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キャリア - 2024.09.27更新 / 2023.06.23公開

【ワークライフバランスとは】似た言葉との違いやメリット・デメリットを解説

「ワークライフバランス」という言葉は、多くの人が耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。

このページでは、そもそもワークライフバランスとは何かから、近年新しく出てきたワークライフバランスと似た言葉との違いについて紹介していきます。

ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは、「仕事と私生活の調和、またその調和がとれている状況」を指す言葉です。

このワークライフバランスという言葉の歴史は1980年代の後半から始まったといわれています。

ワークライフバランスの発祥はアメリカであり、当時は「子育てと仕事の両立を考える女性のためのもの、またそのための支援」を意味する言葉でした。

しかしやがてこの言葉はより広い範囲の人を対象とするようになり、現在では未婚・既婚、性別問わずに使われる言葉となっています。

ワークライフバランスと似た言葉

ワークライフバランスは比較的歴史のある言葉ですが、現在はこれと関わりのある言葉も多く提唱されるようになりました。

たとえば、「ワークライフインテグレーション」「ワークライフマネジメント」「ワークアズライフ」などです。それぞれの特徴と、ワークライフバランスとの違いについて解説します。

ワークライフインテグレーションとの違い

ワークライフインテグレーションとは、「仕事とプライベートを一緒にして考えて、この2つをともに充実させていこう」とする考え方です。

このワークライフインテグレーションとワークライフバランスは、両方とも「仕事とプライベートの両方を考える」という点では共通しています。

ワークライフバランスの方は「仕事とプライベートの間に明確な線を引いて、それぞれのバランスを取ろうとすること」を目的とするのに対して、ワークライフインテグレーションは「この2つの間に明確な線引きをせずに、両方を統合して『自分の人生である』と考えてより高い充実感を得ること」を目的とした考え方だといえます。

コロナ禍で身近になった取り組み

ワークライフインテグレーションはワークライフバランスに比べてやや新しい考え方です。しかしその歴史は浅いものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による働き方の変化などを踏まえて、多くの企業に注目されるようになった考え方でもあります。

なお、ワークライフインテグレーションの代表的な取り組みとして、コロナ禍でよく行われていた「フレックスタイム制」「リモートワーク」などが挙げられます。また、ワーケーションなども、ワークライフインテグレーションの代表例としてよく取り上げられます。

ワークライフマネジメントとの違い

「ワークライフマネジメント」とは、「一人ひとりが、個々のペースに合わせて、仕事と私生活のバランスを調整すること」をいいます。

「仕事と私生活のバランスを調整すること」という主目的において、ワークライフバランスとワークライフマネジメントは一致しているといえます。しかしワークライフマネジメントの場合は、「一人ひとりの個人が」自ら自発的に、仕事と私生活のバランスを考えて調整していくという特徴を持っています。

対してワークライフバランスの場合は、たしかに個々人での調整も必要とするものの、「企業側もそのための尽力をする必要がある」として、企業側にも努力を求めます。

つまり、ワークライフマネジメントとワークライフバランスの間では、「だれが行うか」が大きな違いとなるのです。

バランス調整には企業側の呼びかけも重要

ワークライフマネジメントであっても、実際には企業側の尽力は必要です。

たとえば一社員が、「私はワークライフマネジメントを考えるので、許可も何も得ていませんが、今日からリモートワークにします」と断言したとしても、当然企業側は困惑するでしょう。

場合によっては仕事自体が立ち行かなくなるかもしれません。

実際には、ワークライフマネジメントという言葉は、「これを重要視する企業側が社員に呼び掛けることで、社員一人ひとりが当事者意識を持ち自分の働きやすい環境を提案してもらうことを可能にするもの」といった意味で使われるケースが多いといえます。

ワークアズライフとの違い

「ワークアズライフ」とは、「仕事と私生活を区別せず、全体で人生を充実させていく」という考え方です。

ワークライフバランスとの違いとしては、ワークライフインテグレーション同様、「仕事と私生活の間に明確に線を引くかどうか」が挙げられます。ワークライフバランスの場合は仕事と私生活を分けて考えますが、ワークアズライフの場合はこれを明確に分けることはしません。

仕事とプライベートを切り分けない考え方

なお、ワークライフインテグレーションとワークアズライフは「仕事と私生活を分けない」という点では一致しています。

しかし、ワークライフインテグレーションは、仕事と私生活を分けないものの、「仕事と私生活の両方の充実を図る」と考えるため、「仕事」と「私生活」というものが存在しています。

一方でワークアズライフの場合は、切り分けるというよりは仕事もプライベートも地続きである、どちらもが人生の一部であるという考え方です。

 

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ワークライフバランスを考えるメリットとは

ワークライフバランスを考えることは、個人側にとっても企業側にとってもメリットがあります。

ワークライフバランスを意識することのメリットを、「個人側」「企業側」に分けて解説していきます。

【個人】心身の充実が図れる

ワークライフバランスを考えることで、心身の充実が図れるようになります。仕事のためにプライベートを犠牲にし続ける生活はやがて心身を消耗させますし、逆にプライベートのみに重きを置いた場合は、経済的な困窮や仕事のモチベーションを見失うことにつながりかねません。

ワークライフバランスの考え方を取り入れることで、このようなリスクを下げることができます。

【個人】「燃え尽き症候群」に陥る可能性を軽減できる

仕事に精力を注ぎ、仕事を一生懸命することは決して批判されるべきことではありません。仕事は「嫌なもの」と捉えられがちですが、実は個々人の生きがいややりがいにもなるものだからです。

ただ、仕事にだけに打ち込み、プライベートをおろそかにする生活を続けていると、いわゆる「燃え尽き症候群」に陥る可能性が高くなります。仕事に打ち込んでいる時期だからこそ、プライベートに目を向けてワークライフバランスを考えることで、長期的な活躍が可能となるのです。

【会社側】スキル・経験のある従業員の離職防止

ワークライフバランスを考えることは、会社側にとってもメリットがあります。そのうちのひとつとして、「スキル・経験のある従業員の離脱防止」というものがあります。

ひとつの会社や業界で長く勤務をしてきた従業員は、それぞれにスキルや経験を持っています。そのようなスキル・技術を持つ人が、家庭の事情で退職となれば、会社側にも影響が出てきます。

しかし「リモートワークで対応できる」「フレックス制度を使えば働き続けられる」と提案することで、離職を防止することにつながります。

【会社側】企業イメージがアップし、優秀な人材を確保しやすくなる

「会社に忠義を尽くして働く」という考えが良いとされていた時代はすでに終わりを迎えており、従業員もまた個人の幸福のために働くことが浸透しつつあります。

このような現在において、「ワークライフバランスや従業員の幸福とプライベートを考え、具体的な取り組みをしている企業」に対しては、非常に良い印象を抱くでしょう。特にBtoCの企業であれば、この傾向は顕著です。

また、就職先を探している新卒者や転職者も、それぞれの企業の取り組みを見ています。優秀な人材であり、就職先を選べる立場にある人ならば当然、「自分を大切にしてくれる会社」を選択するでしょう。そのようなときに、「ワークライフバランスを考えた企業であること」を打ち出せることは、非常に大きな強みとなります。

 

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まとめ

「ワークライフバランス」という考え方は、個人にとっても企業にとってもメリットがあるものです。また比較的歴史のある考え方であるため、国外はもとより、国内でもよく親しまれている考え方でもあります。「仕事とプライベートの両方を考えて、調整しつつ働いていく」とするワークライフバランスの概念は、未婚・既婚、性別を問わず、非常に重要なものだといえます。

なお、キャリアコンサルタントは、ワークライフバランスに関連した悩みの支援も行います。現在の自分の仕事のワークライフバランスに悩んでいる人はキャリアコンサルタントに相談すると効果的ですし、またキャリアコンサルタントもこれを意識したアドバイスをしていく必要があります。

Q&A

ワークライフバランスとは何ですか?
ワークライフバランスとは、「仕事と私生活の調和、またその調和がとれている状況」を指す言葉です。
ワークライフインテグレーションとは何ですか?
ワークライフインテグレーションとは、「仕事とプライベートを一緒にして考えて、この2つをともに充実させていこう」とする考え方です。
ワークライフバランスの個人のメリットは?
心身の充実が図れるようになります。仕事のためにプライベートを犠牲にし続ける生活はやがて心身を消耗させます。バランスをとることで、このリスクを避けることができるでしょう。
ワークライフバランスの企業のメリットは?
従業員の離脱を防げる、というメリットが挙げられます。例えば、社員から「仕事と子育ての両立が難しい」という相談があったとします。その際に、企業側のワークライフバランスへの意識が高く、「時短勤務」「リモートワーク」を取り入れていて、従業員に周知を進めていれば、「退職」ではなく「働き方の切り替え」という選択をすることができ、従業員と企業間でより良い対応ができるでしょう。

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