を選ぶこと
などの意味が含まれます。
ここではこの「現役時代におけるセカンドキャリア」について解説していきます。
なぜ「現役時代のセカンドキャリア」が注目されるようになったのか?
現役時代のセカンドキャリアに注目が集まるようになった理由として、「平均寿命が非常に延びた」「多様な生き方が許容されるようになった」という背景があります。
平均寿命が延びたことで、「定年後のセカンドキャリア」をも意識した「現役時代のセカンドキャリア」を考える必要が出てきましたし、多様な働き方が認められていくなかでより自分に合った働き方を模索するために現役時代のセカンドキャリアが注視されるようになりました。
そして今後も、この傾向は続いていくと予想されます。
年代別、求められる要素
現役時代のセカンドキャリアを考える場合は、「年齢別に求められる要素」が異なることを意識しておくべきでしょう。
30代で資格の取得、実績の蓄積、学ぶ方向性を定める
30代の場合は、まず自分自身の能力を高めるために動くことが求められます。
自分の本業の資格を取得するために動いたり、結婚や子育てなどのライフイベント、独立、定年を見据えた仕事の資格を取得したり……といったことが挙げられます。
また40代に入れば「今までの社会人生活でどのような実績を積んだか」が問われるような場面も増えてきますので、30代のうちに実績を積んでおくことによって大きな武器となるでしょう。
30代は社会人としては若手ですが、20年~30年ほどで引退の時期を迎えます。そのためこの時点で、「自分が進むべき方向性」を定めて、きちんと戦略を練ることが求められます。
40代はマネジメント能力の獲得、個から集団へ
40代に入ると、「自分自身だけのこと」を考えているだけでは力不足だと判断されることが多くなります。
この年代になると、マネジメント能力も求められるようになります。そのため、部下と交流しつつ、彼らのパフォーマンスが最大限生かせるようなコミュニケーション力やマネジメントスキルを磨く必要が出てきます。
50代では残り10年を意識する。現役時代だからこそできる決断を
50代に入ると、「残り10年」を意識して動くことが増えてきます。この段階では、「定年後にどのように動くか」を明確に定め、人的ネットワークの確保や資金計画なども練っておいた方がよいでしょう。
また、ひとつの会社でキャリアアップをしていくことを目指したり、異業種に活躍の場所を移すことを視野に入れているのであれば、「柔軟性」「適応力」「すなおさ」が求められることも押さえておきましょう。
「今後求められるスキルは何か」を意識することも重要
セカンドキャリアを考えるのであれば、「今後求められるスキルは何か」「そのスキルを学ぶためにはどうしたらいいのか」を意識することも重要になってきます。
また、セカンドキャリアを意識して勉強していくなかで、キャリアの重要性を感じ、キャリアの支援に関心を持つケースもあり、「セカンドキャリア」としてキャリアコンサルタントの道を選ぶ人も増えています。
キャリアを考える上で重要になってくるのが「キャリアプラン」です。「キャリアプラン」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
キャリアプランが思いつかない時の考え方と立て方をわかりやすく解説 | リカレントcounselor |
「セカンドキャリア」に活かせる資格おすすめ3選
現役時代の土壌づくりは、引退後の「セカンドキャリア」をより充実させるために、ますます重要になっています。
中でも、資格を取得することはセカンドキャリアにおいて大きな武器となります。資格を持つことで、キャリアの選択肢が広がるのです。
この章では、セカンドキャリアに活かせるおすすめの資格を紹介します。
-
宅地建物取引士
-
ファイナンシャル・プランナー
-
国家資格キャリアコンサルタント
順番に見ていきましょう。
1. 宅地建物取引士
「宅地建物取引士」は、不動産業界で必須とされる資格であり、特にセカンドキャリアにおいても非常に高い需要があります。
また、現役時代に営業経験がある場合は、そのスキルを十分に活かせるでしょう。お客様とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築く力や、交渉力が不動産取引の場面で非常に役立ちます。
さらに、不動産業界は景気に左右されにくく、需要が常にある分野です。高齢化社会の波を受け、不動産の相続や老後の住まい選びなど、多様なニーズに応じた専門知識が求められるため、資格取得はキャリアの幅を広げるでしょう。
2. ファイナンシャル・プランナー
「ファイナンシャル・プランナー(FP)」は、個人の資産管理やライフプラン設計をサポートする資格であり、特に定年後や老後の資産運用に対する関心が高まる中で、その重要性はますます増しています。
FPは、金融、保険、税金、投資、不動産といった幅広い知識を持ち、お客様の人生の様々な局面で的確なアドバイスを提供します。
ファイナンシャル・プランナーはオンラインでの活動も拡大しており、リモートワークが可能なケースもありますので、セカンドキャリアでも対応できる柔軟性があります。
3.国家資格キャリアコンサルタント
セカンドキャリアに活かせる資格として、キャリアコンサルタントがあります。
自身のキャリアについて悩んだ時や、キャリアに関する相談でキャリアコンサルティングを利用したという方も多いのではないでしょうか。
キャリアを相談する側から、キャリアをサポートする側であるキャリアコンサルタントの資格取得に挑戦することで、セカンドキャリアで活躍できる領域にも広がりが期待できます。
また、キャリアコンサルタントは未経験からでも挑戦できるという点が大きな魅力です。キャリアコンサルタントの資格取得は、特定の業界や職種の経験がなくても、誰でも一から学び、専門的なスキルを身に付けることが可能です。
年代を問わず挑戦できる「キャリアコンサルタント」
働き方の多様化や職業人生の長期化に伴い、キャリアコンサルタントの重要性がますます高まっています。個々のキャリアパスが複雑化する現代において、キャリアコンサルタントは、働く人々が適切なキャリア選択を行い、人生全体を通じて成長できるようサポートする重要な役割を果たしています。
また、キャリアコンサルタント登録者の活動状況を年齢別に見ると、50代が最も多く、次いで60代となっていることからも、セカンドキャリアとして挑戦しやすい資格であるといえます。
キャリアコンサルタントと年齢について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
キャリアコンサルタントに年齢は関係ない? | リカレントcounselor |
まとめ
日本の平均寿命が延び、「100年時代」と言われるようになった今、セカンドキャリアを意識する機会が増えました。
「定年後の自分はどのように働きたいのか」「現職時代はどのように考え、どのようにキャリアアップしていくか」を意識した上で、セカンドキャリアについて考えていきましょう。
なおセカンドキャリアは、「引退する前かどうか」「今の年齢はいくつくらいか」によっても取り組み方が異なります。その時の自分と向き合いキャリアを考えていきたいですね。
Q&A
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