特集 Feature

リカレントの講師は全員、
業界の第一線活躍しているスペシャリストです。
そんな講師の方々にリアルなお仕事現場の話や今後の展望などをインタビューしました。

専業主婦からキャリアカウンセラーへ転身。開催したセミナーや担当した研修は1200回以上。 一人ひとりの『私らしく』を応援したい。

工藤先生が企画して開催しているセミナーでの講演。

前職では化粧品会社で営業を行っていたという工藤倫子先生。その後、専業主婦を経て初心者からキャリアカウンセラーへ転身。キャリア支援を行うようになって今年で15年目、リカレントで講師をするようになって9年目を迎えています。工藤先生は日本におけるキャリア支援の先駆け的な存在でもあります。
そんな工藤先生はとてもアクティブ。女性や学生のキャリア支援を軸に、日本各地だけではなく、カリフォルニアやシンガポール、ドバイ、ジャカルタなど海外も含め、1200回以上ものキャリアのセミナーを行っています。
今回は工藤先生とキャリア支援との出会いやキャリアカウンセラーとしてたくさんのセミナーを開催していく秘訣なども教えていただきました。

キャリア支援をスタートしたのが15年前
『ジョブカフェあおもり』の立ち上げメンバーに

-工藤先生はキャリア支援をスタートして、今年で15年目ということで、日本でも先駆け的な存在でもありますが、スタート当時はまだキャリア支援という言葉が一般的ではなかった頃かと思います。そんな時にキャリアの世界に足を踏み入れることになったきっかけは何ですか?

「当時、私は青森に住んでいたのですが、離婚後に何か仕事を始めなければならないとなった時、『ジョブカフェあおもり』の立ち上げの仕事をみつけました。シメキリギリギリに履歴書が届いて面接となり、立ち上げメンバーに加わったことがきっかけです」

―青森でキャリア支援をスタートされたことがきっかけとなったのですね。工藤先生はジョブカフェではどのようなお仕事をされていたのですか。

「『ジョブカフェあおもり』では主に若年者を対象とした様々な就職支援事業を行っていました。合計6年間勤務しました。その間に資格も取得しましたので、キャリアカウンセリングを行ったり、履歴書の書き方や職務経歴書の書き方を指導したり、キャリア教育のセミナーを行うなど、いろいろなことを行っていました。後向きだった方が、だんだんと前向きになり、就職が決まったことを報告に来てくれた時は、嬉しかったですね。やりがいを実感する瞬間です」

-ジョブカフェから、キャリア支援をスタートしていったのですね。その後はどのようにキャリアパスを描いていったのですか。

キャリアカウンセラーとして独立
世界が大きく広がった

「ちょうど40歳になったのですが、生まれ育った青森を離れ、キャリアカウンセラーとして独立し、東京に出てくることにしました。東京の方が仕事も多いので、うまくいくのではないかと思ったからです。キャリアカウンセラーとして立ち上げたブログは東京に出てくる2年前から書いていたのですが、東京に出てから1年以内にホームページもアップしました。この頃、リカレントの講師となり、キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラーの育成も手掛けました。」

「そして独立してから1年後からセミナーも開催し今のスタイルの基盤をつくりました。今では海外も含め、各地でセミナーを開催しています。私はシングルマザーとして、2人の子どもを育ててきたのですが、この15年、私はこの資格一つで生活ができていることにとても感謝しています。キャリア支援の仕事は一人ひとりの『私らしく』を応援する素晴らしい仕事です。いい仕事をさせてもらっていると感じています」

-今では日本各地だけではなく、世界も含めると合計1200回、のべ50,000人以上の方が受講されたそうですね。どんなセミナーを行っているのですか。

「北海道から沖縄まで、日本全国の中学や高校、専門学校、大学のキャリア教育をテーマにしたセミナーや、保護者向けのセミナー、企業向けの講演会、行政機関で行う女性のキャリア支援の講演会などさまざまです。以前、化粧品会社にいたので、就活メイクを取り入れたセミナーなど、ニーズに合わせてさまざまな内容も組み込んでいます。また自分でもテーマに工夫を凝らしたキャリアのセミナーを企画して、開催しています。海外では、パリやカリフォルニア、ジャカルタやシンガポールウィーンなど、日本人学校に通う生徒さんや保護者向けのセミナーが多いですね」

-世界も含め様々な地域でセミナーを開催されてきた実績も工藤先生の強みでもありますね。

仕事と趣味を兼ね、旅を楽しみながら
キャリアのセミナーを開催できるのが嬉しい

「私は旅が好きです。旅をしながらキャリアカウンセラーとして、各地でキャリアのセミナーを開催できるのをとても幸せだと思います。
今度はここに行きたいなと思ったら、その土地でキャリアのセミナーを企画します。セミナーでは何より参加者の皆様との出会いがとても楽しみですが、セミナーの前後にその土地できれいな景色を見たり、その土地にしかない名物を食べたり、旅先で様々な出会いがあったり。仕事と趣味の垣根がなく、リフレッシュしながら仕事ができるこのスタイルは、私にあっていると思います」

―好きな旅をしながら仕事ができるのは、とても楽しいものですね。各地で開催するセミナーの集客はどのように行っているのでしょうか。

「大きく分けて二つあります。一つ目は私のブログの読者の方や、以前、セミナーを開催した際に、参加してくださった方などが、セミナー講師として呼んでくださり、参加者を集めてくださる場合です。毎年、同じ時期にセミナーを企画し、そこに講師として呼んで下さる方や、以前、セミナーを開催した際に、参加してくださった方などが、セミナー講師として呼んでくださる方もいらっしゃいます。毎年、私に会うのを楽しみにしてくださっている方とお会いするのも嬉しいですし、新しい土地で新たな出会いがあり、人脈がどんどん広がっていくのもとても楽しみです」

-セミナーを通して、人と人とのつながりが広がっていくのは素晴らしいですね。

「そうですね。そういった出会いには、縁を感じますし大切につないでいっています。二つ目は、自分でセミナーを企画して開催する場合です。今度はこの場所でこんなテーマで企画をしようと考えるのもとても楽しいですね。この場合は、ブログだけで集客します。リピーターとして何度も来ていただく参加者の方がいらっしゃるのがとても嬉しいですね」

写真:右上「ドバイ日本人学校でのキャリア教育」、右下「女子校でのキャリア教育」
左上「工藤先生が企画し開催したセミナー」、左下「企業での研修にて講演」

―ブログを見てくださっている読者の方々が、工藤先生が開催するセミナーに参加してくださっているケースも多いのですね。先生のブログの読者はどのくらいの人数がいらっしゃるのですか。

「現在は1400名前後で、月間3万PVくらいでしょうか。私がブログをはじめたのは、10年以上前ですが、当時はキャリアカウンセラーでブログを運営していた方はほとんどいらっしゃらなかったので、いわゆる先行者利益でしょうか(笑)。
キャリアカウンセラーと検索すると、1番上に私のブログが出てくることも ありました」

―なるほど。工藤先生はブログを通して、キャリアカウンセラーの世界を日本に広めたともいえますね。セミナーに参加される方がリピーターとなってくださるのは、とても嬉しいことですが、工藤先生はセミナーを開催する際に、どのようなことに気をつけていらっしゃるのでしょうか。

「参加される方には、私のセミナーで気付きを得たり、勉強もしてほしいのですが、何よりセミナーに足を運んだことで、元気になってくれるとうれしいなと思います。例えば、子育て中の女性の場合、子育てで悩むこともあります。そんな時、女性として共感をしあったり、これからどうしていこうかと、一緒に前向きに考える場になるとよいなと思います」

―最後に工藤先生から皆様にメッセージをお願いします。

「キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーの仕事は生まれてから死を迎えるまで、全ての方が支援の対象です。キャリアは人生です。自分が経験してきた経験を全て、カウンセリングに活かせますので、誰にでも役立てる場があります。一人ひとりの『自分らしく』を応援することで、相談者も、自分も人生が豊かになる仕事だと思います。皆様もキャリア支援の仲間としての一歩ぜひ踏み出していただきたいと思います」

プロフィール

工藤 倫子
(Rinko KUDOU)

リカレントキャリアデザインスクール専任講師
国家資格キャリアコンサルタント、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種他。

化粧品メーカー、専業主婦の期間を経て、キャリアカウンセラーとして2004年 ジョブカフェあおもり設立当初より、若年者を対象とした就職支援事業に携わる。2010年キャリアカウンセラーとして独立。キャリア教育事業・女性活躍推進事業を国内外で精力的に展開。
また、アメリカ、シンガポール、ドバイなど海外を含め1200回以上のセミナーで講演。

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