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キャリア - 2024.09.27更新 / 2023.03.28公開

SWOT分析とは?自己分析やキャリアプランに役立つ方法を徹底解説

近年ビジネスの分野で活用されているSWOT分析が、就職活動や転職活動のための自己分析ツールとして使用されています。

そこで今回の記事では、SWOT分析の特徴と自己分析への応用の仕方を紹介します。

SWOT分析とは

「SWOT」は、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字を取った言葉です。

SWOT分析は、経営戦略などを立てるときに会社の現状を分析するために使われるツールで、主にマーケティングなどのビジネスの場で使用されています。

SWOT分析の4つの要素

SWOT分析は、以下の図のように、「強み」「弱み」「機会(チャンス)」「脅威(リスク)」の4つの要素に分けて行います。

SWOT分析の解説図

 
例えば、企業が新しいサービスを展開する場合では以下のようになるでしょう。

プラス要因 マイナス要因
内部環境 強み
自社の長所や特徴
弱み
自社の弱点や短所
ex)独自の技術がある ex)会社の知名度が低い
外部環境 機会(チャンス)
企業のコントロール外にあるチャンスとなる環境や状況
脅威(リスク)
企業のコントロール外にあるリスクとなる環境や状況
ex)競合他社が少ない ex)物価高沸

 

SWOT分析が自己分析やキャリアプランで活用される理由

SWOT分析は、ビジネスの場以外にも、自己分析やキャリアプランの作成にも応用できます。会社の現状を分析するのと同様に、自分自身の現状を分析していきます。

客観的な分析ができる

SWOT分析を活用することで、自分の長所や短所、得意なことや苦手なことを明確にし、社会の状況が自分にどう影響するのか、どう対応すればいいのかを客観的に分析できます。

偏った視点ではなく複合的な視点から具体的な目標が立てられるので、自己分析やキャリアプランの検討の際に使用されているのです。

SWOT分析で自己分析をする場合、以下のようになります。

SWOT分析の横軸:内部環境と外部環境

プラス要因 マイナス要因
内部環境 強み
自分の長所や得意分野
弱み
自分の短所や苦手分野
ex)対面での営業経験がある ex)単純作業が苦手
外部環境 機会(チャンス)
自分にとってチャンスとなる環境や状況
脅威(リスク)
自分にとってリスクとなる環境や状況
ex)デジタル社会 ex)テレワークの普及

 
横軸と縦軸についても確認をしておきます。

SWOT分析の縦軸:プラス要因とマイナス要因

SWOT分析の横軸のひとつ「内部環境」は、自分自身の特徴のことで、「強み」と「弱み」に分けられます。具体的には、自分の長所や短所、得意・不得意、身に付けたスキルなどになります。

一方「外部環境」は、自分ではコントロールできない、市場の変化や政治・経済による影響などを指し、「機会(チャンス)」と「脅威(リスク)」に分けられます。

SWOT分析を自己分析に活かす方法

SWOT分析の縦軸のひとつである「プラス要因」は、強みや機会(チャンス)といったポジティブな要素を指します。

一方で「マイナス要因」は、弱みや脅威(リスク)といったネガティブな要素になります。

それでは、SWOT分析を自己分析に活かす方法を紹介していきます。

「強み」を知る

「強み」は自分の長所や得意分野です。キャリアの方向性を考えるうえでは、強みを明確化することは大切です。

具体的には以下のとおりです。
 

  1. 人と話すのが好き

  2. 営業の経験がある

  3. 留学をしたことがあり、語学が得意

 
強みは性格的な面だけでなく、仕事や経験で得た知見やスキルなども含まれます。

「自分の強みがわからない」という人は、友人や知人・家族など身近にいる人に自分のことについて聞いてみましょう。身近な人の客観的な意見を取り入れることで、自分だけではわからなかった性格や特性がわかります。

また、うまくいったことや楽しかったことなど、過去の思い出や経験のように書きやすいものから書き出していくのもひとつです。

「弱み」を知る

弱みとは、自分の短所や苦手なことです。
 

  1. ネガティブになりやすい

  2. 他人に頼るのが苦手

  3. 新卒で入社した会社を数か月で退職してしまった

 
弱みについても性格と仕事や経験の両面から考えていきましょう。

機会(チャンス)になり得る要因を考える

 

  1. IT人材が不足している

  2. IT業界の成長が著しい

  3. リモートワークが普及している

 
自分のキャリアプランにおけるチャンスとなる環境や状況を考えていきます。

たとえばエンジニアやプログラマーのような、IT技術職を目指している方のチャンスとなる要因は以下が挙げられるでしょう。

脅威(リスク)になる要因を考える

キャリアプランを実現するための妨げになりそうな不安要素をピックアップしています。

IT技術職の例では、以下が挙げられます。
 

  1. AIの普及によってIT人材の必要性がなくなるのではないか

  2. 市場が激化しエンジニアの応募者が増えるのではないか

  3. 終身雇用の崩壊により正規採用の人数が減るのではないか

 

あわせて読みたい
【あなたはどのタイプ?】キャリア・アンカーを知って自分らしく生きる | リカレントcounselor

 

【SWOT分析を応用】クロス分析で具体的に自己分析をする方法

SWOT分析で明確にした要素を組み合わせることで、具体的な経営戦略や事業分析ができるクロス分析という方法があります。これも同様に、自己分析に応用でき、より具体的なキャリアプランを立てるのに役立つでしょう。

クロス分析は以下の4つの要素で表せます。
クロス分析の解説図
1つずつ詳しくみていきましょう。

強み×機会

強みを機会と組み合わせていきます。

たとえば、強みに「人前で話すのが好き」があり、「新入社員の研修に向けて、スピーチする人を各部署で募っている」という環境があるとします。

強み:人前で話すのが好き
機会:新入社員の研修に向けて、スピーチする人を各部署で募っている

強みと機会を組み合わせることで「スピーチ担当に立候補をし、部下育成や研修講師の経験を積む」といった得意を活かしたアクションが具体的になります。

強み×脅威

強み×脅威を考えることで、自分の強みを活かして社会の変化や問題に素早く対応できるようになります。

「物価高騰」という社会情勢があるときに「ITのスキルがある」という強みがあるとしましょう。

強み:ITのスキルがある
脅威:物価高騰

強み×脅威を考えることで「ITのスキルをベースに成長業界であるAIについて勉強をし、所得アップを目指す」といった社会情勢に対して強みを活かした対策ができます。

自分ではコントロールできない外的な要因があっても、具体的な行動プランが明確になるのです。

弱み×機会

弱み×機会を知ることで、貴重なチャンスがあっても弱みが働いて行動できなくなるといった状態を回避できます。

たとえば「新規事業を開始する」という社内の機会があるのに対して、「物事を始めるときに深く考えすぎてしまう」という弱みがあるとします。

弱み:物事を始めるときに深く考えすぎてしまう
機会:新規事業を開始する

「物事を始めるときに深く考えすぎてしまう」という弱みが働きすぎると、新規事業に関わりたくても、そのチャンスを逃してしまうでしょう。

しかし弱み×機会を明確にしておけば、「新規事業に取り組みたい旨を上司に伝えておく」「自分に出来ることがないかを上司や同僚に相談する」などの行動が考えられるでしょう。

「深く考えすぎてしまう」という弱みを「計画的に物事を進めるための準備ができる」という強みに転換して考えるのもよいでしょう。

弱み×脅威

弱み×脅威を分析しておくことで、脅威(リスク)が起きた際に自分の弱みが作用しないように対策することができます。

勤めている企業が「早期退職を促している」という事態に「変化に対応するのが苦手」という弱みがあるとしましょう。

弱み:変化に対応するのが苦手
脅威:企業が早期退職を促している

弱み×脅威が明確であれば、「今の会社に留まることと退職することのメリットデメリットを確認する」「同業他社に転職を検討する」などの、変化を最小限に抑えることを考えることになります。

リスクに対して事前に対策を決めておけるので、落ち着いた対応ができるでしょう。

SWOT分析は「振り返り」を意味する「リフレクション」を行う際のフレームワークとしても有効です。「リフレクション」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
「リフレクション」をサクっと解説! 進め方やポイントとは? | リカレントcounselor

 

まとめ

SWOT分析は企業のマーケティング分析に使用されるツールですが、自己分析にも役立ちます。また、SWOT分析を応用したクロス分析をすることで、具体的なアクションプランを考えることもできます。

理想のキャリアプランに近づくためにも、今回の内容をぜひ参考にしてください。

Q&A

SWOT分析とは何ですか?
「SWOT」は、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字を取った言葉です。「SWOT分析」は、主にマーケティングなどのビジネスの場で、会社の現状分析のために使用されています。また、これは「自己分析」にも応用でき、自身の強み、弱み、機会、脅威を明確にして、今後のアクションプランに繋げることができます。
SWOT分析をしても自己分析やキャリアプランが思いつかないときはどうしたらいいでしょうか?
周りの人に聞いてみるのがおすすめです。自分の強みや弱みは他人のほうがよく見えていることがあるからです。相談できる相手がいない場合は、キャリアアドバイザーに相談してみるのもいいでしょう。
SWOT分析を活用している組織はあるのでしょうか?
さまざまな企業で実践しています。公務員のような官公庁でも行われています。
SWOT分析をキャリアプランに応用するメリットは何ですか?
SWOT分析をキャリアプランに応用することで、複数の視点で客観的に考えることができます。自分の長所や短所といった内側と、業界の動向や社会の変化など外側の状況を加味してキャリアプランが作成できます。

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