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INTERVIEW. 02

社員が気軽に相談できる仕組みをつくりたい

伊藤 望夏さん

前職:食品メーカー技術職
現在:(株)ウェザーニュース人事部


リカレントでメンタルヘルスを学ぶことに決めたのは、食品メーカーの技術職だった時。製造ラインや品質の分析など、「ものづくり」の仕事を担当していました。
上司や同僚など周囲の環境はよく、仕事も好きで恵まれていたのですが、働き始めて2年目くらいから、自分は何のために働いているのか、ぼんやりしてきたんです。
このモヤモヤとした気持ちを抱えるのが限界になった時に、職場のメンターの方に思い切って相談したのです。自分の思いを声に出してはじめて、自分が何に悩んでいるのかわかり、心が軽くなる感覚を得られました。この経験が転機となり、社内にこのような組織や仕組みがあるといいのではないかと考え、リカレントでメンタルヘルスやEAPを学ぶことにしました。

「一人ひとりの従業員がリフレッシュできて、部署間のつながりも増えていくようなイベントも企画しています」

リカレントで講義の授業を受け、カウンセリングのロールプレイングを行う中で、自分の幅が広がったというか、自分自身への理解がすごく深まりました。人に話を聴いてもらうことで、こんなにも自分を捉えなおすことができるんだって思いました。またカウンセラーになるための練習だけではなく、クライエントとしても学べる時間になったのは私の財産となりました。

EMCA総会の後の懇親会でのひとコマ。様々なバックボーンを持つ方とつながりを持てるのも嬉しい。

私がリカレントで学ぼうと行動を起こしたのは、従業員がモヤモヤを抱えた時に、話を聴くシステムが社内にあったらと思いついたからです。でも、当時の技術職という仕事の延長では、その思いは活かしづらいと考え、転職を決心。募集要項に記されていた「人事制度の設計」に魅力を感じ、㈱ウェザーニュースの人事部に入社しました。そして今、衛生委員として相談業務を請け負いながら、人と身体の健康を守ることを目的とした組織を運営する内部EAPとしての活動も行っています。

私達はこの組織を「Pit in Spot」と呼んでいます。F1でいう「ピットイン」です。「ちょっと相談してみよう」「ちょっと休職しよう」というのを「ちょっとPit in Spotに入ろうか」的な言い方をします。言い換えることで、相談や休職のネガティブ色が薄まる感じが気に入っています。

それでも、実際に従業員が「助けてほしい」「相談したい」と思ってから行動に移すまでのハードルはまだまだ高いなと思います。社員にリフレッシュしてもらうためのイベントを企画するなど、存在を身近に感じて活用してもらうための努力は惜しまず続けています。
「Pit in Spot」に来た元気のない従業員が、話を聴くことで、顔に明るさが戻ってくる瞬間に初めて立ち合えた夜は、嬉しくて自宅でこっそり泣きました(笑)。「相談してよかった」という言葉をいってもらうとこの仕事を選んでよかったと心から思います。これからの目標は、社内のEAPとして会社を内側からもっと元気にすること。健康経営を支えながら経営課題もしっかり解決できるEAPを目指しています。

価値観の多様化への対応が求められる今、日本の企業はマネージャーの負荷が非常に高いと思います。私達がマネージャーと部下の間に入って潤滑油的な存在になり会社の内側から組織を元気にしていくのが目標です。